現役の役所の中の人(保育行政担当)にリアルな話を聞いてきた!!

2017年3月4日

市役所 中の人 保育行政担当者 裏事情 わかること

こんにちは、うしさんくまさん(保育士&社会人歴のべ24年)です。

私は元保育士なので、周りには保育関係者が多いです。今回は現役の役所の中の人(保育行政に携わる人)の話を聞いてきました。役所で働いているからこそわかる、良い保育園の見分け方!なんてのも明らかになりましたよ!

大きい地方都市ほど力を入れている!

区や市の規模が大きくなると、それだけ動かせるお金も大きくなります。

東京都が保育士の給料を上げる!といって話題になっていますが、これも東京都にお金があるからできること。

同じように、市区町村が独自に保育士に向けて手厚くしていくことはありますが、それもお金がどれだけあるか?に左右される部分が大きいようです。

とある地方都市では、勤続年数や保育園での働きに応じて地方自治体で表彰を行い、数万円の商品券を配る。なんてこともしていることもあるそうです。

また、その市で働く保育士さんの引越し費用を負担(貸付ですが、数年働いたら返済しなくていいというもの)をしたりもしています。

そういった意味で、行政からの手厚さ=保育士の待遇の良さは、都市の規模にある程度比例します。

1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)や、地方大都市(大阪、名古屋、福岡)を狙ったほうが、待遇の良さが期待できます。

給料面

行政マンだから色々な保育園の給与とか見るわけですよね。

特に保育は行政からの補助金で運営されている部分も多いので、その辺はシビアです。

で、昨今の流れで行政から保育園には、なるべく補助金を多く出すような動きになっています。

保育士の給料を少しでも多くしよう!ということです。

これは保育士一人あたり、いくらという補助金です。

ですから、給料が良い保育園は良い保育園!というのは実は結構正しかったりするんだとか。

やっぱり、保育の質って、保育士の質とほとんどイコールです。

(教材がどうか?とか、遊具がどうか?というのもありますが、人間の質に比べたら誤差みたいなもんです)

だからこそ、重要な部分である、人、人材にどれだけ投資できるか?=給料を上げられるか?そこはしっかりと見た方がいいんです。

もちろん、保育園はガンガン儲かるようなビジネスではありません。

年収1,000円ほしい!とかは、現実的ではないですよね。

給料がいいか?というのは、周りの保育園と比べて、とか、同じ県の保育園と比べてとか、そういう基準で考えてみましょう。

社会福祉法人がいいか?株式会社いいか?

これ、結構気になっていたんですよね。だから聞いてみました。

答えは「どちらとも言えない」だそうです。

というのも、社会福祉法人だから「非営利で、社会のために!」という強い信念【だけ】でやっているかというと…。

そうとは言い切れないようで…。

あくまで極々一部です。と前置きしますが、、、

法人の経費で宝石を買っていたり…。

卒園式の日程を理事長の一存で変更して、役所に大クレームが来たり…。

全部そうだなんて、思わないでくださいね。

ただ、社会福祉法人=社会のため!だから良い!株式会社=金儲け!だから悪い!みたいなステレオタイプでは語れない現実があります。

もともと、社会福祉法人って土地を持っている、いわゆる地主じゃないとやれないようなところがあります。

(保育園を作るのにお金がかかります。もちろん、自分で働いたお金で始める人もいます)

で、地主で土地も金もあるから保育園でもやるかー、みたいな場合…。

そうなると、上で書いたみたいなこともありえるんですね。

また、それぞれの区や市によって、社会福祉法人が多いところ、株式会社が多いところもあります。

これは単純に社会福祉法人が元々多い地域だったすると、株式会社が参入する前に社会福祉法人が保育園を作っちゃう。

ということもあるそうです。

東京は株式会社が多いですね。これは社会福祉法人の数よりも更に保育園ニーズが多いためです。

自治体により、それぞれ。ということです。

もう一つ。最近は株式会社の新規参入が話題になっていますが、社会福祉法人も保育園の新規参入しています。

社会福祉法人で新規参入?私も最初は意味がわからなかったのですが。

社会福祉法人は全部が全部、今まで保育園をやっていました!というわけではありません。

今までは『介護をやってました』『幼稚園をやっていました』『病院をやっていました』

そういうところが『新規に保育園を始めます!』という場合があります。

そうなると、社会福祉法人としての運営実績はあるけれど、保育園の運営は完全に手探りであることも。

これも一長一短。イチから作り上げていく楽しさと、イチから作り上げていく大変さ。

どちらがいいとはいえません。

ただ、社会福祉法人=保育園運営のベテラン!という意識はちょっと違うぞ。と覚えておきましょう。

給与面も社会福祉法人がいいとか、株式会社がいいとか、一概にはいえません。

ただ、社会福祉法人は税制面で優遇されています。

また、社会福祉法人は借り入れは、金利の低い独立行政法人福祉医療機構から借りることができる。というメリットもあります。

いずれも直接保育士の給与に関係する話ではないですが、少し社会福祉法人のほうが有利。というのはあるようです。

潜在保育士の問題

潜在保育士、とにかく求められています。

どうやって潜在保育士を掘り起こすか?

ここが本当に課題になっているようです。

若い保育士さんを集めることも大事です。

でも、同じ市や県の中で保育士さんを取り合っても、子どもを預かることが人数は、市や県の単位では変わりません。

だったら、潜在保育士さんにどうやって保育に戻ってきてもらえるか?

ここは本当に悩んでいるし、力を入れたいところだそうです。

潜在保育士のそこのあなた!ぜひ、戻ってみませんか(笑)?

ちなみにこちらは、潜在保育士ではありませんが、働き方に制限がありながらも、理想の職場に転職された体験談。

潜在保育士の方には是非参考にしてもらいたいです。→保育士バンク体験談・実話|ピアノ講師→保育士の転職を成功させた!

また、多くの保育士さんはその他の仕事での経験があまりなかったりします。

そうなると、復職、復帰先として、保育園は非常に選択しやすい選択肢です。

子ども育てながら、いきなり未経験の事務職をするのは、ハードルが高いですよね。ましてや正社員となると…。

でも、保育士だったら正社員(正職員)を目指すことも難しくないです。戻るとしたら、保育士がベスト!ですね。

裏事情を知るからわかる、良い保育園の見分け方!

見学すべし

まず、大前提として、見学ができるなら見学をするべき!ということ。

これは、職場の雰囲気で良い園、悪い園がわかることがあるためです。

その時に注目したいのは、保育士の子どもへの言葉がけ。

話し方がどうか?子どもの行動のどんなところを注意しているか?とか。

そういうところをみると、「あ、この関わり方、自分も同じだ(=だから合いそうだ)」とか「こんなことで叱るなんてありえない(=だから合わなそうだ)」ということがわかります。

園長や主任とは話の雰囲気だけではなく、どんな考えを持っている人か?ここに注目するようにしましょう。

空気感が自分と合いそう、ということも大事です。

ただ、園長や主任はその園をまとめる立場でもあります。

「性格は悪くないだけど。。。頼りないんだよね。。。」という人もいます。

だから話をしてみて、考え方がしっかりしているかどうか?ここに注目するべきです。

例えば、「私は外遊びは子どもの発達にとても大事だと思っています。園長先生はどのようにお考えですか?」などと、質問をぶつけてみましょう。

園長、主任クラスであれば、それなりの保育観があるはずです。

でも実際には「そうねー、外遊びは大事よね!」程度の答えしか返ってこなかったら…。

悪い人ではないかもしれませんが、頼りにはならない、ということがありえると思っておきましょう。

ここで度々、園長、主任と書きましたが、やっぱりこの二人との相性は大事だそうです。

特に社会福祉法人になると、園長と主任が親子ということもあり、そうなると、保育園のカラーはこの二人で決まる。といっても過言ではありません。

そしてこの二人と合わなかったら…。目も当てなれないですね。

だから、園長、主任と合いそうか?ということは見学や面接などでしっかりと話しをして、確認をしていきましょう!

保育士の年齢

新設の新しい保育園ならまだしも、普通の保育園なら歴史があります。

そして離職率が低ければ、経験の長い先生もいれば、それなりに短い先生もいる(離職率が0はありえないので)。

すると年齢構成が広いということになります。

園長と主任がおばちゃん、おばあちゃんで、後はみんな新卒、みたいな保育園はちょっと危険でしょう。

更にいうと、40代で結婚していて、子どももいます。

という人が担任をやっている保育園も良い保育園といえるとのこと。

というのも、これって産休、育休があるってことですよね。

もしくは、それらが落ち着いたから復帰した人(まさに潜在保育士)を採用しているのかもしれませんが。

いずれにしろ、新卒一辺倒ではなく、色々な人を採用しようという園ですから、良い保育園と見て問題ないです。

また、産休、育休については面接の時に聞いてしまうのもありです。

「今すぐは考えていませんが、できれば長く保育園で働きたいと思っています。産休や育休は取れますか?」と聞いてみましょう。

「うちの保育園では、みんな産休、育休を取っていますよ」と答えてくれるなら、それだけ働きやすい園といます。

「とってほしいとは思っているんだけどねぇ…」なんていって濁されたら?

実際は取れない保育園でしょう。これだけで悪い保育園!と断じることは出来ませんが、そういう部分には力を入れていない保育園だと考えられます。

給料

上にも書いたように、給料がいい=人材を大切にしている=良い保育園である可能性が高い!となります。

少ならからず、給料が良いところで悪いところは少ないとのこと。

そもそも、人生お金じゃない!とはいったとしても、同じ仕事のハードさなら、給料が良い方が不思議と耐えられるものです。

だから、給料の多いところを選ぶというのは間違った選択ではありません。

一つ面白いポイントは【給与テーブルに注目してみる!】ということ。

ほとんどの保育園では、初年度はいくら、何年勤務でいくら昇給。主任になったら手当はいくら?ということが、社則などで決まっています。

ですから、最初高いけど、ずっと同じか?ちゃんと上がっていくようになっているか?

ここに注目すると、「長く働くことを前提としているか?=職員を大切にしているか?」これがわかるんです。

ただ、給与テーブルを見せて下さい!とはなかなかいえません。

だからこそ、こういう時に保育士の転職サイトのキャリアコンサルタントを上手く活用して下さい。

保育園の良し悪しに関係ないもの

  • 近所、保護者の評判
  • ホームーページに書かれている理念

これは関係ないそうです。

そりゃそうですね。ご近所さんと上手くやっているからといって、保護者から評判だからといって、保育士にとって素晴らしい園とは限りません。

あなたは保育士としてその保育園に入るわけですから、参考にするべきは「保育士からみて良い保育園」という視点です。

また、ホームーページはあくまで広告用、みたいなところがあります。

理想はいくらでも画面で語れます。

汚いホームーページよりはいいかもしれませんが、期待は禁物。参考程度にしておきましょう。

多数展開する保育園について

同じ法人でたくさんやるのはあまりいい方向で早いかなぁ。とのこと。

これは考え方次第だとは思いますけどね。

日本の保育を変えたい!日本の子どもたちに私の教育を与えたい!

といった強い理念のもと、保育園を沢山作る!ということもありえるわけで、そうなると、沢山展開しているところが悪いとは言えません。

ただ、沢山作ればそれだけ儲かるわけで、そのあたりのバランスをどう取っているのか?という点は注目したほうが良いかもしれません。

園長と理事長の関係

園長と理事長が親子、なんてのはまだいいほうかもしれません。

園長が雇われていて、理事長の言いなり(理事長のワンマン)だったりすると。

理事長の意見で園の方針がコロコロ変わったり。

理事長の鶴の一声で、今までの行事の準備が全て水の泡になったり。

そういうことがありえます。

雇われている園長が悪いということではありません。

ただ、理事長と園長の関係はしっかりと確認しておきましょう。

株式会社にしろ、社会福祉法人にしろ、ホームページがありますからそこで確認してみましょう。

また、雇われ園長で気になるようなら、キャリアコンサルタントに「理事長と園長の関係はどうですか?調べてくれますか?」と聞いてみるといいですよ。

まとめ

給与テーブルに注目する、なんてのは、沢山の保育園を見ている行政マンならではの視点!と、私も驚きを隠せませんでした。

そして今、保育士不足は相当深刻なようで、友人を見ていてもその様子がひしひしと伝わってきました。

保育士人材は完全に売り手市場(転職する人が有利(選び放題))です。

そして行政マンから見ても給与がいいところは良い保育園である可能性が高い!とのこと。

ぜひ、今の職場に不満があるなら、転職をして環境を変えることを検討してみてくださいね。

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ほいくのおまもり

サイト管理人夫婦の夫の方。保育士を3年勤めた後、営業や経理、自営業など幅広い仕事をして社会人14年目。異色な人生経験を少しでも役立てたいと思いから、2016年4月にこのサイト立ち上げました。3児の父でミニマリストの読書好きです。好きな言葉はLess is more.

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