もくじ
月案de動画
今月の保育のポイント
- 在園児、新入園児共に「大きくなってできるようになった実感」を大切にできるように、「~したい」「~してあげたい」気持ちを大切に汲み取る。子どもの興味や「~できたよ」に丁寧に寄り添い、喜びを分かち合う。
- 子どもの好きな遊びを友達と広げて楽しむ時期。保育士もその一員として子どもの発見や楽しさに共感し、時に上手く言葉では伝えられないところや、少し我慢してしまう子どもの援助をしながら、やりとりを楽しみつつ遊びや生活をつくっていく。
- 朝の登園時、降園時に保護者と今日の様子を伝え合いながら、信頼関係を深めていく。
月のねらい
- 進級を喜び、何でも自分でやってみようとする。
- 新しいクラスでの生活の流れがわかり、身の回りのことを自分で行う。
- 友達や保育者に親しみ、安心できる環境の中でのびのび過ごす。
- 春の自然に興味を持ち、触れたり調べたりして遊ぶことを楽しむ。
ほいくのおまもりプラス
週のねらい
その1
- 1週目:新しいクラスでの生活の流れを知り、身の回りのことを自分でやろうとする (養護)
- 2週目:遊びを通して友達や保育者と一緒に過ごすことを楽しむ(教育)
- 3週目:草花や生き物に触れ、春の自然に興味関心を持つ(教育)
- 4週目:気の合う友達と一緒に好きな遊びを思う存分楽しむ(教育)
その2
- 1週目:保育者やクラスの友達といっしょに過ごす楽しさを感じる(教育)
- 2週目:新しい生活の仕方がわかり、できることは自分でしようとする(養護)
- 3週目:新しい友だちや保育者とかかわり、言葉でのやり取りを楽しむ(教育)
- 4週目:一人ひとりの子どもの欲求を受け止め、安定した生活ができるようにする(養護)
ほいくのおまもりプラス
前月末の子どもの姿
養護(生活)
- 相手の気持ちを聞き、自分の気持ちに折り合いをつけることができるようになりつつある。しかし、まだまだ自分の気持ちを優先してしまいがちで、相手に譲れないことも多い。
💡
自分の気持ち、相手の気持ちどちらも尊重されるべきものです。「自分も相手も楽しくなるにはどうしたらいいだろう?」と、子どもと悩みながら思考する力を育てましょう。 - 異年齢児と関わりを持つ中で大きくなることへの期待感が高まり、進級を心待ちにしている姿がある。
- 着替えや排泄などが自分でできるようになり、身の回りのことはゆっくりでも最後まで行おうとする姿が見られた。
💡
ゆっくり最後までできる環境を整えましょう。仲良く喋ってしまい、着替えが手につかない環境ならば離すなどの物理的な環境構成がポイントになります。 - 食事の際、スプーンやフォークで上手く食べられない時には手でつかんで食べてしまったり食べこぼしに気づかないこともあるが、少しずつ上手く食べられるようになってきている。
教育(遊び)
- 花壇に咲いた花を見つけ、「何の花かな?」と興味を持っている子どもがいる。
- 気の合う友達と一緒に遊ぶことを楽しみ、同じ玩具を使ったり一緒にままごとをすることを喜んでいる。
- 友達とトラブルになった際には気持ちを言葉で表現するときもあるが、泣いたり叩いたりしてしまう子どももいる。
- ひな祭りやお別れ会などたくさんの友達と関わる機会を喜び、行事を楽しんでいる。
- はさみやのりなど器用に使って製作ができる子どももいれば、手先が不器用でなかなか上手く使えず援助が必要な子どももいる。
💡
はさみの話で言えば、直線切りがやっとの子どももいれば、曲線を切れる子どももいます。どの子どもも楽しく関われるように、数種類レベル別に分けて環境を用意しましょう。
ほいくのおまもりプラス
活動内容(五領域対応)
養護(生活)
- 新しいクラスでの生活の流れや約束を覚え、できることは自分でやろうとする。(健康・環境)
- 保育者や友達に親しみを持ち、安心してのびのび過ごす。(人間関係)
💡
4月当初、荒れることや汚い言葉(下言葉)が増えることもあります。子ども同士の対等な仲間関係を築く段階途中のことでもあるので、温かく見守り、時と場合に合わない所は根気よく注意しましょう。 - 年下のクラスの友達と関わる中で、話し方や接し方を工夫しようとする。(言葉・人間関係)
- 手洗い、うがいを自ら進んで行い、次使う他者のことを考えてスリッパを並べて脱ぐなど、健康と衛生に気つけて過ごす。(健康)
- 共同で使う園の物と自分の持ち物の区別をつけ、物の管理と使い方を身につける。(健康・環境)
- ゆったりと過ごす時間、生活動作を行う時間、思い切って遊ぶ時間など、生活にメリハリをつけ心身共に休息と緊張を得ながら過ごす。(健康)
ほいくのおまもりプラス
教育(遊び)
- 戸外で春ならではの生き物や草花を見つけ、春の自然に興味を持つ。(環境)
- 遊びを通していろんな友達と関わりをもち、一緒に遊び楽しさを味わう。(人間関係)
- 思ったことや考えたことを自分の言葉で相手に伝えようとする。(言葉)
- クレヨンや鉛筆、はさみなどモノの使い方を改めて確認し、正しく使う。(表現)
💡
最初は小グループでできる環境をつくりましょう。子どもが集中でき、理解しやすく落ち着いてできるので、身に付きやすくなります。 - 歌やダンス、運動遊びなどを通して、身体を思いっきり動かす心地よさを味わう。(健康・表現)
💡
ジャンプしながら腕を回すなどの、2つの動きを同時にする力も育ってくる時期です。全身を巧みに使った遊びや動きに挑戦していきましょう。 - 目的を持って仲の良い友達と一緒に遊びを進める。(人間関係・言葉・表現)
- こいのぼりの意味や姿を知り、子どもの日に期待をする。(環境・表現)
- 身近な草花や生き物に興味をもち、泥の感触を楽しんだり泥だんごを作るなど、春の気候や自然に触れ心地よく遊ぶ。(健康・環境・表現)
ほいくのおまもりプラス
環境構成と援助
養護(生活)
- 新しい環境にすぐ馴染める子どももいれば、戸惑い気持ちが安定しない子どももいる。一人ひとりの行動や様子を気にかけ、安心感が持てるように援助していく。
- 生活の中での約束や流れがわかるようにしっかり伝えていく。連絡帳を出す場所やタオルを置く場所などは子どもの手が届きやすい場所にする。どの子どもにとってわかりやすいようシールを貼ったり目印をつけたりすることで、自らやろうとする気持ちが芽生えるように環境を作っておく。
- 新しく入った友達や年下の友達にどのように接するかを一緒に考え、子どもなりに優しい言葉や態度を工夫できるよう援助する。
💡
年下の友達に余裕をもって優しく関わる姿を「ありがとう、優しい気持ちだね」と伝えていきましょう。いたわる気持ちが育っていきます。 - 行う場所、場面、理由を明確に分かるように丁寧に全体に伝える。場所が混雑して待ち時間が増えてしまう場合は2カ所に分ける工夫や、途中に脱線してしまう子には保育者がつき、刺激物を避ける工夫をするなど、ひとつひとつの動作が丁寧に行えるように環境を援助を準備していく。
- 園の物や見慣れないクラスの新しいおもちゃ、製作コーナー等、分かりやすいように場所を写真や絵で明記しておく。自分の物をどこにしまうかを明確にしておき、管理がしやすい環境を整える。
- 全体で動く生活、取り組みの時間は無理のない時間で行い、遊びの時間をしっかり保障する。子どもがやるべきことが分からず走り回ってしまったり、困っている場合は、何をすれば自由に遊べるか明確に提示し、目標を見つけられるようにする。
ほいくのおまもりプラス
教育(遊び)
- 戸外で見つけた花や生き物を子どもが自ら調べられるよう、保育室に様々な図鑑や絵本を準備しておく。
💡
身近な大人が一緒に調べることで、子どもはさらに深く知ろうとします。調べることがきっかけで図鑑の調べ方や図鑑そのものを覚えてしまおうとする子どももいます。様々な豊かな次の段階を生み出します。 - クラスの友達と関わりが持てるよう、みんなで遊べる簡単なゲームを用意しておく。一定の友達だけでなく、いろんな友達と関われるように必要に応じて声をかけていく。
- 子どもが自分の言葉で思いを伝えようとする気持ちを受け止め、ゆっくり話す時間を設ける。
💡
自分の思いが通らなく、パニックになるように泣いたりする場合もあります。わがままに見えても、「~したかったんだね」と受け止めてしっかり寄り添うことで「~だけど、~だ」と自制しながら思考する力が身についていきます。 - はさみやのり、マジックなどは今まで使っていたものでも改めて使い方や約束を確認し、危険なく正しく使えるようにしていく。
- 運動遊びをする際は、思いっきり動いても棚などにぶつからない広い場所を確保する。
- ごっこ遊び等を通して4歳児の世界が広がるように、様々な素材を用意しておく。また、普段から子どもたちの楽しかった話や興味ある話を聞き取り、「こうなっていくかな」「どれくらい大きくなるの?」等、会話を通して他者に話したりイメージを広げる楽しさを経験できるようにする。
- 実際のこいのぼりや絵本を通して視覚的にこいのぼりを印象づけられるようにし、由来や意味を導入する。子どもたちのやってみたい、作ってみたい、空に泳がせてみたい気持ちを引き出せるように、製作中も「みんなの鯉のぼりは気持ちよさそうに泳いでくれるかな」等、完成後のイメージに期待できるような声掛けを行う。
- 水やスコップ、虫カゴなど、それぞれの自然素材をイメージをもって具現化できるように環境を整える。保育士も遊びに頃合いを見計らって参加し、ダイナミックに広げたり、遊びのきっかけや観察の発見をつくれるように働きかける。
ほいくのおまもりプラス
健康、安全面で配慮すべき事項
- 新しいクラスや進級した喜びから気持ちが浮ついてしまう子どももいる。廊下や保育室内では走らない、周りをよくみるなど怪我や事故が起こりにくい室内での過ごし方を子どもと考えるようにする。
- 新しい環境での不安感から情緒や体調が崩れやすい子どももいる。一人ひとりの体調の変化をよく観察し、異変がないか他職員と連携を取りながら見守る。
ほいくのおまもりプラス
今月の製作・歌・絵本・手遊び・室内室外遊び
製作
- 似顔絵フラワー
- イースターバスケット
- 輪っかであおむし
この他、【春の自然】や【遊びに使える物】の製作を『折り紙、牛乳パック、握る、貼る、折る』等、身近な素材と手法でご紹介!
歌
- おはながわらった
- マーチング・マーチ
- いぬのおまわりさん
絵本
- ぐるんぱのようちえん
- はるです はるのおおそうじ
- たろうのひっこし
手遊び
- キャベツの中から
- ピクニック
- さかながはねて
室内室外遊び
- かんたんブーメラン遊び(外でも使えるよ)
- お尻競争
- 春をあつめよう
行事
- 入園式
- 身体測定
- 避難訓練
- 誕生会
- 個人面談
- 全体懇親会
- エイプリルフール(4/1)
- 花まつり(4/8)
- イースター(4/17)
- 恐竜の日(4/17)
- 昭和の日(4/29)
食育
- 友達と一緒に楽しい雰囲気の中で食事をする。
- 手づかみになることがないよう、スプーンやフォークを使い分けて食べ進める。
- 旬の野菜や果物を知り、様々な食材に興味を持つ。
ほいくのおまもりプラス
地域と家庭との連携
- 進級児には、変わる持ち物や新しい準備物などを前もって知らせるようにする。
- 新入園児には、1年間を通しての行事や準備物など必要なお知らせをわかりやすく伝える。
- 新しい環境の中での子どもの様子を細かに伝え、家庭でのサポートに協力してもらえるようお願いする。
💡
4歳になると得意、不得意の差がはっきりします。保護者は当然周りと比べて気にしてしまうので、子どもの育ちや動き、段階を丁寧に伝えることが信頼へと繋がります。 - 安心して送り出してもらうために保護者一人ひとりとも会話や伝達事項の抜けがないよう心がけ、関係を築いていく。
自己評価
- 新しい友達や保育者に親しみを持ち、安心して園生活を送れているか。
- 春の草花や生き物に触れたり図鑑で調べたりするなど、自然に興味や関心を持てていたか。
- スプーンやフォークを使い分けながら食事を進めることができたか。
- 生活の流れがわかり、身の回りのことを自分で意欲的に行おうとできたか。
- 友達や年下の友達に対して、子どもなりに優しい言葉や態度で接することができていたか。
- 子どもが自分の思いを言葉で表現する機会が持てたか。
- モノの正しい使い方を確認し、気をつけて使おうとできていたか。
ほいくのおまもりプラス
↓その他の保育ネタ↓