給料が高い保育園はブラック保育園という噂の真相|ズバリ、そんなことありません!

2018年3月20日

給料が高い保育園はブラック保育園という噂の真相|ズバリ、そんなことありません!

こんにちは!モモンガ(自然大好き保育士)です!

高給与の園はブラックだから避けたほうがいいと聞いたことありませんか?

その考え、もう古いですよ!今は保育士の労働環境も大きく変わろうとしています。

今回は、高給与求人でのブラック保育園かどうかの見分け方や、ブラックじゃなくてもやっていける仕組みなどを解説しています!

聞いたことありませんか…給料が高いとブラックという噂を…

この章では、高給与=ブラックにまつわる話を紹介しています。

忙しい人向けにまとめると・・・

  • よく聞く話「高給与にはそれなりの理由がある」
  • 保育士養成学校の先生が知る現実から「高給与はやめたほうがいい」と言われることもある
  • 高給与ブラック詐欺保育園に就職してしまった友達から、リアルな実態を聞いてしまうパターン
  • 保育園の収入は決まっている=人件費も決まっているだろうからと、推測するパターン

高給の仕事はブラックだとどこかで見た、聞いたことがある

「高給にはそれなりの(ネガティブな)理由がある」

こんなことを聞いたことはありませんか?

つまり、高給な職場はそれ相応にきついという話です。

確かに、誰でもできて、楽な仕事なのに高給与の仕事ってそうそうないですよね。

さて、未経験OK!高給与!を謳っている求人の実際なんですが(保育士以外も含む)

高給与に惹かれて入ったものの、パワハラ、サービス残業、ノルマのオンパレードのようなブラックな環境で働かされた。

高給与と書いてあり、給与金額に魅力を感じて入ったものの、実はそれは最高月額であって、1年目の給与はすごく少なく、さらに過酷なブラックな環境だった。なんてケースもあります。

ブラックな職場というのは、会社のトップが儲けるために利益を追求し、従業員に過酷な勤務をさせている、違法な労働をさせています。

人が入ってきてもすぐ辞めてしまい、続かないので、できるだけ人を集めようと求人に良いことを書くわけです。

それが嘘だとしてもです。

そういった会社が現実にあるので、高給与を警戒する風潮が出来上がったのかもしれません。

学校の先生に教えられた

専門学校、大学で、高給与の保育園はブラックだからやめた方がいいと教えられることがあるそうです。

基本的に保育士の養成学校では、学校の評判もありますので、就職担当から「ここはやめたほうがいい」と言うことはあまりありません。

ですが、学校の先生も一人の人間として保育士の現実を知っていて、こう助言してくれる場合もあります。

保育園でも高給与を謳って人を集めている場所がありますし、少し前までは実際に大変なところもありました。

実際に心身ボロボロになるまで働かされ、退職した人は数知れずです。

そういった現実を知っている学校の先生に、高給与の保育園はブラックだということを聞いた人もいるようです。

友だちの働いていた園が高給だけどブラックだった

友だちの就職先は自分よりも高給与だった!という場合に発生しがちなケースです。

保育園はほぼブラックな環境です。

ホワイトな保育園はまだまだ珍しいというのが現実。

その中で、「どの程度ブラックか?」ということがとりあえずの指標になるのです。

自分の帰る時間、業務量や仕事のきつさと、友達の話を比べて「うわぁ・・・」と思うと、「やっぱり高給与のところはブラックなんだな」と思う訳です。

その友達が「こんな園選ぶんじゃなかった」なんて言おうもんならバッチリ心に残ります。

でも実際、善悪の判断や基準が麻痺していて、職員を奴隷のように無理をさせている園が結構あるので、ある程度は参考になると言えるでしょう。

保育は儲からないのに…ってことは高給与の求人はブラックだよね?

そもそも保育園の収入源ってほとんど補助金頼りで決まっているので、保育士に高い給与は財源上与えられないだろうというそもそも論です。

これは確かに良い所をついています。

一部の自治体以外では補助金は低いままです。

なので、まぁ、高給与というのは株式会社の参入でもないかぎりは無理でしょう。

しかし、最近では補助金を上げる動きが加速しています。

特に関東は顕著です。

なので、保育業界への補助金をしっかりだしている都道府県、市町村にある、しっかりした考えの園ならば高給与もありえます。

詳しくは、こちらの記事で補助金のことについて触れていますので、是非参考にしてみてください!

保育園と幼稚園、お給料がいいのはどっち?補助金で保育士の給料はうなぎのぼり!

実際は?給料だけでは判断出来ない!

この章を忙しい人向けにまとめると・・・

  • ブラック保育園とは残業代を払わないなどの、労働基準法違反の園!
  • 地域相場と比べて高給与な園は要注意だ!
  • 求人の傾向で以前は「とにかく今人が欲しい」、今は「長く続いてほしい」に保育園も変わってきている!

ブラック保育園とはどんなものか?

ブラック保育園とは、労働基準法違反の園です。

具体的に言うと、

  • 残業代の出ない残業、つまりはサービス残業をさせている
  • 契約していない持ち帰り仕事を無給でさせている
  • 業務上園で必要なものを、保育士の個人的なお金で買わせる
  • 有給消化をさせない、休ませない
  • 休憩時間を与えない(給与から引かれていても、実質休憩していないとダメ)
  • 強制的に行われる園の研修を、休日または有給扱いでさせる
  • 退職日の2週間以前から退職したい旨を伝えているのに退職させない

代表的なものはこのような感じです。

保育士経験あるなら、ほとんどの保育園は労働基準法を破っているブラック保育園ということが分かるでしょう。

こうなる理由として、過去に放置していた保育士、保育園も悪いのですが、補助金や配置基準を設定している政府にも非があります。

無理な配置基準、少ない補助金を与えて、そのまま放置している国。

現場では苦しい状態だが声をあげずに我慢している保育士、園サイド。

この積み重ねが、悪い状態を当たり前とあきらめ、今をつくってきました。

ちょっと話が脱線しましたが、全国レベルで保育園はブラックな職場が蔓延しているので、職場選びで大事なことは「このままじゃだめだ、どうしようか」と新しい取り組みを行っている園です。

ブラックな園を選ばないために、ブラック保育園の実態については、こちらの記事で詳しく取り上げていますので、時間のある方はぜひどうぞ!

ブラック保育園を見分ける方法|こんな園は危険だ!

高給与を売りにしているところは確かにブラックが多い

1章でも高給与に釣られて入職すると、酷い目にあった保育士もいるという話をしました。

実際、確かにやたら高給与で人を釣って(その給与は実際にはもらえない)ブラックな環境で働かせるという求人は数多く存在します。

経営側としては明日、明後日のことも人手不足で大変なのに、10年後なんか見ていないという感じです。

保育園サイドも追い詰められて、そういったある種の詐欺に手を染めるわけです。

なりふりかまわず人を募集しているのはそのためです。

安い労働力を手に入れるためなら、嘘の笑顔も出します。良いことしか言いません。

悪い方向ですが、とにかく必死なのですね。

しかし、できることなら保育士誰もそんな園で働きたくないですよね。

そこでちょっとした見分け方のポイントなのですが、まずはその園の所在する地域の給与相場を見てみましょう。

地域によって補助金が違うので、保育士の給与は場所によってすごく変わります。

相場が分からない場合は、転職サイトに聞いてみると教えてくれます。

地域の給与相場に比べて

  • 不自然に高い給与の園、特に提示されている給与幅の大きい園
  • 高給与をやたらとアピールしている求人

は注意です。

また、これは全てに当てはまるわけではありませんが、笑顔、人間力など、抽象的な表現をPRにしている園もちょっと警戒しましょう。

安易なキャッチフレーズで人を集めるところには、裏があることが多いです。

今の現状は、とにかく保育士に長く働いてもらおうと人取り合戦中

現在保育士は足りません。

保育士資格を持っている人がほぼみんな保育士として働けば良いのですが、保育士になって辞めてしまった人は保育業界の惨状を知っています。

忙しい職場でロクに指導もされず罵倒され、低賃金で無限に働かされ、プレッシャーも半端ない。

もう一回やろうなんて思っていません。

だから国レベルで問題になっているのです。

一時的に人がいても、1年後辞めればそれは一緒です。

そんな当たり前のことにやっと気が付き、関東圏や一部の地域の園では「長く保育士に働いてもらう」ことを目的にした構造改革を始めています。

まぁ、昔から「長く続いてほしい」という希望はあったのですが、実際の働く現場などの見直しはされていなくて、ようやくされ始めてきたという感じです。

これから少なくとも数年間は人手不足問題が続くでしょうから、高給与でブラックさがマシな求人も増える傾向にあると言えます。

なぜ給料が高いのか?

この章を忙しい人向けにまとめると・・・

  • 保育園は使い捨て時代から、長く良い人材に働いてもらおうとしている時代に変わってきている
  • 保育士の給与、昇給問題は国でも議論があり、実現に向けて動き出している

しっかりと給料を出すことでいい人材を集めようと頑張っている

高給与=ブラックの時代は終わりを告げようとしています。

ちょっと前の話。

保育士はその労働環境の悪さから、ちぎっては捨て、ちぎっては捨てならぬ、入っては辞め、入っては辞め状態でした。

更には求人を出しても人はきてくれません。

そこで、保育園運営サイドも思いました。

「さすがに今の条件じゃぁ無理かぁ・・・」

ということで、他に比べてしっかりと給与を与える、残業代を払うといった給与改革、残業代で潰れてしまわないように残業しなくてもいい方法を模索していくといった労働環境改革をして、根本の改善に乗り出しています。

具体的な内容で行くと、保育士一人当たり、7万円の住居手当を支給するというものや、関係なしに2万円上乗せするというもの(東京都)が賃金改革に当たります。

電子化して業務を短縮する、AIを導入する、作り物をこだわりすぎない、保育士を少し多めに雇ってシフト調整するなどが、労働環境改革に当たります。

前なら補助金は園に行って、そのまま園が握って終わりでしたが、今は補助金を不正に園長などが自分のものにしていた事件もあって、周りの目が厳しくなり、運営用途もチェックされるようになっています。

補助金の設定は国や地方自治体がしますが、それを受け取り、保育士に還元するかどうかは園がすることですので、特に先を見据えて運営しているような園では、保育士にしっかり還元しようという考えや、働かせすぎないように工夫をしています。

つまり、仕事の責任や重さ自体は変わらないけど、高給与でもそこまで無理することなく働く環境をつくる園も増えてきたということです。

保育士の給与は見直されてきている

そもそも、保育士の給与は全国的に、他の業種と比べても低賃金です。

どれくらい低賃金かというと、全産業の平均年収が489万円なのに対し、保育士は323万円です。

160万円以上も低いのです!

でも仕事の内容は、大変で常に勉強も必要で、実際はとても誰でも簡単にやっていけるものではありません。

以前、保育士の仕事は「子どもと遊んでいるだけ」「子守の規模が大きい版」のような理解をされてきました。

その理解がネットの普及によって広まり、テレビで特集され、今少しずつ変わろうとしています。

2016年安倍内閣が打ち出したのは保育士全員賃金2%(約6000円)上昇させるというものでした。

これ自体の金額はたいしたことはないものの、保育士の低賃金問題を広く認知するきっかけとなり、徐々にその昇給制度に対しても言及されるようになっていきました。

保育士は初任給は他と変わらないものの、長く見ると変わるということは、昇給しない問題があるということが分かったからです。

今議論されているのは、まさに保育士の昇給していく形です。

副主任、主任と保育士にも導入し、その役職によって昇給していく給与ベースをつくることで、労働や頑張りに見合った賃金を受け取れるようにしていこうというものです。

都道府県レベルでは、全てではないですが、家賃補助7万などの政策もとられています。

今保育士の給与はどこからも見直されてきている状態です。

昔に比べると高給与になる園も存在できる時代になってきています。

保育士はもっと給料に貪欲になっていい!

この章を忙しい人向けにまとめると・・・

  • 保育士の仕事の醍醐味は子どもの成長を感じられること!だが、低賃金で良いという理由にはならない
  • 保育士が保育園に就職しないから、困った運営サイドが給料を上げた。行動が大事!
  • 高給与=ブラックから、高給与だからブラックの可能性もあるぐらいに意識を変えよう!

確かに、保育の魅力はお金ではないかもしれない

お金が欲しくて保育業界に入った人ってあまりいないと思います。

私もそうです。自分の子ども時代の経験から、どうせ仕事するなら社会で役立てる場所を選ぼうと保育士になりました。

保育の魅力というのは、子どもの発達や日々の成長を感じられるところにあります。

子どもから色んなことを学んで保育士も人間として成長していくことができます。

それは保育士の仕事のやりがいです。最大の魅力です。

しかし、だからお金は低賃金で良いということにはなりません。

保育という仕事の魅力と、保育士の労働環境の話はそもそも別の話なのです。

その理由を次でお話します。

でもプロとして、適正な労働に適正な報酬を求めよう!

あなたは仮に同じ仕事をするなら、どちらを選びますか?

  • やりがいがあって低賃金の保育の仕事
  • やりがいがあってお給料も魅力な保育の仕事

当然後者ですよね?

保育の魅力はお金ではないですが、保育士としての立場はお金に影響されます。

人手不足だって低賃金が影響しているのです。

低賃金で人手不足になって困るのは現場にいる保育士なんです。

欲しい物も買えず、自分の子どもにも不自由させる。

保育士じゃなかったら、他の道に行っていればそんなことなかった。

これだけ働いて残業しているのに、たった17万しかもらえない。

働く現場ではみんな大変で疲れ切って、余裕がなく、攻撃的で人のミスには寛容できずに人間関係も悪くなる。

これもざっくり言えば、そもそも保育園にお金がないから、人を雇えないからきている問題です。

それに、全体から見て仕事の価値というのは金額で決まります。

医者のような、難しい仕事はお金が高いです。

しかし、保育士はお金が安いのはその仕事を軽く見られているのです。

あなたの保育士としての仕事はそんな専門性もなく、適当な仕事でしょうか?

そんなはずはありません。

それはtwitterでホリエモンが「誰でもできる仕事」という発言をしたことで、あれほど炎上したのが良い証拠です。

(ホリエモンの発言の真意はまた違う所にありましたが)

保育士のあなたの仕事は、間違いなく子どもの発達を願い、学び、試行錯誤し、社会貢献しています。

ホリエモンに怒るのではなく、こんな給与にしている園に、補助金を出す国に怒りましょう。

給与を上げてもらうには、口を開けて批判だけしても上がりません。行動が大事です。

経営者は基本的に利益を追求しています。

安い労働力で高い利益を生み出してくれるのが1番です。

保育業界で言い換えれば、安い給与の保育士が良い保育をしてくれることが望みです。

しかし、労働者、保育士にだって嫌なものは嫌で、保育士として働かない選択が園を、国を、自治体を動かしました。

待機児童の問題とよくセットで語られますが、もしも潜在保育士も含めて、こういうものだからと仕方なくみんな働いていたら給与改善の話題は出ていないと思います。

我々現場の保育士がみんなで結束し、適切な給与を求めるのが本当は1番大切で、保育士の地位向上につながるのです。

保育士として働きたくて、この仕事が好きなら、お金についてもっともっと求めていいんです。

確かに給与が増えるだけじゃぁ、保育士の問題は片付きません。

ですが、給与が増えることは保育士にとって良い兆候です。

「もっとやれ!!」と、どんどん声を上げていきましょう。

給料高い=ブラックという固定概念に染まってはダメ!

何でもそうなんですが、ひとつの考え方に縛られていては、結局その思想を利用されて良い様に使われます。

つまり、ひとつの考えに落ち着いて思考停止すると、あなたの人生が、一部の人に良い様にされるのです。

なので、高給与を見て問答無用で避けるのではなく、自分で見学に行ってみて実態をつかみましょう。

今の時代は、特に都市部では高給与=ブラックという園ばかりではなく、企業努力している園もあります。

これからの自分のために、是非視野を広げて園探しをしてみてください。

まとめ

今までは変えられませんが、これからなら変えられます。

踏み出す1歩が自分の人生を大きく変えることもあります。

是非、高給与=ブラックを捨てて「ブラックかどうか見学や面接から判断してみる」という方向に変えて、自分の働く場所を探してみてください。

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モモンガさん

某都市で保育士として数年勤務。最初の職場は園の方針が合わず、悩みに悩んだ末に転職しました。現在は関東の保育園で活躍中しています。森林インストラクターの資格も持っている大自然派。

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