今月の保育のポイント
- 子どもの自立心と、大人への依存心の揺れを受け止めた上で、身辺の自立へ向けて出来るところ、苦手とするところ、できなかった状況を観察し、子ども一人ひとりの課題を明確にしておく。
- 身の回りのことを自分でしたがらない子どもに対しては、気持ちをしっかりと受け止め、保育者と一緒に自立へ歩んでいく形の援助をとる。一緒に行って出来たときは十分に誉め、徐々に次の意欲へとつなげていく。
- 秋の果物、落ち葉、どんぐりなどの秋の自然物に触れ、造形遊びに取り入れるなどして五領域の広がりを意識する。
- 友達と関わる、関心をもつことをそれぞれの姿の中から大切にし、子どもの社会性を尊重する。トラブルが起きた時は相手の気持ちをゆっくりと伝えながら、納得できる道を子どもと探していく。
月のねらい
- 生き物や植物、落ち葉などに触れ、秋の自然に親しむ。
- 保育者や友達と言葉でのやりとりを楽しむ。
- 環境に配慮してもらいながら、心地よく過ごす。
週のねらい
1週目:秋の自然に触れ、生き物や植物に興味を持つ
2週目:戸外で集めた木の実や落ち葉を使って製作を楽しむ
3週目:身体を思いっきり動かしながら楽しく遊ぶ
4週目:保育者や友達と関わりながら、好きな遊びを存分に楽しむ
前月末の子どもの姿
養護(生活)
- 手洗いうがいのやり方を覚え、自らやってみようとするがうまくできなかったりそのまま水道で遊んでしまったりする子どももいる。
- 衣類を脱いだ後は、畳んでみようとする姿が見られる子どももいる。保育者に甘えてなかなか自ら着脱しない日もあるが、意欲的にやってみようとする子どもが多い。また、持ち物を自分の棚へ片付けることもできるようになり、身の回りのことへの関心が高まってきている。
- 遊んでいる途中でも自分のタイミングでトイレに向かうことができるようになってきている。しかし、遊びに夢中になっているときにはギリギリになってしまい、間に合わないこともある。
- スプーンやフォークを正しく持ち、メニューによって持ち替えながら上手に食事を進める姿が見られるようになってきた。すくいづらいメニューの時には手で支えながら食べることもあるが、ほとんどの子どもが最後まで意欲的に食事を進められている。
教育(遊び)
- 安定して走れるようになってきた子どもが多く、戸外ではかけっこを楽しんでいる姿が見られた。また、乗り物や遊具などでも積極的に遊び、年上の友達の真似をしている子どももいる。
- 運動遊びでは、しゃがんだりジャンプしたりし、いろいろな身体の使い方に挑戦することができていた。うまく出来なくても、楽しそうに真似する姿があった。
- 好きな遊びに熱中する子どももいれば、友達の遊びに興味を持ち、いろいろな遊びに取り組む子どももいた。遊びの中で友達との関わりも少しずつ深め、自ら関わっていこうとする姿が見られた。
- 紙粘土で遊んだりペジックを使ってお絵かきをしたりする活動にも取り組み、楽しそうにする子どもが多かった。
活動内容
養護(生活)
- スプーンやフォークを正しく持って使おうとする。
- 朝の挨拶や食事の際の挨拶を覚え、自ら言葉やしぐさで言おうとする。
- 手洗いうがいや衣類の着脱など、身の回りのことを意欲的に行う。
- 自分のロッカーの場所を覚え、持ち物を自分の棚へ片付ける。
教育(遊び)
- 木の実や落ち葉を使用した、製作を楽しむ。
- リズム遊びや運動遊びを通して、思いっきり身体を動かすことを楽しむ。
- 保育者や友達に自分の気持ちを言葉で伝えようとする。
- ごっこ遊びなどを通して、友達とやりとりすることを楽しむ。
- 固定遊具などにも興味を持ち、挑戦してみようとする。
環境構成と援助
養護(生活)
- 食事の際には、スプーンなどを使って食べる姿を認めつつ、嫌になってしまわないように気をつけながら繰り返し正しい持ち方を伝えていく。
- 場面ごとの挨拶も少しずつ覚えてきているため、言葉で表現できるように声をかけていく。
- 手洗いの際には、袖をまくることも自分でできるよう、やり方を伝える。また、手を洗った後はタオルですぐに手を拭くことも知らせ、自分で流れが分かるようにしていく。
- 子どもが自分のロッカーを把握できるよう、マークをつけておく。マークが外れたり見えにくくなったりしていないか定期的に確認をし、見えにくい時には貼り直しを行うようにする。
教育(遊び)
- 戸外で子どもと一緒に落ち葉や木の実を集め、製作に取り入れる。実際に使ったり触れたりすることで、より自然のものに興味が湧くようにする。
- いろいろな身体の使い方を覚え、走ったりジャンプしたりするのが楽しい時期になってくる。思いっきり発散できるよう、広々した場所で運動遊びなどを行っていく。
- 嫌なことがあった時にうまく言葉で表現できず、手が出てしまったり泣いたりしてしまうこともある。気持ちを代弁しながら、自分の気持ちを言葉で表現できるように援助していく。
- 異年齢の友達の姿を見て、固定遊具や乗り物などに興味が湧くようにしていく。異年齢時も一緒に戸外で遊んでいる際には、ぶつかったり転倒したりしないように気をつけて見ていく。また、2歳児だけで戸外で遊ぶ時間も設け、思いっきり遊び込めるようにするなど、環境も工夫していく。
健康、安全面で配慮すべき事項
- 室内が暖かくなりすぎないよう、室温に気を付ける。また、動きやすくできるだけ薄着を心がけて、子どもが快適に過ごせるようにしていく。
- 寒暖差が出てきて体調を崩しやすく、また流行性の感染症がでてくるため、予防にしっかりと努める。体調不良に早く気づけるよう、普段の様子を一人ひとりよく観察しておく。
行事
- 避難訓練
- 誕生会
- 身体測定
- 交通安全教室
食育
- 食べこぼしに気をつけながら食事を進めようとする。
- 友達や保育者と「おいしいね」など話をしながら、楽しい雰囲気の中で食事をする。
地域と家庭との連携
- 寒暖差が大きくなってくる時期だが、厚着になりすぎないようにお願いをする。また、温度調節しやすい服や動きやすい服を着せてもらえるように声をかけていく。
- 冬に流行りやすい感染症などについてまとめ、家庭でも予防に取り組んでもらえるようにしていく。体調が悪い様子が見られたら、家庭と情報共有できるようにコミュニケーションをとる。
自己評価
- スプーンやフォークを正しく持って使おうとしていたか。
- 朝の挨拶や食事の際の挨拶を覚え、自ら言葉やしぐさで表現することができたか。
- 手洗いうがいや衣類の着脱などを意欲的に行っていたか。
- 自分のロッカーの場所を覚え、持ち物を自分の棚へ片付けることができたか。
- 木の実や落ち葉を使用した製作を楽しみ、自然にも興味を持つことができたか。
- リズム遊びや運動遊びを通して、思いっきり身体を動かすことを楽しんでいたか。
- 保育者や友達に、思ったことや自分の気持ちを言葉で伝えようとする姿が見られたか。
- 遊びなどを通して友達と関わって遊び、やりとりすることを楽しめたか。
- 固定遊具などにも興味を持ち、楽しく遊ぶことができたか。