こんにちは、うしさんくまさん(保育士&社会人歴のべ24年)です。
今回の相談者こまりんさんからのお悩みは、『転職した先もブラックな職場だった…』というご相談。
回答者のくまさんは『もし今の園に見切りをつけたのでしたら辞める方向で考えても良いのではないか』とアドバイス。どうぞ、御覧ください。
保育士お悩み相談(LINE)
8月31日付で前職場を退職し、9月3日から新しい職場に移りましたが、こちらも大変ブラックな職場だと判明しました。
年間行事の予定や会議の連絡もなく、初日から9時過ぎまで残業し、「当たり前だからー」「言ってなかったっけー?」とのこと。
書面には9月3日から来てくださいと書いてあるのに1日から仕事になっていたりもしました。
また保育士が多動の子どもの腕を引っ張り「あんた邪魔だからあっちいってな」と突き飛ばす場面もありました。
月火と保育に参加する中で体調も悪化し、昨日の夜から嘔吐しています。
また8月下旬から全身の関節に激痛がはしったりや若干の痛みや痺れが続く事が多くなった事、子どもに対しても愛情を向けられない事から、もう保育士としてはやっていけないのではないかと考えるようになりました。(特に関節の方は母親からの遺伝の可能性があり、国指定の難病になります)
先輩保育士からは適当な教えしか受けられず、質問したりするとなんで出来ないの?的な顔をされます(前の保育園とは違い、大人数なのでやり方も違い、分からないことだらけです)
正直に言ってしまえば保育士を辞めて他の資格を生かせる仕事に移りたいと思います、ただ入って数日なのにまだ我慢すれば何とかなるのではないかと思ってしまう自分も居ます。
どうしたらいいでしょうか。
前回の園は退職することが出来たのですね。
現在は新しい園にお勤めとのことですが、ここでも辛い思いをされていらっしゃるのですね。
こまりんさんの相談内容を拝見しましたが、子供を突き飛ばすなど、とても保育とはいえない対応をされている職員もいます。
また、書面で交わした契約と異なるところがあったとのことで、園自体の対応も誠実さに欠けるところがありますね。
体調も悪化されていますし、このまま勤務されてもよりストレスがたまる一方のように見受けられます。
また、我慢をして働いたところでその分こまりんさんの保育スキルが上がるような価値のある園とも思えません。
こまりんさんが今後どうされたいのかにもよるのですが、もし今の園に見切りをつけたのでしたら辞める方向で考えても良いのではないかと思います。
勤務が長引くと辞めづらくなるでしょうから早めに判断されると良いかもしれません。
持病を抱えていらっしゃるとのことですので、病気を理由にしても良いと思います。
その先についてはまずは体調を整えてから違う職種も含めて次の職場を検討されると良いかもしれませんね。
これだけはお伝えしたいのですが、今回こまりんさんが勤務された園は2園とも職場環境が良くないところでした。
偶然が重なってしまったのかもしれません。
勤務された2園とも辛い思いをされたので、どこで働いても環境は同じではないか、と思うかもしれません。
ただ、全ての園がこのようなところばかりではなく、子供のことを第一に考え、職場環境も良くしようと常に考え実践している園も数多くあります。
いずれまた子供と関わる仕事がしたいなと思った際には事前に見学に行くことをおすすめします。
出来れば面談を兼ねての見学の他に、通りすがり程度にこっそり見に行けると良いかもしれません。
面談の際の見学ですと園側も良い部分ばかりをアピールし、本来の姿を隠してしまうことがあります。
通りすがりですと本来の園の様子が分かるため、もしかしたら保育士の声の掛け方や子供の表情、保育士同士の関わり方も見えるかもしれません。
また保育関係だけでなく違う職種でも通じる方法なのですが、紹介予定派遣としてまずは派遣会社を通じて入社するという形もあります。
メリットなどは当サイトの記事に記載してありますので、よろしかったらご参考になさって下さいね。
まずはお加減が良くなりますように。よろしかったらその後の様子などをお聞かせ下さいね。
社労士からのコメント
実際の労働条件が採用時に明示された労働条件と異なるとき
「実際に働いてみたら採用時に聞いていた条件と違った…」
こういった相談は、ハローワークなどの公的機関やその他の相談窓口に多く寄せられています。
このような場合の法律的な取扱いと対応について解説いたします。
労働条件の明示
まず、労働契約の締結に際し、事業主は、以下の事項を労働者に明示しなければなりません。
- 労働契約の期間
- 就業の場所及び従事すべき業務
- 始業・就業時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇等
- 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期
- 退職に関する事項(解雇の事由を含む)
- 昇給に関する事項
- 退職金に関する事項
- 臨時に支払われる賃金、賞与などに関する事項
- 労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項
- 安全及び衛生に関する事項
- 職業訓練に関する事項
- 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項
- 表彰及び制裁に関する事項
- 休職に関する事項
※有期契約やパートタイマーの場合、さらに明示が必要な事項が追加されます。
1~6は必ず明示しなければならない事項で、7~14は制度を設ける場合に明示しなければならない事項です。
また、1~5までの事項については、書面(法改正により一部電子情報による提供も可能となります)で明示することになっています。
特に小規模な事業所では、上記の通りの明示が行われていないことも現実にはあります。口頭で要点を伝えるのみで、書面すら交付していないケースもあるようです。
そういった事業所よりも、労働条件をしっかり説明し書面で明示している事業所の方が、入社後の労務管理についても法令に則り適正に行っている可能性が高いと言えるでしょう。
労働条件が異なる場合
明示された労働条件が実際の労働条件と異なるときは、労働者は労働契約を即時解除することができるとされています。(労働基準法第15条第2項)即時解除に際し、就業のために住居を変更した労働者が契約解除日から14日以内に帰郷する場合、事業主は必要な旅費を負担しなければなりません。(労働基準法第15条第3項)
例えば、月給30万円という条件で就職してみたら、月給20万円だったという場合、労働契約の即時解除が可能と考えられます。
そういった事態を防ぐため及び条件の相違を主張するためにも、労働条件を書面で明示してもらっておくことは重要となります。
実際の対応について
ご相談者様の状況が労働条件が異なる場合にあたるかは、ご相談内容だけではわかりません。
残業については「所定労働時間を超える労働の有無」は明示しなければなりませんが、いつ何時間残業させるかは明示事項には無く、業務予定や業務の進め方に関しても明示事項にはありません。
ただ、就職時に渡された雇用契約書又は労働条件通知書と、現在の労働条件が大きく違うようであれば、その部分について上長に説明を求めたり、それでも改善しない場合には労働基準監督署などの相談窓口に相談してみることも有効と考えられます。
また、相談内容を拝見しますと、現在の職場は決して働きやすい環境では無いように思われます。
今後もし転職をされる際にも、就職時に労働条件の内容をしっかり確認すること、書面により明示してもらうことは重要になりますので、参考になりましたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
「私も相談してみたい・・・」というあなたは↓↓↓
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