こんにちは、ほいくのおまもりです。
保育士の仕事は正職の他に、パート、臨職、非常勤と多岐にわたります。
正職はまだしも、他の仕事はどんな仕事なんだろう。そんな疑問に答えます。
実はパート保育士もかなり魅力的!それぞれのメリットや疑問点、解決策をまとめてみました。
パート保育士、非常勤職員、臨時職員の勤務時間
まずはパート職員、非常勤職員、臨時職員の勤務時間です。
※パート保育士と非常勤職員は同じような扱いが多いため、このページでは今後、同じものとしていきます。
これらはいずれも呼び方が違うだけで、正職員(正社員)とは違う働き方、雇用契約の職員となっています。
パート職員(非常勤職員)はアルバイト的な働き方が一般的で、通常の8時間勤務よりも、短い勤務時間になることが多いです。
対して臨時職員は、正職員と同じような8時間勤務になることが多いです。正職員か、臨時職員かは契約と呼び方が違うだけ。という保育園もあります。
まとめると、次の通りです。
- パート保育士(非常勤職員)…8時間より短い場合が多い
- 臨時職員…正職員と同じ場合が多い
仕事の内容は?
仕事の内容については、保育園によりますので、絶対的な基準はありません。1つの例として見てもらえればと思います。
パート職員(非常勤職員)
勤務時間は正職員よりも短いと書きました。
あくまで一例ですが、正職員が9時〜17時の勤務時間のため、人手が不足する7〜9時と17〜19時がパート職員の勤務時間となっている保育園もあります(私の働いていた園がこんな時間帯でした)。
7〜9時、17〜19時は保育士が不足している時間帯のため、しっかり保育をすることになります(子どもと深く関われる)。
ただ、一日に二回も出勤するのは大変ということで、7〜11時の午前番と、15〜19時の午後番を別に雇っているという場合もあります。
この時間帯だと…
- 正職員がいない7〜9時、17〜19時はがっつりと子どもに関わる
- 正職員がいる9〜11時、17〜19時は掃除や製作活動の準備、その他雑用などを行う
ただ、この辺りの働き方は園によってかなりバラけます。
9〜17時でパートという働き方で募集している園も、当然あるでしょう。
共通していることが多いのは次の点。
- 勤務時間が固定
- 保育補助が多く、担任を持つことは少ない
- 保護者対応はやらないことも(正職員しか保護者対応はしない)
- 書類がない
ただ、あくまでこういうことが多い。というだけで、パートなら必ずこの4つが当てはまるというわけではないです。
必ず勤めたいと思っている園に確認をしてくださいね。
臨時職員
仕事の内容は正職員と変わらない。という保育園が多いです。
シフトもあれば、担任を持つ場合もあります。特に保育園で低年齢児のクラスの場合、複数担任であることも少なくないですよね。
そのため、正職員と臨時職員が組んで、担任になるというケースも多いです。
さすがに臨時職員に1人担任にするということは少ないようですが、これも園によりけりです。
当然、書類作成(日案、週案、月案、年間カリキュラム、児童票、園だより、保護者へ連絡帳)もやることになります。
基本的には正職員と遜色ないと考えておけばいいですね。
オススメの働き方
それぞれの違いがわかったところで、こんな人にはこの働き方をオススメしたい。ということを書いてみます。
正職員がしっくりこない人は、パート職員(非常勤職員)を検討して!
これがこの記事の中で一番伝えたいことです。
保育士の仕事は多岐に渡ります。実際に働くとわかりますが、イメージしているより圧倒的に書類仕事が多い。
その他、ピアノをやったり、製作活動をしたり、行事の準備をしたり。
思い返すと「本当に私もやっていたんだっけ?ちゃんとやれていたんだっけ?」と疑問になるほど、保育士の仕事量が多い&多岐に渡ります。
そんな保育士の仕事量に目がくらみ、しかも給料は安いという現実につぶれてしまう人もあとを絶ちません。
ただ、多くの人が保育士を志した一番の理由は「子どもが好きだから」ではないですか?
保育士を離れる人の多くは「子どもが嫌いになったから」ではないです。
子どもが好きな気持ちは変わらない。
でも、この給料でこの仕事量、しかも人間関係のストレスも感じながら…続けることはできない…。
と泣く泣く現場を離れるのではないですか?
それであれば、パート職員(非常勤職員)という働き方で書類の苦労から開放されて、子どもと関わりを多く持てる環境は魅力を強く感じられます。
保育園は女性が多く、かつ限られた空間であるがゆえに、人間関係に悩まされることも多いです。
そんな状況ですと、保育をしていても、子どもと関わっていても仕事が楽しくない。という気持ちになってしまうことがあります。
保育という仕事が魅力に感じられなかった=子どもと関わっても楽しくない、ということなら、別の仕事をするのもあり。
でも、仕事量や給料、人間関係が辛くて保育が嫌だ!ということなら、パート保育士(非常勤職員)で軽めに働くところから再スタートしてみるのは有効ですよ。
パート保育士体験談
ここまでパート職員で働くことを強くおすすめるのは、私もパート職員で働いていたことがあるからなんです。
正職員が嫌だったわけではないです。
別にやりたいことが出来たので、退職の意思を伝えると引き止められ、約1年パート職員で働きました。
その期間に思ったことは、書類や行事などの仕事がないので、本当に純粋に子どもと関わることが出来ました。
そして「やっぱり子どもと関わるのって、楽しい!!」と心底思ったんですよね。
子どもの魅力をストレートに感じることができたんです。
もちろん大変なこともあるんですけど、子どもとの関わりで大変なことって「しんどくない」というか。
これが自分の子供だったりするとまた違うんですけど、保育園の子どもなら、ぐずったりしても「おー、よしよし」って結構余裕で捉えられるんですよ(仕事だったからかな^^;)。
しかも、書類がないから「この時間に保育を抜けて、児童票を書かなきゃいけないのに…!」みたいなプレッシャーも限られます。
保育を楽しいと思えなくなっている人ほどこそ、パート職員(非常勤職員)という形で子どもと関わることを再度考えてみてください。
臨時職員はダメ
パート職員(非常勤職員)と比べて、臨時職員は正職員と仕事内容に違いがありません。責任の範囲も同じ。
それなのに、雇用形態とそれに伴うお給料は正職員とはっきりと違いがある(昇給がなかったり、元々の基本給が違ったり)。
ということが多いのです。そのため、はじめから臨時職員狙いで仕事を選ぶのは全くおすすめ出来ません。
それでも臨時職員でも良いのはどんなときか?
ここ取り上げているケースとは違い、正職員と臨時職員の仕事内容にしっかりと違いがある(臨時職員の方が仕事が楽)場合。
例えば、
- 勤務時間は正職員と変わりないけれど、書類作成はありません
- 書類とか責任の範囲は変わらないけれど、シフト勤務ではなく固定勤務で働ける
などです。
このように、あくまで臨時職員は臨時職員。正職員とは違いますよ。という線引がしっかりしている保育園であれば、臨時職員狙いで仕事を選ぶのもありです。
また、今は臨時職員だけど、何年後(何ヶ月後)は必ず正職員になれます。
ということをしっかりと確約してくれる場合は、正職員と臨時職員の仕事が同じでも検討してみていいですね。
これは臨時職員というのを、いわゆる試用期間のような形で採用している格好です。
これなら、その後は正職員になれるので、臨時職員は今だけの話。特にマイナスがあるわけではありません。
よくある悩みと解決策
パート保育士(非常勤職員)が抱きがちなよくある悩みと解決策をQ&A方式でまとめました。
ぜひ、前向きにパート保育士になることを検討するあなたの後押しができれば嬉しいです。
Q.フリー業務は難しくないですか?
A.すぐに慣れるので大丈夫です!
パート保育士(非常勤職員)は、いわゆるフリーの保育士として動くことが多いです。
特定のクラスに入りっきりではなく「今は手が足りていないこっちのクラスにいって!」「次はあっち!」という形で、その状況に応じて、縦横無尽にあちこちのクラスへ移動します。
0歳児クラスと5歳児クラス、それぞれで気をつけなければいけないことは違いますよね。
単に年齢だけではなく「トラブルを起こしやすい子(手が出るとか、噛み付くとか)」への対応も必要です。
慣れないうちは各クラスの注意点を覚えなければいけないので、ちょっとしんどいかもしれません。
でも、慣れればどうってことなくなります。
また、色々なクラスを見ることができるので、自分は何歳児が好きだなー(保育しやすいなー)なんてことにも気がつける機会が多いです。
「今、こっちのクラスが手が足りないから!こっちへ!あっちへ!」と振り回されることはありますが、だいたい子どもの動きも保護者の登園時間、降園時間が決まっています。
1ヶ月もすれば、「そろそろこっちのクラスにいったほうがいいかな?」という目処がつき、注意点もわかってきます。
振り回されて大変!なんて思いはほとんどなくなりますよ。
Q.園長や正職員からの差別されることはありませんか?
A.最初から見分けることもできます。
これは保育園による違いで、全く無いところもあります。
でも、あるところも残念ながら存在するようです。
いわば、正職員=偉い!パート職員(非常勤職員)=格下!みたいな意識がはびこっているケースです。
正職員がプライドを持ってしっかりと仕事をしている。
その事自体は間違いなく素晴らしい、立派なことです。
でも、まるで階級をつけるように考えるのは良くないですよね。
どんなに保育内容が素晴らしい保育園であったとしても、人間関係、ましては人間性ではなくたかが雇用形態だけで差別されるのは相当不愉快なものです。
正直、こういうことがあると続けるモチベーションは下がってしまいます。
残念ながら、その園の文化のようになってしまっているのですね…。
そこで回避方法ですが、面接の時に、「パート職員の離職率、定着率、人数、割合」などを確認すると、正職とパートを差別する保育園かを見極めることができます。
離職率が低い、定着率が高いのであれば、パート職員が居心地よく務めていると考えられます。
人数や割合については、極端にパート職員が多いと不安ですが、ある程度の数がいるのであれば、上手くパート職員を活用している園であると判断できます。
少なすぎる場合はその理由も聞いてみましょう。
もっとも、これは本当に保育園によりけりです。私の働いていた保育園は全くそのような雰囲気はありませんでした。
パート職員が、パート職員という立場だから働きにくいと感じているということはなかったです。
むしろ、パート職員のほうが正職よりも長く働いているもんだから、ちょっと態度が大きかったかも(笑)
こればかりは本当にそれぞれ違いますから面接の時にしっかりと探りを入れるしかないですね。
転職サイトを使えば、この辺りをしっかりと調べてくれ!とお願いすることも可能です。
むしろ、そのためにいるのが転職サイトのキャリアコンサルタントだからです。
Q.勤務時間が正職員と合わず、コミュニケーションが取れないのでは?
A.心配する必要ありません。
他の正職員と勤務時間が異なると、コミュニケーションが取れなくてやりにくいのでは?ということを心配するかもしれません。
でも、これについても「園の雰囲気によります」ということになります。
人間関係が良好な園であれば、少ない時間でも保育士同士で接点がありますから、ちょっとした会話はできます。
それが積み重なれば保育士同士の信頼関係を気づいていくことももちろんできます。
私の場合、朝はパート職員と正職1名が朝の時間に一緒に仕事をしていました。
ただ、朝7時ちょうどに登園する子どもは少なかったので(だいたい7時半目処に登園する子が多かったです)、この30分で色々な話をしていました。(もちろん、仕事はちゃんとしましたよ(^^))
勤務時間が合わない=正職員とコミュニケーションが取れない=わだかまりが生まれるは、考えすぎです。
Q.経験をつみにくいのでは?
A.ゆっくりですが、経験を積めることに代わりありません。
パート保育士(非常勤職員)という働き方ですと、勤務している時間帯は正職員より短くなる場合がほとんどです。
そうなると、正職員が8時間仕事(残業をすればプラスアルファ)をするのに対して、パート職員は4時間とか、6時間とかといった短さです。
単純に時間だけで考えることは出来ませんが、わかりやすく時間だけで考えても、毎日2時間から4時間分、働く時間が短いわけで、それが経験値の差として少しずつ広がっていくことになります。
時間だけが問題ではありません。パート職員や非常勤職員は保護者対応をしないという園では、保護者対応に関するスキルが磨かれません。
また、保護者も悪気はないのでしょうが「パート職員よりも正職員の担任と話をしたい」という人が必ずいます。
そういう人とはそもそもコミュニケーションが取れないということもあります。
とはいえ、子どもとの関わりを積み重ねていけば正職員よりはゆっくりかもしれませんが、成長することには違いありません。
私のことを思い出しても、本当に最初の頃や、実習の頃は、子どもが転んで大泣きするだけで「ドキッ!」としました。
でも、1年もすれば「強い強い!頑張れ!」と余裕を持って言えるようになります。
1年目の最初の時期から正職員でバリバリ頑張るのも悪くないです。
ただ、もう少しゆっくり仕事を覚えていきたい。パート職員(非常勤職員)から、少しずつ経験を積み重ねていくというのも全く悪くない方法です。
むしろ一年目からバリバリやって、身体を壊してしまうくらいなら、積極的にパート保育士(非常勤職員)という働き方を選択してほしいです。
Q.今後、正職員として働けますか?
A.今は人手不足なので、必ず働けます。
これは、上の『経験を積みにくい』に繋がるところかもしれません。
転職活動をした際、今までバリバリと正職員でやっていた人と、パート保育士(非常勤職員)としてやっていた人では、正職員でやっていた人のほうが有利な場面はあるかもしれません。
ただ、今は何処の保育園もかなりの人手不足になっているために、採用にかなり積極的に動いています。
いい加減に働いていたというわけではなく、パート職員だけれども、しっかりと保育に携わっていたこと。
また保育の中でこんなことが得意(外遊び、ピアノ、製作、行事など)ということをアピールできれば、パートで働いていたことがプラスになることはあっても、マイナスになることはありません。
全く心配することはないでしょう。
Q.給与面がいまいちではないですか?
A.ある程度の割り切りが大事です。
これは、文句をいっても仕方ないという気がしますね。
正職員よりも働いている時間が短いのですから、給与が安くなるはある意味当然の話だからです。
社会保険に加入できるかどうかは、保育園によるようです。ボーナスは支給されないことも。
雇用保険や有給休暇は利用できます。
全部ひっくるめて考えてみると「雇用の条件自体は正職員には劣るよねー」となります。
でも、やっぱりそれは勤務時間などを考えれれば致し方ないことです。
一応デメリットとして取り上げてはいますが、だからダメなんだと考えるよりは、仕事の負担が軽くなるために起こりえる自然なこと。と捉えていたほうが良いと思います。
まとめ
- パートはアルバイト的な働き方、臨時職員は正職に準ずる
- 正職がしっくりこない人は、パート保育士に挑戦してみよう!
- 臨時職員はおすすめできない(いずれ正職になれるなら可)
保育士のパート職員(非常勤職員)、臨時職員という働き方は、今後ますます見直されてきます。
というのも、現状はとにかく保育士不足で現場は悲鳴をあげています。
パート保育士(非常勤職員)でもいい、とにかく人手が欲しい!仕事をして欲しい!そんな声が凄いんです。
一度やめてしまった人も、今保育士をやめようか悩んでいる人も、正職員よりもストレスが軽減されて、子どもとの関わりを楽しめる、パート職員(非常勤職員)という働き方を検討してみませんか?
多くの転職サイトが、パート保育士の積極採用に動いていますよ。