こんにちは!モモンガ(自然大好き保育士)です!
保育士を悩ませるイベント、それが母の日、父の日です。年々片親(シングル)の家庭は増えており、母の日、父の日制作をどうする?と悩んでいませんか?
今回は、父の日母の日制作についての悩みを解決すべく、取り組み方から制作アイディアまで年齢別に揃えました!
保育園で、どうやって父の日、母の日に取り組むか?
母の日、父の日制作のねらい
そもそも母の日、父の日って何だ?
どちらも、普段言っていない、言いにくいことや感謝を形にしよう、伝えようという意味の日です。
母の日は、キリスト教の習慣が原点です。
それから戦争時代に入ると、夫や子どもを亡くした母が多くなり、母の日は非武装を強く訴える日として伝えられていきました。
その後、この母の日を訴えていた女性の長年の努力に敬意を表する意味も合わせ、母の日としての式典の実現を訴えかけました。
やがてそれが実現し、式典の日にカーネーションが配られたことが今の母の日になった始まりとされています。
父の日はもともと母の日が制定されたことで、「父の日もあって良いはずだ!」という動きから自然とつくられました。
日本では、母の日も父の日もお店の販売戦略として一般化したことがはじまりのようです。
しかしながら、どちらの日ももともと発想として形になってきたのは戦争時代です。
母の日、父の日に感謝の気持ちを表そうと制定された背景には、家族を失った人々の平和を願う気持ちがあったのです。
ズバリこんなねらいが良いでしょう
ねらいにするにはこの2つあればよいでしょう。
①情緒的なねらい
- 母(父)に対して感謝の気持ちを育む
- 母(父)を思い浮かべながら、丁寧に心を込めて制作をする
などの、母の日父の日の意味にそって、感謝の気持ちや大切に思う気持ち、大好きだよ!という気持ちを意識したり、表現することをねらいとすると良いでしょう。
②制作、表現のねらい
- 指で紙にスタンプすることで、感触や色の発色を楽しむ
- ハサミで曲線に沿って切り、クレヨンで顔を描くなどの活動を体験する
- 均一に色を考えて塗るような、想像性を働かせながら絵画活動を味わう
など、 制作目線→手指の巧緻性や表現に結びつけるねらいです。
こちらは年齢に沿って、活動の内容の効果や体験を説明するような感じにすると良いでしょう。
片親の場合はどうするか?
最近はシングルの家庭が増えてきて、よくある悩みになってきました。
基本、正解はありません。一つのことをどう受け取るかは保護者によって違います。
シングルであることを恥ずかしいと思っているような保護者もいらっしゃいます。
地域性や子どもの年齢によって、園の方針に沿う形をとることになるでしょうが、保育士自身の考えは合っても良いと思います。
どんな考えがあるのか?参考にしてもらえればと思います。
基本は園に相談しよう
どの考えをもつかは保育士によって違うでしょうが、保育はチームワークです。
自己判断で動くと、場合によってはそれが信用問題に関わることになることもあるので、分からなければ必ず園に相談するようにしましょう。
これは仕事をする上での絶対です。
父の日も母の日も「家族の日」として扱う
どちらの日も「今日は家族にありがとうって言う日」と子どもに伝えることで、どんな家庭でも平等に扱えるということを重視している考え方です。
これは、カレンダー通りとはいきませんが、家族を大切にするという肝のねらいは達成されます。
ただ、父の日、母の日という正しい意味を教えていないことになるので、そこは突っ込まれるかもしれません。
色んな家庭があることを知るのも一つの教育として考える
たとえば父の日だったら個別に「じゃぁ○●くんはお母さん(おじいちゃん)描こうか」と持ちかけます。
保護者が隠したいという気持ちがある場合もあるので、大大的には出さないようにします。
他の子どもが「何で●○くんは違う絵?」とか聞かれたら聞いた子に話すようにします。
「●○くんはお家にお父さんがいないけど、代わりにおじいちゃんや、お兄ちゃんなど大好きないるんだよ」
というように、色んな事情や家庭があっていいことをその時話すのです。
人は平等には生まれることはできません。
両親が揃っている子どもも、そういったことを知り、人のことを思いやる大事な機会だということがねらいです。
しかしながら、これは個人情報的な観点から問題になることがあります。やはり保育園と事前に対応方法について話しておくことが大事です。
円滑に制作をすすめるために
円滑に制作をすすめるためには、導入が肝心!
導入の方法をメインに説明していきます。
親に対する感謝の気持ちを芽生えさせる導入
絵本を使って子どもたちの気持ちを掴む導入と、多かれ少なかれ必ずする素話での導入が考えられると思います。
素話で導入する時、母、父への感謝の気持ちを聞いてみましょう。
「お母さんのこと好き?」→「どんなところが好き?」というように、シンプルに子どもの気持ちから引き出すと良いです。
年長になってくると、「昔戦争があって、お父さんもお母さんも死んでさみしい思いをした人たちがたくさんいました」
「だから、その人たちはお父さんお母さん大事にしてねって気持ちをこの日にこめました」
というように、母の日、父の日の背景にある歴史を話しても良いかもしれません。
最初にほわーんと感謝の気持ちが出るような導入をし、その後で「何をするか?」をはっきり記憶づける制作の説明に入るとよいでしょう。
ちなみに絵本を使うならこんな絵本がおすすめです!
【ぎゅっ】1歳ごろから~
ほとんどが「ぎゅっ」で構成されているけど、なぜか気持ちが伝わる温かい一冊です。
【ねぇだっこして】3歳ごろから~
大好きなお母さんに赤ちゃんができると、赤ちゃんばかり抱っこされて、猫である自分は全然だっこされない・・・そんな気持ちを絵本にした一冊です。
年齢に合った制作をしよう
制作を考える上で、今子どもに経験させたい「動作」から考えましょう。
切る?貼る?ちぎる?絵具で塗る?折る?何か一つメインの動作を決めて、制作に入ると良いです。
というのは、制作はこれだけではありません。年間通して制作を行います。
どの時にどんな制作でどんな動作を入れてきたか?ということが戦略的に入っていることで、保育を年間で見た時、ねらいがはっきりして、「こういう経験があるから、こんな力がついてきたんだな」ということが分かりやすくなります。
年間の保育を振り返って「ただ、楽しいだけだった」という反省はありがちで責められがちです。
活動に楽しいは必ず必要ですが、楽しさの中身が戦略的になるよう、子どもに体験させたい動作をメインにもってくるようにすると良いでしょう。
制作には感謝の言葉をいれるのがベター
「お母さん(お父さん)いつもありがとう」のような、言葉をどこかへ入れましょう。
文字を書けない場合が多いので、基本的にはシールを作って代用すると良いです。
保護者へ向けてのことなので、保護者に端的に伝わるようにすることが目的です。
子どもは言葉にはできないかもしれませんが、父母のことは大好きですし、感謝もしています。
子どもの気持ちが保護者へ伝わるように、シールを作ってお手伝いするようなねらいです。
母の日の製作アイディア
5月第二日曜なので、まだ新クラスから浅いことを考慮して制作を進めることがポイントです。
ねらいとしては、友達と協力して・・・とかいうことよりも、とにかく個々が自分を表現できることに重点を当てると良いでしょう。
乳児 指スタンプで紙のかばんに模様付け
【用意するもの】
- 紙のかばん(保育士がつくります)
- 絵具
- パレット
- 手拭き
- 洗い桶
【紙のかばんの作り方(A4紙サイズ)】
簡単な紙でつくれるかばんの作り方です。
のりで貼る部分は、両面テープでもOKです。
①上から6cmのところで折ります。
②左端2.5cm、右端1cmのところを折ります。
③①、②で折ったところを全て広げ、斜線部分にのりをつけます。
④①でつけた折り目に沿って折り、貼り付けます。
⑤右端だけを折り目に沿って折り、斜線部分にのりをつけます。
⑥⑤でのりをつけた部分を、左端に貼り付けます。
上から見ると、筒のようになります。
⑦画像のように折り目をつけます。(黒い部分が貼りつけた部分)
左に②でつけた2.5cmの折り目がくるようにします。
⑧下から6cmのところで折り目をつけます。
⑨画像のように三角に開きます。
⑩⑨にある、黒い線のところで折ります。
⑪両端を折ります。
⑫下側を折ります。
⑬⑩~⑫で折った部分をすべて開き、ピンクの部分にのりをつけます。
⑭上側を折り、貼ります。
⑮下側を折り、貼ります
⑯広げてみるとこんな感じです!
⑰あとは子どもに指スタンプしてもらい、持ち手をつけて完成!
幼児 かばんづくり
3歳クラスの例
【動作】
一色絵の具塗り、顔描き、折る、のりをつける
3歳の制作としては、絵具塗り、顔描きぐらいで良いでしょう。
画用紙はかたいので、折ることは難しいかもしれません。
もし、折る動作をするならば、折り目をあらかじめつけておくと良いでしょう。
のりをつけるのは、端といってもどこか分からないことが多いと思うので、もしするならば、のりをつける場所をマークしておきましょう。
顔描きは、肌色の画用紙、or折り紙に書かせるようにし、輪郭に沿って切るのは保育士が行って良いでしょう。
【用意するもの】
画用紙、絵具、のり(両面テープでも可)、穴あけパンチ、ひも
①画用紙を好きな色で一色塗ってもらいます。
②両端にのりをつけて(ピンクのところ)半分に折ります。
③穴を開けて紐を通して、顔を貼り付け完成!
4歳クラスの例
【動作】
紐通し、顔描き、のりで貼る
【用意するもの】
色画用紙、穴あけパンチ、毛糸、
①画用紙を半分に折り、パンチで穴をあけます。そして、持ち手の紐は通しておきます。
※穴あけが下手ですみません・・・
②半分に折ったところから真っ二つにします。
③穴に毛糸を通していきます。
この時、毛糸の先にセロテープを巻いておくとやりやすいです。
④全部の穴に毛糸が通ったら、描いた顔を貼って完成!
5歳クラスの例
【動作】
縫う、顔を描く、のりで貼る
【用意するもの】
①画用紙を半分に切り、持ち手の穴をあけ、表裏黒マーカーで縫う場所に点をつけていきます。
点の間隔は、子どもに合わせて調整してください。
怪我が心配な時は、爪楊枝に糸を固定し、小さい穴を点にあけておくと良いでしょう。
子どもが縫っているときにずれないように、真ん中はマスキングテープで留めます。(画像ピンクの部分)
※説明のために画用紙は白をつかっています。
②針を用意します。針は大きいサイズを使いましょう。糸をあらかじめ通しておき、玉結びをしておきます。
③縫っていきます。最後は図のように、セロテープで留め、はさみで糸を切ります。
④顔を貼って、取っ手をつけて完成!
父の日の製作アイディア
6月第3日曜、少しずつ子どもがまとまってきている時期ですが、忙しい時期でもあると思います。
制作の時間や質、工程の量に考慮すると良いでしょう。
乳児 シール貼りでネクタイづくり
【用意するもの】
紙でつくったネクタイ、シール、ハンガー、子どもの顔写真
①色画用紙でネクタイを作ります。
②子どもにシールを貼ってもらいます
③ハンガーに貼ってできあがり
※見本なので、シールは簡素なものをつかっています。可愛いシールだとなお良いと思います!
※画用紙のサイズはもう少し大きくてもいいかも・・・ハンガーの大きさやその時に応じて変更してください。
幼児 ハンガーかけ
3歳クラスの例
【動作】
顔を描く、のりで貼る
【用意するもの】
色画用紙、のり、くれよん等
①あらかじめネクタイを切っておきます。
のりしろが分かるようにマークをいれておきます。
※はさみを使う経験をするなら子どもに切らせましょう
※ネクタイに絵を描いても楽しいですよ!
②顔を描いて、その下にネクタイを貼ります。
③ハンガーに貼りつけて完成です!
3歳児は年度によって様子が違うと思うので、ハサミを使うかどうかなど、子どもに合わせて変えて下さい。
4歳クラスの例
【動作】
顔、上半身描き、ハサミで直線や曲線を切る、のりで貼る
【用意するもの】
はさみ、色画用紙、のり、くれよん等
①子どもが見て切れるように、ネクタイの形を線で描いておきます。
上半身は見本として描いておきましょう。
②身体を描いて切ります。顔の輪郭は保育士が切ると良いでしょう。
③上半身にネクタイ、顔をのり付けして、ハンガーにくっつけて完成!
5歳クラスの例
【動作】
顔描き、押さえながら布を切る、素材を貼る
【用意するもの】
画用紙、服にする布、裁ちばさみ、チャコペンシル
①まずは服の形を画用紙に下書きします。
大きさに合わせて、画用紙を切っておいて、それを子どもに渡して服を描いて切ってもらいましょう。
②下書きの服ができたら布に合わせてチャコペンシルで描いてもらいます。
ここが難しいようなら、保育士が行っても良いでしょう。
③布をジョキジョキ切ります。
④最後にボタンをつけて、顔をくっつけて完成!
※帽子をつくってみたり、顔をフェルトでつくってみたりしても楽しいですね!
※布を切るとなるとぐっと難易度が上がるので、伸ばして押さえながら切るというところをアドバイスしてください。
まとめ
母の日、父の日はいつもありがとうの気持ちを出す日です。
制作では今回シンプルな物を選んで、比較ができるように、通年同じ内容を掲載しています。
ちょっと年長は針と糸を使ったり、布を切るような難しいことを紹介しています。
毎年同じことでマンネリしている方、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか?