もくじ
月案de動画
今月の保育のポイント
- 年長児になり、入園式などの場所でリードする役割が増える。子どもも少なくとも不安があり、緊張しながら行っていることが多いので、やりがいに変わるよう「がんばったね、えらかったね」と子どもを認め、情緒を満たす。
- 年長になって新しいクラスになり、役割も増え、不安な子どももいる。まずはひとつ大きくなった自分を楽しめるよう、好きな遊びを広げていく時間を十分保障し、友達や保育士とのつながりを十分感じられるように関わる。
- 年長児になり、運動機能も発達してきて、激しく戸外で遊ぶ子どももよく見られる。4月はじめでまだ浮足立つ気持ちが引き金となって怪我をする子どもも多く、ぶつかる、転ぶ、落ちるなどの怪我には十分注意して見守る。
月のねらい
- 新しいクラスに慣れ、情緒の安定した生活が送れるようにする。
- 生活の流れを覚え、身の回りのことは自ら進んで行う。
- 年長になった喜びを味わいながら、気の合う友達や保育者と一緒に好きな遊びを楽しむ。
- 春の花や生き物に気づき、自然に興味関心を持つ。
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週のねらい
その1
- 1週目:生活の流れを覚え、身の回りのことは自分で行おうとする(養護)
- 2週目:気の合う友達や保育者と一緒に好きな遊びを楽しむ(教育)
- 3週目:新しいクラスに慣れ、安心して過ごす(養護)
- 4週目:春の草花や生き物に気づき、見たり触れたりして遊ぶ(教育)
その2
- 1週目:進級した喜びを味わいながら、友達や保育士と一緒に好きな遊びを楽しむ(教育)
- 2週目:春の植物や生き物に興味をもち、自らかかわろうとする(教育)
- 3週目:遊びや活動のなかで、自分の言葉で思いを伝えたり、話し合ったりする(教育)
- 4週目:絵本や歌を通して春の自然に興味をもち、のびのびと表現することを楽しむ(教育)
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前月末の子どもの姿
養護(生活)
- 自分が年長になることに対しての期待が高まり、自信を持って生活している子どもが多い。
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年長、1番上という自信やエネルギーが時に困ったこと、いたずらを引き起こすこともあります。そういった誇りの力を十分に向けられる活動内容をつくっていきましょう。 - だんだんと気温が暖かくなる日が多く、気温の変化や春の花のつぼみが出ているのに気づいたりする子どももいた。
- 年下の友達に対して優しく接しようとしたり、優しい言葉で教えてあげようとする姿が見られた。
- お箸にも興味をもち、使ってみようとする子どももいたが、まだまだうまく使えず食べこぼしたり途中でスプーンに持ち替える姿もあった。
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おはしを使った遊び(豆を掴んで移すなど)を取り入れておくと、子どもが楽しく取り組め、保育士もそれを使いながら、おはしの使い方を伝えることができます。
教育(遊び)
- 自分の気持ちを言葉で表現し、相手が分かるように伝えようとする姿がある。
- 簡単なルールのある遊びを好んで友達と楽しそうに遊んでいた。また、ルールが少しずつ難しくなっても理解して遊んでいる子どももいたが、複雑なルールはなかなか理解できない子どももいた。
- 砂や葉っぱ、花びらなどを使いながらままごとを楽しんだり、友達と役割を決めてごっこ遊びを楽しんでいる。
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より具体的なリアルな姿を求めていきます。時には保育士がお客さん役をやり、子どもの店員さん気分を十分に味わってもらうのも楽しいでしょう。
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活動内容(五領域対応)
養護(生活)
- 年長での生活の約束や流れを覚え、身の回りのことを自分で行おうとする。(健康)
- 進級を喜び、気の合う友達や保育者と関わりながら安心感を持ってのびのびと過ごす。(人間関係)
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「年長だから」と、求められすぎると子どもはしんどくなってしまいます。頑張る所、のびのび甘えるところのメリハリで子どもを育てていきましょう。 - 体温の変化に合わせて衣類の着脱を自ら行おうとする。(健康)
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「寒いから上着を着ましょう」などの指示を保育士がするのではなく、子どもの気づきから自分で行動できるよう、あえて伝えないのも手です。 - 異年齢児と関わりをもち、優しく接しようとする。(人間関係)
- 友達や保育者と対話し、思ったことや自分の気持ち、経験等を順序だてて話そうとする。(言葉)
- 番活動や行事などで、自信をもって5歳児の役割を果たそうとする。(健康・人間関係)
- 既存の決まりの中で自分たちで生活を進め、より良い楽しい生活を作ろうとする。(健康・人間関係・環境)
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教育(遊び)
- 春の草花や生き物などの自然に興味を持ち、調べたり触ってみたりして遊ぶ。(環境)
- 人の話を聞き、自分の思ったことや感じたことを話す。(言葉)
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「~だから、こうなった」のような筋道を立てることを楽しみます。クラスのことで困ったことをみんなで話し合うのも良い刺激になるでしょう。 - 遊びを通してクラスの友達と関わりを持ち、一緒に遊んだり過ごしたりすることを楽しむ。(人間関係・健康)
- 戸外で思いっきり身体を動かして遊び、身体を動かす心地よさを味わう。(健康・環境)
- モノの使い方や使う時の約束を確認し、正しく使いながら製作を楽しむ。(環境・表現)
💡
「間」の認識をする時期で、三次元的な思考を楽しむようになります。縦、横、から斜め、前、後から中間、奥行きなど、製作を通じて自由に試行できるよう、廃材を自由に使えるようにしておくと良いでしょう。 - 春ならではの旬の食べ物に触れ、春を表現したり味覚を楽しむ。(環境・表現)
- ルールのある集団遊びを楽しむ。(人間関係・表現)
- 春の自然に関わりながら、虫探しや色々な遊びを試して季節を楽しむ。(人間関係・環境・表現)
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環境構成と援助
養護(生活)
- 年長になった喜びを感じる一方で、クラスや保育者の変化に戸惑い、落ち着かない子どももいる。一人ひとりの気持ちの変化をしっかりと受け止め、信頼関係を築いていけるように関わりを持つ。
- 新しい環境に戸惑い、なかなか情緒が安定しない子どももいる。一人ひとりの様子を注意してみておき、友達と関わりが持てるように援助していく。
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当番やグループを作る際は、「子どもが素でいられる友達1人」「リーダーの役割が出来そうな子1人」を配置するようにしましょう - 新クラスでの約束や生活の流れなど全員で確認し、子どもが流れを覚えられるようにする。
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話し合いの際は、横道逸れてしまわないように、何を考えればよいのかをはっきりさせ、子ども達の意見を前に書き記していく、イメージを粘土で作ってもらうなど、視覚化しましょう。 - 暖かい日も増え、戸外で思いっきり身体を動かすと汗をかく子どももいる。適切に衣類が着脱できているか様子を気にしておく。
- 入園式や自由遊びの際に異年齢児とも関わりを持ち、年下の友達への接し方を考える機会を設ける。難しい子どもには、具体的にどんな風に優しくするのかを伝えるなどし、子どもなりに工夫しながら関わりが持てるよう必要に応じて援助する。
- 自分が話したい気持ちが強い子には、一方的な会話にならないように、~でどうだった?」「~についてはどう思う?」「~だって思っているんだけど」等、友達同士での会話やトラブルにおいても、対話形式になるよう、他者の話を聞けるように場面に応じて間をもつ。
- 昨年の5歳児が行っていた役割や姿を思い出しながら、時間に余裕をもって当番活動や行事に取り組む。不安に思う子どもには、手順を1つ1つ確認しながら進めていき、出来たことを認めていく。
- 「今日はどちらがしたいかな?」「これで困っているのだけど、どうしたらいいだろう?」など、子どものやりたい活動を選んでもらうことや、困っていることの問題についてを既存の活動にプラスで入れる。子どもたちが自分で生活を作る実感を得られるようにする。
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教育(遊び)
- 冬には咲いていなかった花や暖かくなって出てきた生き物に興味を持てるよう、保育室に自然の図鑑などを準備しておく。また、子どもが自然に興味を持てるように声かけを必要に応じて行っていく。
- 椅子取りゲームやハンカチ落とし、しっぽ取りなど、クラス全員でできる遊びを準備し、新しい友達とも関わりが持てるようにする。その際には、前から仲の良い友達だけでなく、できる限りいろんな友達と関わりが持てるよう援助していく。
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ルールを破ったなどのトラブルが見られるでしょう。保育士が解決策を伝えるのは簡単ですが、子ども達で意見を出し合い、ルールをつくっていくことで、企画を協力して考えたり、参画する力が育ちます。 - 戸外遊びの時間を十分に取り、好きな遊びややりたいことを思う存分楽しめるようにする。
- 子どもが自分の気持ちを話そうとしている時にはしっかりと気持ちを受け止め、気持ちを伝える満足感を味わえるようにしていく。
- 食べ物には旬があることを導入し、タケノコなどの旬の物に触れる機会をつくる。タケノコの皮を剥く、写生など、春の自然や旬の食べ物に興味関心がもてるようにする。
- 大勢で関わって楽しめる集団遊びを時には、異年齢も巻き込んで行っていく。年下の子にどう接するかも場面によって伝えていく。最初は短時間で集中して遊べるように内容を検討する。
- 遊びたい内容や集めたいもの、飼育も含めて子どもたちの要望や興味に応じて用具を準備し、時間を十分に保障する。保育者も遊びに参加して遊びをより本格的なものに盛り上げていく。
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健康、安全面で配慮すべき事項
- 年長になって初めて使う玩具や遊びなどは、事前に使い方や約束を確認し、怪我のないように注意する。
- 年長になった喜びを感じる一方で、気持ちが浮ついてしまう子どももいる。園生活の約束やクラスでの約束を改めて確認し、安全に過ごせるようにする。
- 新しいクラスや友達に不安を感じ、情緒が不安定になり体調を崩しやすい子どももいる。体調の変化や様子に異変がないかをよく注意してみておく。
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今月の製作・歌・絵本・手遊び・室内室外遊び
製作
- 似顔絵フラワー
- イースターバスケット
- 輪っかであおむし
この他、【春の自然】や【遊びに使える物】の製作を『折り紙、牛乳パック、握る、貼る、折る』等、身近な素材と手法でご紹介!
歌
- はるがきた
- うたえバンバン
- あかいやねのいえ
絵本
- おひさまパン
- ぴかくん めをまわす
- あおくんときいろちゃん
手遊び
- キャベツの中から
- ピクニック
- さかながはねて
室内室外遊び
- かんたんブーメラン遊び(外でも使えるよ)
- お尻競争
- 春をあつめよう
行事
- 入園式
- 身体測定
- 避難訓練
- 誕生会
- 個人面談
- 全体懇親会
- エイプリルフール(4/1)
- 花まつり(4/8)
- イースター(4/17)
- 恐竜の日(4/17)
- 昭和の日(4/29)
食育
- 友達と一緒に楽しい雰囲気の中で安心して食事をする。
- 旬の果物や野菜などにも興味をもち、図鑑で調べたり実際に触れたりして食べ物に対して興味を持つ。
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地域と家庭との連携
- 1年間の子どもの育ちの見通しや行事などを伝え、保護者の方にも年長での生活の流れがわかるようにする。
- 年長になってからの様子やつまずきなどを保護者に具体的に伝え、家庭でのサポートに協力してもらえるようにする。
- 緊急連絡先や怪我の時の対応などを保護者の方と改めて確認する。
自己評価
- 年長になったことを喜び、意欲的に生活することができたか。
- 生活の約束や流れを覚え、子どもが率先して身の回りのことを行えていたか。
- いろんな友達と関わりをもち、新しい友達と遊ぶ楽しさを味わえたか。
- 保育者や友達と一緒に過ごすことを喜び、のびのびと過ごすことができたか。
- 春の自然に触れ、草花や生き物に興味、関心を持つことができていたか。
- 旬の果物などにも親しみ、季節の食べ物に対して興味を持つことができたか。
- 保育者や友達の話をよく聞き、自分の気持ちや考えを表現しようとできていたか。
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