こんにちは、うしさんくまさん(保育士&社会人歴のべ24年)です。
職場選びで大事なことの1つに「園と自分の相性」というものがあります。1つの保育園でしか働いていないと、ちょっとイメージしにくいかもしれません。復数転職経験のある保育士さんに、園と自分の相性を考えることの重要性を教えてもらいました!
園ごとの保育の特色
保育士というと、職場は保育園となんとなく考えがちです。
保育園以外にもいろいろな職場がありますが、学生時代に授業で学んだのは保育園についてが主で、その他の施設についてはおまけ程度。
しかし、実際に求職活動、転職活動をしていると保育園以外でも施設や託児ルーム等、いろいろな場所で保育士の求人があることに気が付きます。
また、一口に保育園といっても、その中には社会福祉法人やNPO法人、企業(株式会社)が運営する保育園もあり、園によって保育の方針や特色はさまざまです。
根本的な仕事内容は同じでも、目指す保育や行事への取り組みはそれぞれの園で全く違うもの。
職場が変わると、最初はその違いに戸惑いもあります。しかし、園の特色がわかってくると保育で力を入れる部分もはっきりとしてきます。
私の経験を踏まえて、保育園の特徴と相性について伝えてきますね!!
行事に力を入れる保育園
私が経験した保育園に、いろいろな行事がある園がありました。
その園自体は各年齢で1クラスずつのわりと小規模な保育園。
しかし、同じ敷地内に系列の私立幼稚園があり、この幼稚園は各年齢ごとに3~4クラスある大規模園でした。
誕生日会は保育園だけでのんびりと行っていましたが、他の行事は幼稚園と合同です。
大きい行事としては…
- 遠足
- 夏祭り
- 運動会
- 発表会
- 作品展
- 卒園式
その他には…
- 相撲大会
- かるた取り会
- なわとび会
- お店屋さんごっこ
- 年長クラスのみサマーキャンプ
- などなど
毎月のように何かしらの行事がありました。
行事では、飛び抜けて上手い子や目立って下手な子がいないことを求められました。
保護者からの期待も大きく、園長からは皆が平等に同じくらいのレベルで参加できるようにすることが大切と言われてきました。
練習を始める前にどんな導入をしていくのか、子どものやる気を引き出していくために、どんな言葉かけをしてどうやって練習を進めていくといいのか、悩みながら進めていました。
引っ込み思案な子、身体を動かすのが苦手な子、じっとしていられない子、歌が好きな子と、子どもの個性は様々です。
その子ども達を一定のレベルで揃えることはなかなか難しく、練習に必死になる余り私自身が行事を楽しいと感じられなくなってしまったり、子ども達に練習を強いてしまったこともありました。
その後行事を重ねるごとに、求められるレベルがどのくらいなのかや集団のまとめ方、練習の仕方がわかってきます。
力の抜き所がわかってくると、めりはりをつけて保育ができるように。
また、一つの行事を終える度に子ども達の成長を感じ、保育士として充実感を味わうことができました。
行事の準備をする中で、職員同士が意見を出し合い、協力して進めていけたことも、いろいろな保育の考えを知り、職員の団結に繋がったと思います。
子ども達も、年齢が大きいクラスほど行事を経験することでクラスのまとまりができてきました。
この保育園は、集団をまとめ、集団全体で同じレベルになるように成長していくことを常に意識する園でした。
知的障害児通園施設
その次に働いたのは知的障害児通園施設。
学生時代にも障害児と関わったことがなく、同じ保育士の仕事とはいえ療育については全く知らなかったので戸惑いが大きかったです。
私がイメージする障害児施設は、暗い雰囲気で子ども達は一人ひとりが好きな遊びをしていて保育士は身の回りの世話をする、といったもの。
でも、見学に行くと私のイメージとは全くかけ離れていました。
綺麗な施設で園庭も広く、保育士も子どもとじっくり関わっていました。
その施設はいろいろな障害の子どもがおり、年齢は同じでも発達段階はさまざまです。
子ども10人に対してクラス担任の保育士が3人おり、個別の指導計画を学期ごとに立てていました。
担任が発達検査を行い、その結果や日々の生活の中での姿を元に立てる指導計画は、保護者の考えも採り入れており、細かい所まで子どもの姿をみて作られます。
それまではクラス全体での月案や週案を立て、行事に向けてクラスをまとめることを考えて保育をしてきました。
もちろん個々の子どもを考慮してはいましたが、こんなに一人ひとりの発達に合わせたねらいを立て、日々そのねらいを意識して保育をしたことはありませんでした。
しかし、クラスとしてではなく個々の子どもをしっかりと考えて関わることは、保育士として本当にやりがいを感じました。
そして、小さな発達にも気付き、その喜びを保育士と保護者で共有できることは本当に嬉しい!
運動会や夏祭り、毎月のお楽しみ会等の行事はありましたが、それについても個々の目標がありました。
かけっこで最後まで走りきることが目標の子もいれば、その場に参加することが目標の子もいます。
全員でやり遂げるというよりは、個々の目標にすこしでも近づけるように練習しました。
以前の園で求められた平等であることや一定のレベルは、全く求められませんでした。
その子がどんな練習をし、どんなことができるようになったのかということや、できるようにならなくても練習したこと自体を褒めて認めていこうという考え方の園だったんです。
保育の中で個々を大切にするという事を学び、その重要性を痛感できた職場です。
園と自分との相性を考えることの重要性
園ごとにいろいろな特色があることを考えると、自分との相性があることもわかります。
私が以前勤務した園で、ピアノに大変力をいれている園がありました。
その園は行事や毎月歌う季節の歌のピアノ演奏については園長のチェックがあり、合格しなければ子どもの前で演奏できません。
あまりピアノが得意ではなかった私は、毎月ピアノの練習にかなりの時間が必要でした…。
その経験からピアノが大分上達しましたが、その他の準備をする時間が限られてしまいました。
ピアノの苦手な私に合う園ではなかったんです。
行事が多い園にいた時は、「クラス」という集団を意識し、行事という目標に向けてクラス全体をレベルアップしていくような保育でした。
しかし、障害児施設では「個々の発達」を何より意識し、個々の子どもの発達段階を一番に考慮して保育をしました。
違う視点から保育を見られるようになったこと、子どもの発達の道筋を改めて勉強できたことは、保育士としてのステップアップに繋がったと思います。
そして、それからの自分の保育への向き合い方や、個々の発達を大事にしたいという保育観を育てていくきっかけになりました。
その後も保育の仕事をするにあたり、個々の発達の課題を意識して保育計画を立てる、ということは特に意識するようになりました。
私が集団を見る保育から個々を見る保育へと視点を変えたように、自分の中になかったやり方に気付いたり、子どもとの関り方を考え直すきっかけを与えてくれる園が、その時の自分に合った園だと言えるのだと思います。
まとめ
一つの園に長く勤めることは、とても大切な事だと思います。
なぜなら、長く勤める事で園の特色を理解しそれに合った保育がきちんとできるようになることがあるからです。
しかし、園の特色は実際に勤めてみなけられば充分にわからない事もあります。
もしも、勤めてみて自分に合わないと感じる事が多いならば、自分に合った園を探して転職してみることも必要ではないかと思います。
なぜなら、自分に合わない園で無理をしても保育を楽しめず、結果的に保育の仕事自体が嫌になってしまうことがあるからです。
いろいろな保育の見方を知り、自分なりの保育観を育てるためにもいろいろな園を経験することは有効な事だと思います。
まとめのまとめ
一つの保育園しか知らなかったり、一つの職場しか知らなかったりすると、その中での常識が世界の常識だと思ってしまいます。
そして、一番最初に勤めた保育園が自分に100%ピッタリの保育園だった!なんてことは、可能性としてはかなり低いです。
また、最初は合っていると思っていても、仕事をしていく中に向き不向きがわかってくることもあります。
転職はエネルギーを使うことですが、転職サイトを上手く使うことでコンサルタントの協力を得ながらスムーズに進めていくことが可能です。
今の職場、合ってないかな?そんな風に思い当たる節があれば、積極的に転職について検討してみて下さいね。
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