こんにちは、ほいくのおまもりです。
今回は世田谷区にあえる小規模保育園、えにっくすさんにメールインタビューをさせてもらいました。
- 保育理念
- 日々の保育での取り組み内容
- そして・・・『残業時間』や『離職率』
など、普段は聞きにくいことにも、ドドンと答えてもらいましたよ!
どうぞ、御覧ください。
※情報は記事公開時点(2019年7月)のものです。
※本文中のカッコ書きは管理人の補足です。
えにっくすってどんな保育園?
えにっくすの概要
ほいくのおまもり:本日はよろしくお願いします。まずは簡単に、えにっくすさんの基本的な情報を教えていただけますか?
えにっくす:はい、小規模保育事業所えにっくすは2016年4月に千歳台に開設した世田谷区認可の保育所です。
運営法人はNPO法人子育て支援ひまわりで、私、前田潤子が理事長兼園長を務めています。
これまでの歴史を簡単にお話すると、1999年10月に世田谷区粕谷で個人事業の認可外の小さな託児施設「こどもクラブエニックス」を開設しました。
その後、2005年に南烏山に移転し、2015年に法人化、2016年に認可施設に移行し、現在の千歳台に移転しました。
ほいくのおまもり:ホームページを拝見して、新しい保育園という印象だったのですが、認可外のときからですと、20年近くの歴史があるんですね。
えにっくす:そうなんです。認可外の頃は、認可の保育園に入れない待機児や、一時預かりのお子さんを主にお預かりしていました。
子ども子育て支援制度が制定され、千歳烏山の保育事情も急激に変化してきて、保育園の役割も変わってきたように思います。
小規模保育事業という0〜2歳児19名までの定員の保育事業形態ができ、私自身の目が届き、一人一人のお子さんとご家庭に寄り添える規模である現在の小規模保育事業所えにっくす(千歳台5-23-13 eniks-kids.com)を開設しました。
来年度(2020年)には八幡山(八幡山3-21-15)に0〜2歳児定員20名の認可保育所を開設する予定です。
どちらの園も園長の私自身が一人一人のお子さまの性格や発達段階を把握できご家庭と共有していける規模、定員設定にしました。
園長先生の紹介
ほいくのおまもり:そういった思いがあって、この規模を選ばれているんですね。園長先生も保育室に入ることは多いんですか?
えにっくす:はい、保育室にも入りますし、入園前の面接から私自身が保護者の方とお子さまと個別に1時間ほど時間をかけてご家庭環境や子育ての方針、お子さまの様子などを把握します。
その後は随時、担任の先生達と個別の保育計画を話し合います。
たとえば、離乳食の進み具合がその子の発達段階に合っているかを担任の先生や調理の先生と話し合いながら、進めたり戻したりしてその子にとって今、一番よい形を考えます。
そのような個別の配慮は無限にありますが、一人一人の特性を把握していないとよい形を見つけられないと考えています。
また、保護者の方からのご相談にもきちんとお応えできるように、保育室を見ることを心がけています。
ほいくのおまもり:園長先生ご自身が、かなり丁寧に関わられるんですね。ちょっと余談かもしれないのですが、園長先生ご自身も保育士の経験が長いのですか?
えにっくす:まだまだ至らないことばかりで日々勉強の毎日で、自分のことをお話するのは気が引けますが・・・。
学校を卒業後、モンテッソーリの幼稚園に勤務していました。
その時、モンテッソーリの資格を取得し、出産を機に認可外の託児施設を開設しました。
それから20年間、園長の立場ではありますが、共に保育をしてきた職員から学ぶことも多く、意見を交換しながら時代に合ったより良い保育を常に研鑽しています。
ほいくのおまもり:なるほど・・・。
その道ウン十年の大ベテラン!
世田谷区から功労賞も受け取っているのですね。
保育理念
ほいくのおまもり:保育の理念、なども教えていただけますか?
えにっくす:保育の理念は「子どもの生きる力をはぐくむ」を掲げています。
これから大きく豊かに育つ子どもたちが、ひとりの人間として生きる力を身につけるために、子どもたち自身が「愛されている」と感じることが大切だと私たちは考えます。
安心できるおうちのような環境の中で、たくさんの愛情を受け満たされた子どもたちは、それを自信に変えて、自分で「考えて」「やってみる力」が育ちます。
生きる力の基礎となる、そんな大切な時期の太く、たくましい根っこづくりの場としたいんですね。
ほいくのおまもり:保育園って、第二の家のようなものだと思うんです。ですから、『おうちのような環境の中で』というのは、とても大事なことだと思っています。
保育の特徴、アピールポイント
ほいくのおまもり:ありがとうございます。
それでは、保育の内容に関わるところについて、もう少し掘り下げてお話を聞かせて下さい。
えにっくすさんの取り組みでのアピールポイントを、3つ教えてもらえますか?
コーナー遊び
えにっくす:はい、1つ目は子どもたちの興味を引き出し、遊び込めるコーナー遊びです。
- 朝の活動
- 雨の日の活動
- おやつ後の活動
それぞれの時間に自分の好きなおもちゃを見つけてきて、一人で満足いくまでパズルをする子、保育者の手を引っ張っておもちゃや本まで連れて行く子、お友達と見立て遊びをする子など、月齢や季節、個々の興味などで遊びが展開していきます。
時には子ども達の新鮮な遊びの展開に私たちも驚かされます。
2歳児クラスの後半には、一人が遊んでいたことが、二人になり、さらにお友達が加わってクラスみんなで遊びが発展していくこともあります。
ほいくのおまもり:年齢的にも、2歳後半くらいになると、関わりが出てきて面白いですよね。
お散歩活動
えにっくす:2つ目は、真夏と雨の日以外はお散歩に出るようにしています。
園庭はありませんが、子どもが歩いて10分ほどのところに大きな都立芦花公園があったり、その日の活動や目的に合わせて近隣の様々な公園や神社、畑などへ出かけています。
ほいくのおまもり:立派な公園が近くにあっていいな〜と思っていたのですが、神社や畑も歩いていける範囲にあるんですね?都内の保育園は、もっと緑が少ないものと思っていました。
えにっくす:えにっくすは千歳烏山駅からも祖師ヶ谷大蔵駅からも歩いて15分くらいのところにあるので、公園や畑など、緑が多く環境に恵まれています。
0〜2歳児の発達の中に歩行の確立があります。
保護者の方は忙しくつい自転車やベビーカーに子どもを乗せてしまっていますよね。
そんな忙しい保護者に代わって、たくさん歩くこと、坂や段差も気をつけて通れるように保育の計画に意図的に取り入れています。
もちろんお散歩コースは事故のないように、マニュアルを作り確認された安全な道を通っています。
ほいくのおまもり:最近はお散歩中の事故が頻繁に報道されていますから、やはりその辺りはとても気にするところですよね…。
えにっくす:私達もいろいろなことを想定しながら事故に巻き込まれないように試行錯誤しています。
歩くことに加えて、お散歩の中の探索も大切な活動の1つです。
子ども達は芦花公園の探索が大好きです。
公園の中には子ども達の発見が詰まっています。
畑で季節の野菜を栽培、収穫
えにっくす:3つ目は、歩いて10分くらいの所に畑を借りています。
ほいくのおまもり:へー!そうなんですか!それはすごく素敵な取り組みですね。
えにっくす:ありがとうございます。
季節ごとに10種類以上の野菜を栽培して収穫しています。
種をまいてから収穫するまで、子ども達はお水をあげたり、お野菜が成長する過程を観察して、大根やキュウリ、インゲンやカブ、じゃがいもなど、たくさんの野菜を収穫します。
自分で採って園に持ち帰ると、子ども達は保護者に渡したくてずっと覚えています。
家族に、「◯◯ちゃんが採ってきてくれたお野菜だよ」といって感謝されることが、子どもにとって良い経験になっています。
自分で採ってきたお野菜はお野菜が苦手な子も食べてみようというきっかけになります。
このように畑の活動で子ども達の食に対する興味を育んでいます。
待遇の本当のところ
ほいくのおまもり:ありがとうございます。それではここからは、ちょっと答えにくい質問をさせて下さい。
求職者の方は、待遇がどうなっているのか?働きやすいのか?といったところが、かなり気になるのでは?と思います。
残業時間や離職率などについて、教えてもらうことは出来ますか?
えにっくす:はい、職員は今年度は園長を含めて20名います。
常勤職員が9名、非常勤職員が11名です。保育にあたる職員は16名、調理職員が3名います。
定員19名に対して、職員はとても多いと思います。
ほいくのおまもり:え?!ちょっとびっくりしました。保育士の数、かなり多いですね。
えにっくす:そうですね。
なぜなら、保育活動中は子ども2人に職員1人を配置していて、子ども達の小さな成長、呟き、変化に気づけるように、職員も一人がたくさんの配慮を抱え込まず分担できるようにしています。
それに職員同士も子どものいない時には下の名前で呼び合ったり、一人一人の誕生日をお祝いしたり、休憩時間には世間話をしたり、アットホームな雰囲気で過ごしています。
オンとオフのメリハリを大切にし、係を決めて業務を分掌したり、14〜15時に各会議や園内研修の時間を設け、情報の共有をしています。
保育の記録や制作、係の業務も交代で時間を作り、勤務時間内で終わらせられるようにしているので、残業や持ち帰りはありません。
ほいくのおまもり:残業もさることながら、持ち帰りなしもいいですね。ズバリ、離職率や有休はどうでしょう?
えにっくす:昨年度の離職はゼロで、2年経過で抹消された有休もありませんでした。
勤務希望表が事務所内にあり、前月の半ば頃までに翌月のお休み希望を書けるようになっていて、休みが取りやすいよう配慮しています。
職員の中で、頑張っている職員が損をしないよう、定期的に面談をしたり、自己評価表を記入してもらい、職員の声を拾っていけるような体制づくりを意識しています。
直近ですと、8月から産休に入る職員もいますね。
ほいくのおまもり:働きやすい環境作りに力を入れられていることがよくわかりました。
その結果が、昨年度の離職率ゼロに繋がっているのでしょうね。貴重なお話をありがとうございました。
えにっくす:こちらこそ、ありがとうございました。
まとめ|インタビューを終えて
この記事の企画はえにっくすさんから「ほいくのおまもりに、求人情報を載せてもらえませんか?」とご連絡をいただき、スタートしました。
求人情報だと最新のものを掲載しないと役に立たないと思ったため、保育の様子や、ちょっといじわるかなーと思いつつ、転職者がちょっと聞きにくい離職率や有休、残業や持ち帰り仕事について話を聞かせてもらっています。
えにっくすさんの求人について興味を持っている人にとって、お役に立てる情報になったのではないかと思っています。
保育園に対するメールインタビューははじめての試みだったのですが、メールや電話のやり取りはいつも迅速丁寧で、気持ちよく、この記事を作っていくことが出来ました。
これだけ丁寧に仕事をされる方がいる保育園であれば、とても信用できるのではないか?というのが素直な感想です。
来年度(2020年)には八幡山(八幡山3-21-15)に0〜2歳児定員20名の認可保育所を開設する予定もあるそうですから、興味を持った方は、気軽に連絡をしてみて下さいね。