こんにちは!モモンガ(自然大好き保育士)です!
世間を騒がせている待機児童問題。
何故、このようなことになってしまったのでしょうか。
今回は我々保育士も知る必要のある大事なこの問題を、原因から先の未来までしっかり解説します!
この記事を目にした保育士のあなた!関係ないことはないんです!ぜひこの機会にこの問題を知っていってください!
なぜ待機児童で大騒ぎしているの?
この章を忙しい人向けにまとめると・・・
- 今の時代は保育園に入れるために戦略を立てる時代!本当に大変なんです!
- 国はどんどん保育園を利用して、働いてほしいと考えている!
- 働き手が不足していて、育休が取れない問題まで起こっている!
妊娠、出産前から保活!困っている人がたくさんいる!
「認可保育園の申し込みは10月だから、10月に間に合うように出産しなければ!」
保護者がこれくらい考えるほど、都市部では保育園を利用する人が多く、待機児童問題が深刻化しています。
「子どもは授かりもので・・・」なんてほわほわした幸せな感覚は今や見る影もありません。
両親共働きが当たり前になったこのご時世で、子作りは戦略が求められる時代となってしまったのです。
認可保育園に入るためには、様々な条件(後章で詳しく解説します)があり、点数化されています。
共働きである、両方フルタイムである等・・・その条件を満たす環境を整え、認可保育園に入りやすくするために保護者は必死なのです。
今や保育園には希望者殺到。
いくら保育園をつくってもさらに希望者が増えて減らない状態で、大変な社会問題になっています。
あらゆる業界で人手不足=保育園を利用して働いてほしい!
近年「女性が活躍する職場」「産休明け定着率99%!」など、子育てしながらでも働いてほしい!気持ちが伝わってくる言葉を、よく見かけるようになりました。
保育士はもともと女性が多い職場ですので、あまり新鮮さは感じないかもしれませんが、他業種では多くの場合男性が多いので、これは新鮮なことなのです。
何故か?答えは簡単、人手不足だから。
少子高齢化が叫ばれて20年以上。
その頃の子どもが育って社会人になった今。
働き手の若い人が減っていて、多くの職場で人手不足が叫ばれています。
待機児童が増え、保育園が圧倒的に足りていないですが、「保育園を利用しないでほしい」とは国は思っていません。
むしろ、たくさん保育園を増やし、働いてほしいというのが本音です。
あなたも育休が取れないかもしれない?!
特に都心部では待機児童問題が深刻化しています。
原因として社会では慢性的な人手不足というものがあります。
当然育休に関しても、働く人たちがおらず、職場がまわらないので、会社からすれば「育休とられたら会社まわらないよ!やめてくれ!」というような状態が多々あります。
違法であることは別にして、そうなってくると「辞めるor育休をとらない」みたいな選択肢を迫られる場合もあり、育休が取れない場合もあります。
これは保育士にも言えることです。
そもそもは、政府が働く環境を時代に合わせて、迅速に整えていくというのが理想です(法整備など)。
しかし、現実は迅速とは程遠く、問題を先送りにしてどうしようもいかなくなってから重い腰を上げて考えていくという状態です。
これからも待機児童問題は続くでしょうし、働く環境の問題はなかなか改善されないまま続くと思われます。
待機児童とは?わかりやすく解説します
この章を忙しい人向けにまとめると・・・
- 認可保育園に入れない子どもを待機児童と呼んでいる!
- 毎年待機児童の数は増えている!今見えている待機児童は氷山の一角
- 都市部の0~2歳児が特に保育園探しに悩んでいる!
- 共働きから保育園足りない問題が待機児童の原因!
そもそも待機児童って?待機児童のキホン
待機児童とは
平たく言うと、認可保育園に入園したくても、入れていない子どものことを「待機児童」と呼んでいます。
もうちょっと詳しく言うと、保育所や学童への入所条件を満たしており、入所申請もされているのに、入所できない状態にある児童のことを言います。
そもそも、認可保育所に入るまでのプロセスなのですが、まずは役所に申請をします。
申請書の中身は希望する保育園、家庭状況、年収、就労状況、同居人がいるかどうか、自営業でないかどうかなど、かなり細かく書くことになっています。
何故なら、この申請書の内容から役所が点数付けを行い、点数が高い人から順番に希望する園に割り振りしていくからです。
最近ではその地区に住んでいる年数が短いと減点されるようになりました。
これは、保護者が「この地区は保育園が入りやすい」と一時的に引っ越しをして、認可保育園入りを狙うケースが後をたたないからです。
この申請は10月から行われるので、0歳児の枠を狙って、10月までに出産するという計画を立てる「妊活」まで行われています。
引っ越しや妊活、保活作戦まで立てて、なりふり構わず子どもを認可保育園に入れるという現状から見るに、待機児童問題は大変な社会問題となっているのが分かります。
全国でどれくらいいる?
厚生労働省によると、2018年4月時点で、全国に5万5千人待機児童がいると発表されました。
これって多いのか?少ないのか?というと多くなっています。
昨年4月の時点では2万6081人でしたので、倍以上になったという話です。
ただ、待機児童の定義を見直し、育児休業中でも復職の意思がある場合は数に含めたことも、増加要因となっていますので、倍になったか?という話においては、ちょっと実態的ではないかもしれません。
まぁただ、これまで待機児童と認められていない人も認められるようになったということで、正確さは今年のほうがあると言えます。
3年連続で増加しているので、これからも待機児童は増えそうです。
子どもの数は減っているのに、待機児童が増えるなんてなんかしっくりこない話かもしれません。
「どっから子どもは増えているんだ」という感覚をもたれるかと思います。
そのカラクリについては、次の潜在待機児童でお話します。
潜在待機児童って?
認可保育園に通わせたくても、定員いっぱいで通えないので、とりあえず無認可保育園に通わせているという状態の子どもを潜在待機児童と言います。
つまり、保育園に入所できなくて、とりあえず無認可保育園に預けている子どもの数は、待機児童として数えていないということです。
待機児童対策で認可保育園がつくられると、この潜在待機児童の保護者が一斉に申し込みに訪れます。
なので、このカラクリにより、待機児童は年々増えていくということなのです。
待機児童として挙がっている数字は氷山の一角で、見えている部分としてはほんの一部分にすぎません。
その下隠れた部分には、何倍もの潜在待機児童が存在しています。
待機児童が多いのは東京都の0〜2歳児が断トツ!
日本全国で5万人以上いる待機児童ですが、そのほとんどは都市部に集中しています。
中でも東京都はダントツトップです。
その理由は人口が多いということ。
人口が多ければ働く人も増える=保育園を利用する人も増えるので単純な理由です。
もう一つ、0~2歳児が待機児童の8割をしめています。
その理由として、3歳からは幼稚園が利用できるという点が挙げられます。
まとめると、現在人が多い都市部の0~2歳児が、特に認可保育園に入りにくいということです。
特に都市部の認可保育園に勤めている方は、0~2歳の保護者はすぐ直前に本当に大変な苦労をしていることを理解しておくと良いでしょう。
女性の就労や保育園不足が原因?
昔はお父さんが働きお母さんが家事をするという構図がありましたが、今は両親共働き世代が非常に多く、保育園を利用する家庭が増えました。
保育園を利用する家庭に対して、保育園が増えるスピードが追い付いていないことが待機児童の原因となっています。
認可保育園は税金を使ったり、場所の問題であったり、法整備も追いつかず、そう簡単に建てられるものではありませんでした。
近年になってようやく小規模保育園などの形態が認可されるようになり、待機児童問題対策が進んできましたが、認可の基準を世の中に合わせて変えるには、本当に遅いものでした。
では、今の政策で十分か?というとそんなことはなく、まだまだ不十分です。
本当に将来のことまで見据えて保育園の問題を解決しようとすると、点数制で子どもを割り振ることをやめ、保育園の新規参入を認め、保育園を利用する保護者に補助金を直接支給し、家庭と保育園の直接契約にすべきだという意見もあります。
ここまで改革するのは今の日本の行政を考えると至難の業ですが、実現すれば待機児童改善という意味では劇的に早くなるでしょう。
保育士ができること
この章を忙しい人向けにまとめると・・・
- 保育士も足りていない存在!保育士を続けるだけでも待機児童問題に貢献できる!
- 待機児童問題を知って、今の親の苦労を深く理解しよう!
- ブラック保育園は保育士、保護者、子どもにとってもマイナス!就職しないようにしよう!
まずは何より保育士を続けよう
保育士を続けることが、保育士にできる待機児童対策になります。
保育園同様、保育士も足りていません。
国は保育士がいないので、準保育士、つまり、簡単な研修を受けるだけで保育士のように働ける制度をつくろうとしています。
しかしながら、準保育士はあくまで子育て経験した人が、研修を受ける程度で取れるような資格です。
発達段階や発達心理など、子どもの生育に関わることをきっちり学んで保育の現場には入っていません(中には独学で勉強する人もいるでしょうが)。
結局、サブでしか入れないので、担任が苦労することになります。
当然、事故リスクも大きくなりますので、ますます禁止事項や規則が増えた保育が展開されがちです。
のびのび子どもが育てる環境も減ってしまいます。
一時的に何となく助かる状況になっても、「保育士の代わりに」となると、全体から見ればマイナスになる可能性も大いにあるのです。
そこで、真摯に保育の勉強をし、経験を積んでいる方は特に保育士を続けましょう。
これからの方も辞めないで、保育士を続けましょう。
それが待機児童を減らすために私たち保育士ができる要素のひとつです。
保護者の苦労を知ろう
単純な話、待機児童問題を知ることで、保護者の苦労が分かります。
保護者に対して「どう接すれば良いかな?」と地雷を踏まないようにしている方も多いと思います。
例えば、待機児童問題を知っていれば、保護者に対して軽く「どうしてこの園を選んだんですか?」なんて言葉も出ないでしょう。
保育園に入るまでの道のりが想像できれば、自然と合った心地よい対応ってできるものです。
知ることは理解への始まりです。
是非、この機会に特に認可保育園で働く方は待機児童問題を知り、「ここまで預けるのに大変な苦労があったんだな・・・」と察せるようになりましょう。
ブラック保育園には就職しないようにしよう
この場合のブラック保育園の意味は2つです。
- 子どもへの保育が行き届いていない、適切でないブラック保育園。
- 労働基準法なんて守るかけらもない、職員の労働環境が劣悪なブラック保育園。
子どもへの食事が少ないなどは1の方で、サービス残業や持ち帰りをさせるような保育園は2に当たります。
どちらの園も、良い園とは言えません。むしろ悪い園です。
現在、待機児童問題で認可保育園というだけで生き残っていける状況にあります。
ブラック保育園でも生き残っていけるのですよね。
しかし、ブラック保育園で働くということは、ブラックな考え方を助けるということになってしまいます。
これは保護者にとってもマイナスで、悪い保育園に入れてしまう可能性をあげてしまうのです。
悪い保育園が蔓延すると、どうなるか?
保育士を不満だらけ、精神状態ギリギリまで働かす園、そもそも子どもに適切な保育を行っていない園は必ず問題を起こします。
そして、保護者から不満があがります。
結果、せっかく入れた園を変えざるを得ないという状況のできあがりで、また待機児童に逆戻りという構図になってしまうのです。
保育士の待遇向上のためにも、世の中の保護者、待機児童のためにもブラック保育園には就職しないようにしましょう!
待機児童問題のあとに起こること…
この章を忙しい人向けにまとめると・・・
- 待機児童問題は数年後落ち着き、その後は保育園の競争がはじまる!
永久に続く問題ではない!
私の予想です。待機児童問題は10年ほど続いて終わりを迎えます。
次の時代が来るということです。
現在、待機児童問題はクローズアップされてから、対策が急ピッチで進められています。
日本の出生率は低下しているのですから、そのうち終わりが来るのは分かっています。
こんなに保育士が引く手あまたなのも今だけ!ということです。
保育園・保育士が選ばれる時代が来る!
自分の保育観をもって、その方向に進んでいきましょう!
仮に今の待機児童問題が解決すれば、今度は逆に保育園が余るという事態が発生します。
世の中の大きな流れは少子化だからです。人口も減っています。
保護者が自分の考えに合わせて、保育園を選ぶ時代が必ずきます。
英語教育に力を入れている所、体育に力を入れている所、例を出せばまだまだありますが、特色が問われる時代となるでしょう。
また、保育士の専門性もさらに問われる時代となります。
どれほど発達に沿って保育できているか?個々に応じて丁寧な保育を実践しているか?
できない保育園は潰れていくという時代に変わっていくでしょう。
保育は最高の方法なんて存在しませんが、保育士に合う保育、合わない保育は絶対あります。
自分の方向性を見つけて、突き詰めていきましょう!
まとめ
いかがでしたでしょうか!
待機児童問題は共働き家庭増加による保育園利用者の増加に、保育園が足りず、簡単に建てられないことが原因で起こっています。
そして、今の保護者は認可保育園に入れるために並々ならぬ苦労を抱えています。
私たち保育士ができることは、少しでもその苦労を理解し、保護者が安心して子育てできる社会づくりに貢献することです。
そのために、待機児童問題を知り、良い保育園に就職し、長く保育士として働いていきましょう!
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