こんにちは、ほいくのおまもりです。
今回の相談者からのお悩みは、『命を預かる重さや責任とどのように付き合ったら良いでしょうか』というご相談。
回答者のほいくのおまもりは『「事故が起こるかも」ではなく「事故を起こさない」という前向きな姿勢を持つことではないかと考えます』とアドバイス。
どうぞ、御覧ください。
保育士お悩み相談(LINE)
【年齢】30代
【保育士経験年数】10年目
【相談文】
初めまして。よろしくお願い致します。
この度相談させて頂きたいのは、「命を預かる重さや責任とどのように付き合ったら良いか」ということについてです。
様々な子どもたちと関わる中で、関わり方が難しい子がたくさんいることを感じます。
また、その子たちの行動が私の想像以上で、戸惑いがあります。(例えば、4歳児で友達の顔に鉛筆を投げる、5歳児で友達を噛む、動きが大きくどこにでも登ろうとするなど)
また、私は異動がある職場です。異動した年は、保育園の子どもたちのことをよく分からずに手探りで新年度がスタートするため、年度始めは特に戸惑います。
私の予測が甘いことでヒヤリ・ハットすることもあり、反省することも多いです。その子自身や相手の子の安全を守れるのか、大きな怪我になるのではないか…という不安に押し潰されそうになり、メンタルクリニックに通うようになってしまいました。
私の場合、自分自身の不調もあるかと思いますが、どのように子どもを危険から守らなければならない、安全に過ごさなければならないという日々のプレッシャーと付き合ったら良いのでしょうか?
アドバイスをよろしくお願い致します。
こまりんさんのご相談文を読ませていただきました。
ヒヤリ・ハットは保育では避けて通れない問題であり、悩むお気持ちはとても良く分かります。
悩むあまりにメンタルクリニックに通うようになったとのことで当方も心配しております。
少しでもお役に立てるよう、回答を考えていきたいと思います。
お辛い中申し訳ありませんが、お時間を頂けたらと思います。
よろしくお願い致します。
お待たせいたしたました。
子どもの安全を心配するあまりにメンタルクリニックに通うようになられたとのことで、こまりんさんがどれだけ緊張と不安の中で保育をしていらっしゃるかとお察しします。
確かに子ども達の行動は時に保育士の予測を超えることがあり、事故が起きないようにと気にかけることはごもっともだと感じます。
【命を預かる重さや責任とどのように付き合ったら良いでしょうか】とのご相談につきまして、当方の回答としましては【「事故が起こるかも」ではなく「事故を起こさない」という前向きな姿勢を持つことではないかと考えます】。
以下に詳細な理由を記載していきますね。
「事故を起こさない」ためには、事故を未然に防げるよう保育士が少しでも早い変化に気付く必要がありますね。
ですから、保育士が子どもを見渡せる位置にいることはとても重要なことだと考えます。
園庭でも保育室でも、保育士が中心にいると子ども達全員に目が届きません。
ですから、園庭や部屋の端側にいると目が届きやすいのではと感じます。
一方で、常に端にいるというわけにもいかず、時には背後に子ども達がいるということもあるでしょう。
そのような時には背中にもアンテナを張る気持ちで全体を把握しようとする意識が大切だと感じます。
子どもに個別に関わっている時には、保育士自身が夢中になってしまうと周りの様子が見えなくなってしまいます。
目の前にいる子どもに対応しつつも、常に周りの様子を気にかける必要があるのではと感じます。
どうしでも一対一でしっかりと関わりたい時には他の先生に一声かけると良いでしょう。
出来ればクラスの垣根を超えて、園全体で子ども達全員を見守っていくという意識があると連携も取りやすいのではと感じます。
また、日頃の怪我やトラブルが起きやすい時間帯を把握しておくことも良いでしょう。
遊ぶ時間が長くなったことで飽きてしまい、トラブルに繋がりやすくなるのかもしれません。
夕方など1日の疲れがたまる時間帯に怪我が起こりやすいのかもしれません。
遊ぶ時間を調節したり、怪我が起こりやすい時間帯は動的な活動から静的な活動に切り替える等、小さな怪我やトラブルを見逃さず(いずれは大きな事故に繋がらないよう)、保育の流れを定期的に見直しても良いのではと考えます。
また、子どもの動線で危険な箇所はないか(子供同士でぶつかりやすい場所がある、床に物が落ちているなど)、死角になる場所はないかを常に見守り、改善することも必要です。
子ども同士のケンカや危険な行動については、折りに触れ子ども達と話し合うことも良いでしょう。
例えばお話しにありました「友達の顔に鉛筆を投げる」というのは、「投げたらどうなるか」「鉛筆は何をするための道具か」ということを子ども達と話し合いながら確認してみてはいかがでしょうか。
あったままの事実を話してしまいますと、投げた子どもも自分の事だと感じてしまうでしょうから(心が傷つく恐れもありますね)、多少のフェイクを加えたり、人形を使ってトラブルを演じる等して、客観的に考えられるよう工夫すると良いかと思います。
そして、園内のどこで怪我が起きやすいか、どのような怪我が起きやすいかを把握しておくことも重要だと考えます。
特に異動した年には昨年度担任をしていた先生に子どもの様子を伺ったり、園内の様子(怪我が起きやすい場所)を実際に確かめておくと良いかもしれません。
下記の資料は内閣府の「危険地図」となります。
イラストで分かりやすく記載しておりますので、ご紹介いたしますね。
危険地図|内閣府(1)(リンク切れ)
危険地図|内閣府(2)(リンク切れ)
また、過去に当お悩み相談で「園での事故を防止するポイント」についてご相談を受けたことがありますので、こちらもあわせてご紹介いたします。
事前に事故が起きないよう、可能な限りの排除をしたにも関わらず、怪我が起きることもあるかもしれません。
そのような時には、まず一番に子どもや保護者のケアを行いながら、起きた怪我を悔いるだけではなく、「どのようにしたら怪我が起きないようになるか」今後に繋がるよう考えていくことが必要だと感じます。
少しでもお役に立てたら・・・と願ってやみません。
お気持ちが晴れるきっかけとなりますように。
丁寧に詳しく相談にお答えいただきありがとうございます。
一人で保育をする体制のこともあり、より責任を感じてしまっていました。
これからは合同保育の体制をとり、複数の目で保育ができるような体制を整える等の工夫を自分でもしたいと思います。
また、他クラスの子についても理解できるよう、自分から他クラスの先生に声を掛け子どもの理解に努めたいと思います。
今後に繫がるよう考えていくこと、どうしても後悔することが多くなってしまっていたので、次に活かす気持ちで保育をしていきたいと思います。
ありがとうございました。
一人での保育は、確かに子どもを一人で見ることを考えると、より大きな責任を感じることと思います。
ですから「複数の目で保育をする」ことは、さらなる子ども達の安全の確保にもつながりますし、とても素敵な考えだと思いますよ。
複数の保育士で子どもを見守ることで、子どもを様々な視点から理解することも出来ますね。
是非実践していただけたらと願っております。
不安が解消されますように。
この仕事が好きなので、続けられるように頑張ります。
ありがとうございました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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