niceってだーれ?
保育士歴30年以上の元保育士。現在はリトミック&親子遊びの講師や、ライターをしながら悩める保育士さんの気持ちが安らぐ文章を届ける活動をしています。
それでは、今週のコラムをお楽しみください♪
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皆さん、こんにちは!niceです。私が保育士に就職した平成元年は、まだパソコンや携帯電話は普及しておらず、ポケベルすら登場する前。保護者向けのおたよりはパソコンではなくワープロで作成し、印刷機(輪転機)で印刷する時代でした。
今はほとんどの園がパソコンでクラスだよりを作成すると思いますが、当時のクラスだよりは各担任が手書きで作成していました。もしかすると、今でもクラスだよりだけは温かみを出すために、敢えて手書きという園もあるかもしれませんね。
私は文章を書くのは好きですが、字が下手なのでパソコンを使ってクラスだよりを作成するようになって、本当によかったです。手書きよりも短時間ででき、間違えても修正が簡単。なにより、仕上がりがきれいです! 手書きの頃はいつも、「汚い字で申し訳ありません!」と恐縮していました。
そんな私ですが、手書きのクラスだよりでこだわっていたことが1つあります。それは、おたよりに挿入するイラスト(カット)も手描きで描くことです。ほかの先生たちはみんなカット集などからコピーして貼り付けていましたが、新人の頃はコピー機を使うのを遠慮して自分で描いていたのが始まり。
なぞり描きをすればよいのですが、不器用な私は描いているうちにズレてしまったり、よく見えなくて描きづらかったりしたので、なぞり描きはせずにカット集を見ながら一生懸命描きました。しかし、ここで問題がまた1つ。
私は絵も下手なのです。毎月クラスだよりが完成すると、先輩の先生たちが「見せて、見せて!」と寄ってきました。自分では上手に描けたつもりでしたが、見本と比べたらもちろん下手なので、先輩たちは私のイラストを見て大爆笑!
それでも、毎月描いていれば上達するもので、段々上手に描けるようになりました。そのうちに、年数が経って任せられる仕事が増えて忙しくなったことや、遠慮せずにコピー機を使えるようになったことで、自分でイラストを描くことはいつしかなくなってしまいました。
絵心がない私は、絵画指導も苦手。保育士の的確な助言によって、子ども達の絵がぐーんと上達することもあります。何よりも絵が苦手な子が保育士の関わりによって絵の楽しさを知り、絵が大好きになれたら素晴らしいことですよね。
その点、私はそのような関わりがあまりできなかったことが反省点です。自分なりに描き方のコツを伝えたりお手本を描いたりしましたが、いつも難しさを感じていました。お手本や友だちの真似をするのではなく自分の思ったように伸び伸びと描いてほしいと思っていましたが、自信なさそうに小さい絵を描いたり、何を描いてよいのかわからず白紙のままの子がいたり、その都度一人ひとりに声を掛けましたが、絵画指導は難しかったなと思います。
絵が下手な私は苦手な子の気持ちに寄り添ったり、絵が下手でもクラスだよりのイラストを楽しんで描いていた経験があるので楽しさを伝えたり、できたことはたくさんあったはずなのに、「思うようにできなかったな」という思いだけが残っています。
保育士を辞めた今だからこそ振り返ってそう感じることができますが、保育士として無我夢中だったときにはうまくできませんでした。
完璧な保育士なんていないので、私のように日々反省の毎日だという人もいると思います。落ち込む必要はありませんが、あとで振り返って「あのとき、こうしていたら…」と思っても、時間は巻き戻せません。
絵画指導はうまくできませんでしたが、「下手でもいいから、伸び伸びと描いてほしい」という思いが少しでも伝わっていたとしたら少しだけ救われます。たとえうまくいかなくても、失敗しても、今できることを精いっぱいやりましょう。思いはきっと子ども達に伝わります!
先週のコラムはこちらからどうぞ♪
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【デモページ|2月製作・型紙】鬼のでんでん太鼓【おまもりプラス】
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
来週も、よろしくお願いします!
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