もくじ
月案de動画
今月の保育のポイント
- 3歳になって初めて集団生活、園生活を経験する子どもも多くいる。家庭環境や兄弟児関係などから、初めてでもすぐに遊べる子どももいれば、保護者と離れて過ごす不安を泣いてぶつける子どももいる。0歳児同様に受け止め、温かく関わる。
- カバンをかける、着替えるなど、身の回りのことを自分で行う生活にだんだんと馴染めるよう、自分の靴箱やロッカーが分かりやすいように配慮する。
- 集団生活に慣れるよう、家庭で呼ばれている呼び名で子どもを呼んでみたり、ゆったり過ごせる場所を保障したり、家庭で馴染んでいるものを使いながら、子どもの不安に寄り添って関わる。
- 春の自然に親しんで遊べるよう、園庭の花や身近な動植物に触れ、水をあげたり世話を楽しく行っていく。
月のねらい
- 自分の荷物の置き場所や物の場所などを知り、生活の流れを覚える。
- 新しい環境に慣れ、安心して過ごす。
- 友達や保育者に親しみ、一緒に過ごす楽しさを感じる。
- 春の生き物や草花に触れ、自然に興味関心を持つ。
- 身の回りのことを自分でやろうとする。
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週のねらい
その1
- 1週目:物の場所や自分の棚などを覚え、生活の流れを知る(養護)
- 2週目:遊びを通して保育者やクラスの友達と関わり、親しみを持つ(教育)
- 3週目:戸外で思いっきり身体を動かす心地よさを感じる(教育)
- 4週目:春の生き物や花に触れ、遊びに取り入れて遊ぶ(教育)
その2
- 1週目:自分のロッカーやマーク、道具や玩具の片付け場所などを知る(教育)
- 2週目:進級した事に喜びを感じ、新しい友だちや環境に慣れ安心して過ごす(養護)
- 3週目:保育者や友達と遊びを通して楽しく過ごす(教育)
- 4週目:園での生活の仕方がわかり、安心して過ごす(養護)
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前月末の子どもの姿
養護(生活)
- トイレでの排泄に成功する子どもが増えてきている。
- 自発的に着替えを行おうとする姿がある子どももいるが、着替えるのを嫌がる子どももいる。援助が必要な子どももいれば、自分で全て着替えられる子もいるなど、個人の差が大きい。
💡
個人の差は能力だけではなく、性質も大きく違います。例えば、服が汚れることを異常に気にする「こだわり」をもつ子どももいます。それぞれの生きてきたドラマが違うことを理解しておきましょう。 - 自分の思いを簡単な言葉で表現し、相手に伝わると嬉しそうにしている。
- 進級を心待ちにし、期待を持って楽しみに過ごしている。
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3歳児は言わば「何でもできる」と思っています。根拠のない自信に溢れる3歳児。もちろん不安な心も持ち合わせているので、相反する心を観察しましょう。 - スプーンやフォークなどの持ち方が安定し、少しずつうまく使えるようになってきている子どもが多い。
教育(遊び)
- 遊びや活動を通して友達と関わることを楽しんでいる。
- 友達とトラブルがあった際には言葉で伝えられず、手が出てしまったり泣いたりすることもある。
- 室内にある様々な玩具に興味を持ち、イメージを膨らませながら夢中になっている。
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2歳児に培った空想の世界がさらに具体的に表れ始めます。自分の物語、ストーリー、ドラマ、それが価値観の土台になっているのが3歳児です。 - 寒い中でも身体を動かして遊ぶことを喜び、戸外遊びや散歩を楽しみにしている姿がある。
- 好きな遊びを繰り返し行う子どももいれば、様々な遊びに興味を持ち代わる代わる遊びを変えながら遊ぶ子どももいる。
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活動内容(五領域対応)
養護(生活)
- 玩具やコップ置き場、荷物を入れる棚などの場所を覚え、自分で身の回りの支度をしようとする。(健康)
- トイレで排泄が成功する喜びを感じ、自分の行きたい時に行こうとする。(健康)
💡
トイレトレーニングをしない方針の家庭もあります。オムツをしている子どもの背景も含めて個人差を暖かく理解しましょう。 - 食事の際にはスプーンやフォークの持ち方に気をつけたり、立ち歩かないで食事をするなどマナーを守ろうとする。(健康)
- 上着の着脱や着替えを、自らやろうとする。(健康)
- 保育者と話し関わりを深めながら、親しみをもって保育園生活に慣れる。(健康・人間関係)
- 園生活の中で日常の挨拶をし、簡単な約束やルール、マナーを守る。(健康・人間関係)
- 園生活に親しみをもち、落ち着いて生活をする。(健康・人間関係・環境)
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教育(遊び)
- 自分のしたいことや保育者にして欲しいことを言葉で表現して伝えようとする。(言葉)
- 友達がやっている遊びに興味を持ち、関わって一緒に遊ぶ楽しさを味わう。(人間関係)
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今までは保育者に認められたい基準がありましたが、3歳からは自分と同じような存在=友達に認められたい気持ちが強くなってきます。 - 春ならではの自然に興味を持ち、触れたり遊びに取り入れたりしようとする。(環境)
- 運動遊びや戸外遊びを通して、身体を思いっきり動かす心地よさを感じる。(健康)
- はさみやのり、マジックなど、製作に必要な物の使い方を知り、約束を守って安全に使う。(表現)
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「剣」「家」等、具体的なイメージをもって作ります。それぞれ進級での子どもの不安を癒す「自分の居場所づくり」の可能性も大いにあります。何を作るか、どう友達と関わるかを観察してみましょう。 - 簡単なルールのあるゲームや集団遊びを楽しむ。(人間関係・表現)
- 表現遊びに参加し、身体を動かすことや絵画活動を楽しむ。(表現)
- 好きな場所や遊びを見つける。(健康)
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環境構成と援助
養護(生活)
- 子どもが自分の棚や靴箱などを覚え、自分で身支度などできるように環境を整えておく。そのために、事前に個々のマークやシールなどを決め、それぞれの場所に見えるように貼っておくようにする。また、みんなで共通して使用する玩具の場所や絵本の棚などもマークをつけ、子どもが片付けなどしやすい工夫をする。
- 排泄が自立している子には後始末の仕方まで自分でできるように援助していく。まだ排泄が自立していない子はタイミングよくトイレに誘い、トイレでできた喜びが感じられるようにしていく。
- 食事マナーや約束を繰り返し伝えることで、子どもが覚えられるようにする。
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主に「食べ終わってから話す」「人の物を触らない」「食事の姿勢」この3つは押さえておきましょう。 - 泣いている子やどうして良いか分からず固まっている子などに手をつないでゆっくり話しかけたり、遊びに誘うなどして一緒に過ごし、安心して生活が送れるようにする。
- ひとりひとりの名前を呼び、温かくあいさつをし、触れ合う等のコミュニケーションを取りながら安心して過ごせるようにする。トイレに行く時、遊び始める時、場面が変わる直前にルールを話すようにし、子どもが場面と決まりを一致させられるようにする。
- 生活する順序や場所が分かりやすいように、絵で示しておく。トラブルの際は良い、悪いではなく、互いの気持ちを汲み取れるように話をする等、保育者が拠り所となり、落ち着いた生活の空気を環境から作っていく。
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教育(遊び)
- 言葉で思いを伝えようとする子どもの意欲を認め、必要に応じて代弁しながら伝える満足感を味わえるようにする。
- 保育者や友達に親しみが持てるよう、関わりながら遊べる時間が持てるようにする。ひとりで過ごしたり遊びこむことを好む子どももいるので、無理な関わりにならないように注意しながら援助していく。
- 子どもが伸び伸びと身体を動かせるよう、広い部屋や戸外を使って運動遊びを行うようにする。怪我にならないよう環境の整備を事前にしっかりとしておく。
💡
3歳は土踏まず形成によって、しなやかな動きや長時間歩けるようになります。凸凹をバランスを取りながら歩く、段差から飛び降りるなど、様々な動きを楽しみましょう。 - はさみやのりなど、家庭によって子ども自身が使用したことのない場合もある。事前に正しい使い方や危険性を伝え、怪我や事故のないように充分注意する。また、手先が器用に使えない子どもは物の扱いに苦戦することもある。個別に援助できるよう、少人数で行うなど進め方も配慮を欠かさないようにする。
- 簡単なゲームやリズム遊びなどを一緒に行い、身体を動かしながら集団での一体感を味わえるようにする。
- 内容が分からず困っている子や、参加したがらない子には、実物を目の前で見せたり、少し触れる環境を用意するなど、スモールステップを用意する。参加が難しい場合は無理強いせず、子どもの気持ちを尊重する。
- ひとりひとりが満足して遊べるよう、机上遊びとその他の区別や、コーナーやおもちゃの所在を分かりやすく揃える。遊び方を理解して楽しめるように使い方を伝えていく。
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健康、安全面で配慮すべき事項
- 新しい環境の中で情緒が不安定になり、体調を崩す子どももいる。一人ひとりの普段の様子をよく観察し、無理して過ごしていないか体調が悪くなっていないかなど注意してみる。
- 慣れない園内で危険箇所や危ない行動など知らない子どももいる。安全な遊び方や過ごし方を知らせ、みんなで確認しておく。また、繰り返し伝えていくようにする。
💡
挑戦する気持ちが強い3歳児です。しかし、まだ空間認識能力など、認知能力は未発達。転倒、衝突、落下に気を付けておきましょう。
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今月の製作・歌・絵本・手遊び・室内室外遊び
製作
- 似顔絵フラワー
- イースターバスケット
- 輪っかであおむし
この他、【春の自然】や【遊びに使える物】の製作を『折り紙、牛乳パック、握る、貼る、折る』等、身近な素材と手法でご紹介!
歌
- せんせいとおともだち
- おつかいありさん
- めだかのがっこう
絵本
- わたしのワンピース
- かばくん
- そらはさくらいろ
手遊び
- キャベツの中から
- ピクニック
- さかながはねて
室内室外遊び
- かんたんブーメラン遊び(外でも使えるよ)
- お尻競争
- 春をあつめよう
行事
- 入園式
- 身体測定
- 避難訓練
- 誕生会
- 個人面談
- 全体懇親会
- エイプリルフール(4/1)
- 花まつり(4/8)
- イースター(4/17)
- 恐竜の日(4/17)
- 昭和の日(4/29)
食育
- 友達と一緒に楽しい雰囲気の中で食事をする。
- 春の野菜や果物に触れ、食べ物への興味、関心を持つ。
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地域と家庭との連携
- 進級する家庭に対しては、進級にあたり変わるものや準備してもらうものを事前に伝えておく。入園する家庭に対しては、1年間の行事予定や活動内容、準備物などを出来る限り詳しく伝え、入園に対する不安を軽減できるようにする。
- 日々の子どもの様子を保護者にこまめに伝え、コミュニケーションをしっかりとるように心がける。
- 新しい環境で不安定になったり疲れたりする子どももいるため、家庭でのサポートに協力してもらえるように関係を築いていく。
💡
保護者も環境の変化に戸惑うことが予想されます。持ち物など忘れ物があってもおおらかに受け止めましょう。指摘しすぎると登園拒否などの深刻な事態に陥る事もあります。 - 進入園児に関しては、アレルギーや持病の有無などをしっかりと確認し、給食や何か異変があった時の対応の仕方を共通認識しておく。
自己評価
- 自分の棚や靴箱などを覚え、自ら進んで身の回りのことをしようとしていたか。
- 友達や保育者に親しみ、心地よく過ごすことができたか。
- 春の自然に興味を持ち、触れたり遊びに取り入れて親しむことができたか。
- 食事のマナーを守り、楽しく食事をすることができたか。
- 友達と一緒に遊ぶ楽しさを味わえたか。
- して欲しいことやしたいことを、言葉で伝えようとできていたか。
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