こんにちは、モモンガ(自然大好き保育士)です。
今回は2歳児の保育についてまとめています。
魔の2歳児、イヤイヤ期。
2歳児と言えば、ネガティブで大人を困らせるイメージが強いです。
しかし、この記事を読めば、一見するとそんな分からない2歳児も「ああ、そうだったのか」と納得できます。
保育するときに眼のつけるポイントも盛り込んでいますので、是非、読んでみてください。
2歳児向けの保育ネタ♪
2歳児の発達段階を整理しよう
【この章のまとめ】
- 2歳児は視野、認知、身体、手指の発達が飛躍的に向上
- 飛躍的な発達から真似することが顕著にみられる
- 自己を客観視できると、共感やプライドの発生がみられる
身体的な特徴と基本発達の整理
※2歳児の発達には個人差が大きいので、発達の特徴に当てはまらない子どももたくさんいます。
身長・体重
2歳0か月の平均身長はおよそ84cm。
この1年で8㎝平均して伸びます。
体重は12kg前後が平均です。
運動機能
走る、跳ぶ、よじ登るなど、横だけでなく、縦の動きも合わせて、立体的で活発に動きます。
手指の操作が発達し、握りながら書くなどができます。
スプーンやペンを握って扱うことができ、丸を描いたり、自分で食事をとることができます。
衣服の着脱
大きなチャックやボタンなら自分で完結することができるようになります。
時間がかかっても、何でも自分でやりきりたい姿が目立つようになります。
排泄
括約筋が発達し、トイレに行きたいと分かるようになり、我慢も多少できるようになります
大人が見て拭くなどのところを除けば、自立してトイレを済ますことができます。
食事
スプーンを上手に使って食べることができるます。
お話しながら、共感しながら食べ進められます。
苦手なものでも、少しは我慢して口に運べます。
清潔
手が汚れていると分かり、自ら気づいて手を洗うことができる。
清潔不潔の概念が芽生え始める。
とにかく真似をしてみる2歳児
自分と他人を認知でき、腕をあげたり、歩いたり、跳ねたり、身体の機能も徐々に充実してくる2歳児。
そうすると動きたい欲求と、好奇心が出てきます。
例えるなら、初めて自転車に乗れた時は、まるで世界どこでも行ける気分になり、色んな所にいってみたくなるものです。
2歳児にとっては自分が動けることで、大きな喜びと、自信が沸くのです。
そんな強い意欲は認知能力の広がりで憧れたものや、なんとなく目に入ったものまで真似しようとします。
「お母さんの料理つくってるまね」
「●〇レンジャー!」
この真似することは発達上、自分を確立するために模索している段階と言えます。
例えるなら、新しい力を得た自分が、どうあるべきか探す旅に出ているように。
できるようになることが増え、自他を認識できるようになった2歳児。
とにかく模倣することで自分を探していく世代と言えます。
ときめいたら動く2歳児
2歳児はとにかく活発です。
そして、世界の中心にはいつも自分がいます。
物語の主人公のよう。
なので、周りがこうだから、こうしようとかではなく、「いいな」と心がうごいたらもう動いてしまいます。
何か好きなことや「かっこいい!」と思ったら、即真似します。
よく、アニメや戦隊ものの必殺技を叫んでいる子どもを目にします。
あれはときめいて模倣しながら自己を確立しているのです。
かっこいい自分でいたい、かわいい自分でいたい。
そんな理想の自分を表現していると言えます。
また、好奇心も旺盛です。
暗くて人が一人やっと通れそうな穴を見つけたとします。
そうすると、何も言われなければ暗い穴なのですが、ここに絵本で読んだ空想の世界の話が記憶に残っていると、たちまちその穴はファンタジーな穴になるのです。
「この穴の先には楽しそうなお茶会が広げられているかも」
「もしかしたらお化けがいるかも」
こういった光景が、文章ではなく画像、映像で頭に浮かんでいるのでしょう。
ストーリーはそれぞれで、ときめいたらとにかく動く。
なりきって、想像して、不思議な世界にどっぷり浸かって楽しめるのが2歳児の面白いところです。
プライドのはじまり
一旦決めたらやりたい気持ちは譲れない2歳児。
大人から何言われようが、間違っていようが、気が向かなくて納得できないことはしません。
ぶつかって、とりあえず「やだ」「~しない」と反対言葉を言います。
その先には全力で拒否、多くの場合は怒りを泣きで表します。
魔の2歳児、イヤイヤ期と言われるゆえんはここにあります。
2歳児は自分と他人を意識して、自分を確立する時期です。
とにかく自分でやってみたい衝動は抑えきれません。
けど、大人がぱぱっとやっているのを見ると、自分よりできるのが分かってしまう。
自分を客観視できるので、大人の言う正当性やできない自分も本当は理解している部分もあるかもしれません。
でも、他人の都合で静止されると、やりたい気持ちはどんどん高まっていく。
できるできない関係なく、自分でやってみたい気持ち。
そんな自分を理解してほしい気持ちにあふれています。
まだ1人ではできることは少ないですが、色々自分の思うままやってみたいし行動したい。
依存しながら自立したがっている。
この一見矛盾した成長過程の狭間で、一生懸命もがいている行動なのです。
褒められるためにやるのではなく、根本的に自分ができるようになりたいからやる。
成長による、達成感を強烈に求める2歳児です。
同じことを同じように楽しむ2歳児
2歳児は自分と他人がいるというのは分かりますが、まだぼんやりしたものです。
目で見えるところ、例えば痛がっている友達がいれば、気持ちを想像して「よしよし」とはできます。
ですが、目に見えない「相手がこう思っているだろうから、こうしよう」なんて理論的な結びつきまではいたりません。
鏡に映る自分は自分である。ということを覚えたばかりですから、自己と他人が認識できるようになった直後と見てあげてよいでしょう。
そこが面白いところで、同じ行動をとることで、同じ感覚を共有することができます。
「美味しいね」「気持ちいいね」共感ができるようになります。
心地よさそうに立ったままゆらゆら揺れているお友達を見て、なんか気持ちよさそうだからやってみる。
それが連鎖していって、みんなでなんか同じことをすると、余計気持ちいい。
この同じ感覚が心地よい、一体感。
音楽のライブなんかでみんなで声を出したり、みんなでウェーブつくったり。
大人になっても、まだ残っているかな?と思います。
2歳児にとって、他人の感覚を自分のものにするのは容易いことで、みんな空気のように溶け込んで、遊ぶことが得意です。
2歳児保育のポイント!
【この章のまとめ】
- 言葉かけは否定ではなく肯定の言葉を使い、共感しながら保育を進めよう
- なりきった空想の世界を保育の材料にし、子どもの間を意識してみよう
- みんなで協力して得られた成功体験を少しずつ積んでいこう
保育をする上で押さえておきたい基本ポイント
「それわがまま?」にはとにかく肯定の言葉
2歳児に対しては、基本「いいよ」肯定の言葉で受け止めましょう。
「今はできない」などの否定の言葉は、2歳児の「私を認めてよ!」という気持ちに拍車をかけるだけです。
否定される=自分を尊重してくれない となってしまうのです。
例えば、服を着たがらない子どもがいるとします。
この時「服を着ないといけないよ」なんて言うとアウトです。
「分かった、着たくないならそのままでいいよ」ととりあえず言います。
もちろん保育士的にはダメなのですが。
その後「じゃぁ、トイレ行ったら着ようか」なんて提案します。
すると結構な確率で「分かった」なんて言ってくれます。
明確な服を着たくない理由があれば、拒否されます。
ですが、何もない場合は自分が認められたことで、2歳児ながら余裕ができて、保育士の要求を受け入れられるのです。
プライドが芽生え始め、否定されると心が頑なに拒否してしまう2歳児。
まずはこちらが肯定して受け入れることで、結果的に保育がしやすくなります。
甘えながら気分によっては自分でやる2歳児
2歳児は何でも自分でやってみたくなる時期ですが、いつでもそうではありません。
あくまで自ら進んでやるのは「気分の向いたとき」
かなりばらつきがあります。
何故か?なのですが、2歳児は甘えながら自立しようとする、矛盾した世界に生きています。
不安な時や、気分によっては思いっきり甘えたくなり、赤ちゃんのように甘えたりもします。
しかし、そう思っていたら、自分で何でもやってしまって、自信に満ちた表情を見せるときもあります。
2歳児は甘えられる環境にあるからこそ、しっかり安心して力を蓄えられます。
そして、自立に向かって色々やってみるのです。
自立には甘えるのが必要不可欠なのです。
なので、「脱がせて~」などの甘えることは「さぼっている」と思わず、「あ、自立のための力を充電しているんだな」と思うようにしましょう。
2歳児の世界に合わせた声掛けを
遊んでいる2歳児に、「さぁ、トイレにみんな行きましょう!」と言っても、すぐには切り替わりません。
2歳児は切り替えが下手なのです。
まだ、自分の興味あることにじっくりのめり込むと、その世界からは抜けられません。
保育士としては、まず子どもを観察し、2歳児の世界に合わせた声掛けをしましょう。
例えば、アンパンマンが好きな子なら「よーし、トイレにいくぞ~アンパンマン」なんて言ってみてもいいかもしれません。
2歳児である子どもが楽しく生活を過ごせるように、演じるのも得策です。
なりきった世界で楽しく遊ぼう
保育士も思い切って、なりきった世界で遊んでみましょう。
2歳児は、想像力豊かで、世界観にすぐ入り込め、そしてその世界観を共有できます。
なので、絵本、映画、アニメなどの空想の世界に入って遊ぶことが大好きで、大得意です。
保育士も思い切ってなりきって「あれ~~ここはどこだ~~??」とか楽しんでみましょう。
子どもからの反応は面白いぐらい、とってもいいですよ。
2歳児は共感力がすごい!共感しながら進めよう
2歳児の共感する力を引き出して、上手に付き合っていくコツは2つです。
- 表面上のルールよりも、「みんなで楽しむためにこうしよう」と提案する
- 「どうしたらよかったかな?」一緒に考える言葉かけをする
まず、1つめですが、並ぶときに「順番守りましょう」と形から入っていませんか?
2歳児はまだ「自分が自分が」の世代で、型にはめられることを結構嫌います。
ましてや、理解できないことならなおさら。
なので、「みんなで楽しくできるように、前にお友達がいたら待ってあげよう」
と、ルールの意味を伝えましょう。
お友達が悲しく泣いている表情から気持ちを読み取って共感できるので、そこを上手く使って必要性を心に訴えるのがねらいです。
次に2つめ。
2歳児への保育は、一緒に考えるようなスタンスで基本進めると良いでしょう。
2歳児は色々やってみますが、失敗ばかりです。
言ってしまえば、保育士を困らせることばかりします。
友達との関係も、自分の都合の良いようにもっていきます。
そんなとき、「こうすればいいよ」と簡単にアドバイスしたり、大人がやってしまうと、2歳児の意欲を削いでしまいます。
喧嘩したときでも、「どうしたらよかったかな」と子どもに考えてもらう、間をもたせる時間をとり、色々想像してもらうことが良いでしょう。
こうすることで、人の気持ちを考えるというきっかけになります。
まさに失敗は成功のもとですね。
協力して得られる成功体験をポツポツ入れる
協力して成功体験を得るというのは、とても2歳児にとって良いことです。
というのも、自分のことを分かってほしい、自分の欲を通したい意志がある一方で、楽しい、嬉しい、悲しい空気感を身体全身で受け入れることができる2歳児。
他人がいることで、一人で困っていることも、みんなで協力するとできた。
結果的に、自己達成のバリエーションが増えることになります。
これは自分の世界で生きる2歳児の扉を開く経験になります。
是非、ポイントあれば狙って保育に取り入れてみてください。
2歳児のあそび
【この章のまとめ】
外遊びと室内遊び。それぞれ大きなねらいのある遊び一つ、小さないつでもできるような遊び2つを紹介しています。
外あそび
なりきり真似っこ走り
基本この遊びは、子どもは保育士の真似をしながら、保育士の後ろについて走ります。
子どもたちが覚えてきたら、子どもたちだけで行っても楽しいかもしれません。
ジグザグの道をつくったり、色々な仕掛けをしておくと、楽しいでしょう。
また、子どもに人気のある絵本などをテーマとして決めておいて、その世界に入ってみるような設定であると想像力が広がり、楽しく遊びこめます。
ここではトンネルをくぐるなど屈む、丸を描いて跳んで渡るなどの跳ねる、マットをひいて転がるなどの動作を入れると、全身へ刺激が伝わり、楽しく運動遊びができるでしょう。
もちろん2歳児ですから、1度に多く設定すると全て覚えられずぐちゃぐちゃになってしまいます。
なので、いくつか案と仕掛けを用意しておき、月替わりでちょこちょこ入れ替えるか、増やしても、飽きがこずに楽しいと思いますよ!
ねらいとしては大きく3つ。
- 色々な動きを経験し、全身を心地よく楽しく動かす
- 友達と感覚を共有する
- テーマの世界に入って、想像力を働かせる
●●まで!よーいどん!
例「ブランコまでよーいどん!」と言うと、全員ブランコまで走ります。
目標に向かって、バランスを取りながら楽しみます。
まてまて鬼ごっこ
保育士が子どもたちを「まてまて」と追いかけます。
捕まえるときは抱きしめて、捕まえられても楽しい鬼ごっこです。
最後には子どもたちみんなで保育士を捕まえに行っても楽しいですよ。
室内あそび
新聞紙プール
大きなビニールプールと、新聞紙をたくさん用意します。
チラシや手触りの違う紙があっても良いでしょう。
みんなでびりびりびり!!破ります。
ここでは手指と腕の操作を体験します。
捻ってちぎることで、雑巾しぼりにも通ずる効果があります。
とにかくちぎるだけ、単純な作業に没頭できるので、おしゃべりが好きな子も、やりこみたい子も、みんなで楽しめるのが良い所です。
ビニールプールの中で頭と頭がゴチッとぶつからないように、1度に入る人数制限を決めておいたり、子ども自身にも「頭と頭がぶつからないように前を見てね」と、できればイラスト付きで自己防衛できるように話しましょう。
もちろん2歳児ですから、それを忘れてキャッキャ楽しむのですが、最初に言っておくのとおかないのでは違いが出ます。
新聞紙を食べる子がいるかもしれませんので、誤食には注意しましょう。
ビニールプールが小さければ、複数用意するか、破くのは保育室で破き、それをまとめてビニールプールに投げ入れるような遊びでも楽しいでしょう。
多分、男の子はブルドーザーなどになりきると思います。
入れたらとにかく遊びましょう。もぐったり投げてみたり。
2歳児ならではのなりきりの姿やコミュニケーションの姿が見られるでしょう。
さて、最後にねらいを整理します。
- ちぎる動作から手指の刺激を与え、巧緻性を育む
- なりきってみたり、色々なかかわり方を楽しむ
風船遊び
室内でボールは難しいですよね。そんな時に代用できるのが風船です。
これならふわっと上がってみている方も安心できますよね。
結構すぐに割れたりしてなくなってしまうので、たくさん購入しておくと良いでしょう。
お絵描き
塗り絵が流行りそうなら塗り絵。
とにかくペンで描くのがあってそうならば白い紙とペンを。
たまには絵の具を使ってダイナミックな色混ぜ遊び、色塗り。
活動としてボディペイントも楽しいかもしれません。
時間と子どもの姿に合わせて楽しめる形を提案してみましょう。
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おすすめの絵本、歌、手遊び
2歳児にはシンプルで絵を見れば何をしているか?分かるくらいの絵本が良いでしょう。
各リンクに試し読みができるサイト(ehonnavi)を貼っていますので、是非どうぞ。
おたすけこびと
試し読みはこちら(ehonnaviが開きます)
働く車が沢山出てきます。小さい小人が大活躍。
小人ひとりひとり細かいところまで描かれているので、読み返しても楽しい作品です。
ぞうくんのさんぽ
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ぞうくんにかばくんが乗って、その上にわにくんが乗って・・・
「次は?」「次は?」
そんな気持ちに引き込まれる絵本です。
ぜったいにおしちゃダメ?
試し読みはこちら(ehonnaviが開きます)
やるなと言われたらやりたくなりますよね。
そんな心をくすぐった参加型絵本です。
仕掛けいっぱいなので、保育士も楽しんでください。
そのほかの絵本、歌、手遊びはこちらからどうぞ♪
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【2歳児向け】保育士コンテンツまとめ
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まとめ
2歳児は認知力、身体力も向上します。
その結果、真似したり、自分を客観視してプライドが出てきたり、他人と気持ちを共有したり、より社会的になってくる年代です。
今まで前、後ろ、横だけだったのが、高いところへ登って見渡したり、世界が広がっていきます。
そんな好奇心の源は安心感。
大好きな保育士にしっかり甘えて、しっかりやってみる。
3歩進んで2歩下がるような2歳児を受け止めて保育したいですね。