こんにちは、はなうたです。
今回は乳児期の1年間のおおよその発達の目安と関わり方についてです。
乳児期は数か月の月齢の差でも発達に大きく差が出る事があります。
この記事は
- 初めて乳児と関わる人
- 乳児期の発達の目安や関わり方を知りたい人
- 乳児保育に興味がある人
に向けて、ぜひ読んでほしい内容となっています。
この記事の見方
なお、この記事では、
- 大まかな発達の目安
- 関わりポイント
- 豆知識
をそれぞれご紹介しています。
もっと発達の細かいところを知りたい方は、こちら↓をご覧ください。
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【超完全版】全学年(0〜6歳児)の発達の道筋(生活習慣/心と身体の発達)
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基本的な生活習慣と心と身体の発達のそれぞれの詳細を取り上げています。
2か月~3か月
話し掛けたり、あやしたり、触れ合いを楽しみましょう。
発達の目安
- 昼夜の区別がつくようになる。
- 動いている物を目で追うようになる。
- 満幅の感覚がわかるようになる。
関わりポイント
- 時々たて抱っこをしてあげると、周りが良く見えて喜びます。
- 手遊び歌を歌いながら、手足を動かしてあげたり、玩具を目の前で動かしてあげたりして遊ぶのもおすすめです。
- 「あー」「うー」と赤ちゃんが声を出したら同じように返事をして会話を楽しみましょう。
- 心身を刺激し、五感を育てるために、雨や雪が降っていない日は積極的に外気浴をしましょう。
ハンド・リガードってなあに?
この時期になると、自分の手をじっと見つめたり、もみ手をするように体の前で手を合わせたりするようになります。
このような行動を【ハンド・リガード】と言います。
自分の手を見つめることで、自分に体があるという事を発見しているのですね。
そのうちそれがよく動くことに気付き、やがて赤ちゃんは自分で自分の体を動かすことが出来ることがわかっていくのです。
4か月~5か月
睡眠やミルクの時間が決まってきて、生活リズムが作りやすくなる時期です。
発達の目安
- ミルクをほぼ決まった時間に飲むようになり、生活リズムを整えやすくなる。
- ミルクの遊び飲みや飲みムラが出てくる。
- 玩具を握って振り回したり、口に持っていったりする。
関わりポイント
- 家庭と連携を取りながら、睡眠やミルクの時間を考え、少しずつ生活リズムを整えていきましょう。
- この時期は音の面白さを感じるときです。音の出る絵本や、音に関する言葉やリズムの面白さがあると楽しくなります。
- お散歩では、音を意識した言葉掛けをしてあげましょう。
- 握る力がついてきて、握るのが楽しいころです。やわらかくて握りやすい物を用意してあげましょう。
- ゆっくりと体を動かす遊びを通して、体の動きに興味を持ち、自分の体の部位への認識につながります。
ベビーベッドとねんねのポイント
ベビーベッドは事故が起こりやすい場所です。
柵を下げた状態での転落、やわらかい布団やぬいぐるみによる窒息など、命の危険を招くリスクもあることを理解しましょう。
スタイをしたまま寝てしまうと、首をしめつけてしまう可能性があるので寝かせる前に必ず外します。
6ヵ月
消化器官の機能が整ってきて、離乳食が始められるようになります。
発達の目安
- よだれが多くなるなどのサインが見られたら離乳食スタート。
- 寝返りをするようになる。
- 人見知りや夜泣きをする子もいる。
関わりポイント
- 寝返りを始めたばかりの頃は、一方向にしかできなかったり、上半身の下になった腕が抜けないこともあるので、注意して見守りましょう。
- この時期は、言葉の繰り返しに反応を示します。音のリズムが楽しい擬音が出てくる絵本などがおすすめです。
- 取れそうで取れない位置に玩具を置き、興味を誘います。手を伸ばした流れで寝返りができ、取りたかったものが取れたらとても嬉しく意欲が育ちます。その時は沢山ほめてあげましょう。
- 散歩に出たら時にはベビーカーから降ろして、色々な物に触れたり、公園の遊具にも触れてみましょう。
- しっかりと体を支えながら、滑り台の途中に座らせてみるのもおすすめ。この先の公園遊びにつながります。
離乳食開始の判断材料は?
- 首がしっかり座ってきた。
- 保育士に支えられてお座りができる。
- 食べ物に興味を示している。
- 子どもの下唇の上にスプーンを乗せても舌で押し出すことが少なくなる。
7か月~8か月
お座りが安定し、手指の動きが更に発達する頃。手遊び、まねっこ遊びなど、両手を使った遊びを楽しみましょう。
発達の目安
- 親指とその他の指で積み木などを掴めるようになる。
- 豆腐くらいの固さのものを食べられるようになる。
- お座りで遊んだり、ずりばいを始める。
関わりポイント
- お座りが安定してくるので、両手を使って遊ぶようになります。玩具を差し出して“とりっこ”をしたり、ボール遊びをしたり、手遊びなどで遊びましょう。
- 「はい、どうぞ」「ありがとう」と物をやりとりする遊びに興味を示します。好きな玩具を渡してあげることから始めてみましょう。
- 繰り返しが楽しい時期。ティッシュの空き箱に布をつなげて入れておき、つまんで引っ張り出せるようにしておくと、繰り返し遊びます。
- 病気に対する免疫が切れてくる頃。風邪や突発性発疹などで、高熱を出す赤ちゃんも増えてきます。保護者と情報を共有しながら、体調に合わせて生活していきましょう。
どうしてなんでも口に入れてしまうの?
赤ちゃんが口に物を入れるのは、赤ちゃんにとって比較的感覚が敏感な口の中で、物の形や固さなどを認識するためと言われています。
誤飲事故を防ぐために、赤ちゃんが遊ぶ玩具の中に飲み込んでしまうような物が無いか確認しましょう。
また、安心して遊ぶために消毒作業も大切です。
9か月~10か月
行動範囲が広がるので、いたずらや危険防止にいっそうの注意をしましょう。
発達の目安
- はいはいが上達し、つかまり立ちをする。
- 自我が芽生え始め、抱っこをせがむなど意思表示をするようになる。
- 愛着心が更に強くなり、人見知りがピークになる。
関わりポイント
- コップで飲む練習を始められる時期です。最初は保育者が手を添えて、赤ちゃんの喉の動きを見ながら、コップをそっと傾けてあげましょう。
- この時期は物よりも人に興味を持ち始めます。話し掛けながらやりとりを楽しむことで、コミュニケーション力や言葉の発達が促されるので、たっぷり関わってあげましょう。
- まねっこ遊びができるようになります。バイバイやバンザイなど、よくする動作を取り上げて、それを保育者が楽しそうにやって見せましょう。
- 保護者と連携をとりながら、規則正しい生活リズムを作っていきましょう。離乳食と離乳食の間は3~4時間以上、3回目の食事はできるだけ19時までには食べ終わるのが目安となります。就寝時間が遅い時は、朝しっかり起こして朝日を浴びさせることが早起きリズムに戻すコツです。
お座り・ハイハイの頃の危険ポイント
お座りができるようになると、赤ちゃんの世界は床から約30cmがメインになります。
これはちょうどローテーブルの上に置いてある物が気になる目線のため、事故の危険性が高まります。
更にハイハイができるようになると行動範囲が広がり、知らぬ間に危険なことをしている場合があるので目を離さないようにしましょう。
11ヵ月~1歳
言葉を介しての簡単なやり取りができるようになる頃。言葉でのコミュニケーションを大切にしていきましょう。
発達の目安
- 伝い歩きが上手になり、手を離して立てるようになる。
- 昼寝が一日一回になり、起きている時間が長くなる。
- 好き嫌いや食べむらが出てくるようになる。
関わりポイント
- 欲しい物や行きたい方向を指差ししたら、「○○したいのね」と、要求を言葉にしてあげましょう。要求が分からない場合も「何が欲しいの?」と問いかけるようにし、コミュニケーションをとっていきましょう。
- 好き嫌いや遊び食べが始まったら環境を見直してみましょう。食事に集中できる環境でしょうか、食事の量は適切ですか?調理員さんと相談しながら味付けや野菜の形状(持って食べられる形など)を変えてみるのもいいですね。
- この時期は、シールはがしなどの指先を使う遊びや、壊す楽しさを感じる積み木くずしなどの遊びがおすすめです。
ファーストシューズの選び方
あんよができるようになったらお散歩用の靴を用意してもらいましょう。
ファーストシューズの選び方
- つま先に厚みがあり、反り返っている。
- 面ファスナーでしっかり留まる。(スリッポンはNG)
- 履き口が大きく開くものが履かせやすい。
- 適度に底に弾力がある。
- かかと部分がしっかりしている。
1歳~1歳3か月
一人歩きができるようになったり、意味のある言葉を話すようになります。
発達の目安
- 栄養のほとんどを食事からとるようになる。
- “ママ”など意味のある言葉を話せるようになる。
- 自分を主体とした考えが育ち、自己主張が始まる。
関わりポイント
- 一歳以降は発育が緩やかになるため、食事の量が減ってしまうことがあります。保護者が心配している場合はそのことを伝え、本人のペースで身長と体重が増えていれば様子を見ていきましょう。
- 自我が芽生え、自己主張がはっきりとしてきます。泣いたり怒ったりしながら自分の意志を伝えようとするのは心の発達の大切な一過程です。穏やかな気持ちで受け止めていきましょう。
- 言葉の発達を促すために、子どもの声に返事をしてあげましょう。大人が反応することで子どもはコミュニケーションをする喜びを感じ、伝えようとする意欲が育ちます。
危険の伝え方
歩けるようになると、好奇心の赴くままにあちこち動き回ります。
1歳代の“危険”を伝える3つのポイント
- “危ない”という表情と態度。真剣な表情で伝えるとともに、体ごと強く抱きしめて止めるなど態度で示します。
- 「危ない」という言葉掛け。例えば、熱い物を触った時に「あちちだったね」と結果としてどうなったかの説明も加えましょう。
- 仮定や過去の話しをしてもまだ理解できません。その場で危険を伝えることで、“今したことは危険”と理解します。
1歳4か月~1歳6ヵ月
自己主張が更に激しくなる頃。ごっこ遊びが楽しめるようになります。
発達の目安
- ほとんどの子が歩けるようになり、小走りをする子もいる。
- 積み木を積むなど指先で力を加減するこまかい動きができるようになる。
- 想像力が豊かになり、おままごとなどのごっこ遊びが楽しめるようになる。
関わりポイント
- 大人のすることを真似したがるなど、自分でやりたいという気持ちが強くなります。上手くできなくてもできるだけ自分でやらせてあげると、少しずつやり方を覚えていきます。
- 食事では手づかみ食べが中心ですが、興味を持ち始めたら、スプーンやフォークの使い方を少しずつ伝えていきましょう。
- 宅配便ごっこでお片付けや、「いないいないばあ」をしながら着替えをしたりと、遊び感覚で生活習慣が身に付くような関わりができるといいですね。
生活習慣を身に付ける(着替え)
なんでも「自分で!」とやりたがる時期です。
まずは、子どもにとって動きやすく着替えがしやすい衣類を用意してもらうことから始めましょう。
- 少しゆとりのあるサイズの服
- ズボンはタイツやデニムなどぴっちりした物はNG
子どものやりたい気持ちを尊重しながら、ゆっくり見守ります。
出来ない部分だけをさりげなく手伝う事ことで、「できた!」の達成感が味わえるようにします。
1歳6ヵ月~2歳
大人と同じことをしたがり、手伝いやごっこ遊びが盛んになります。
発達の目安
- 二語文を話せるようになり、気持ちを言葉で表現するようになる。
- ごっこ遊びや見立て遊びが楽しめるようになる。
- 大人の真似が上手に出来るようになる。
関わりポイント
- 癇癪を爆発させた時は、まずは気持ちを代弁して落ち着かせましょう。
- 幼児食に進みます。大人に比べると消化機能は未発達なので、やわらかさと薄めの味付けを心掛けましょう。
- よく遊び、よく食べ、よく眠って生活にメリハリをつけましょう。
- トイレに誘い、少しずつトイレトレーニングを始めましょう。
ごっこ遊び・見立て遊び
おままごとなど、何かになりきって遊ぶのが【ごっこ遊び】と言い、積み木を車に見立てる。ぬいぐるみを赤ちゃんのように扱うといった本来の姿と違う物に見立てて遊ぶことを【見立て遊び】と言います。
いずれも想像力がつくことでできる高度な遊びです。
2歳~3歳
自立と甘えの間で揺れる気持ちを受け止めながら過ごしましょう。
発達の目安
- その場でジャンプができ、乳歯が生えそろう。
- 自分で何でもしたがる。
- 友だちと一緒に遊べるようになる。
関わりポイント
- イメージの世界に入り込んで遊べるようになります。ごっこ遊びやなりきり遊びなど、想像力を膨らませるような遊びを展開していきましょう。
- 自分が思ったように出来ないと癇癪を起す一方、出来た時は達成感で満たされます。意欲が育つようなさりげない援助を心掛けましょう。
- 子どもと一緒に野菜や植物を育てることで、五感を刺激したり、育つ喜び、命について感じるきっかけになります。一緒に収穫して食べる体験は、野菜嫌いを克服するきっかけになることもあります。
イヤイヤ期
2歳代は自立心が強い反面、言葉で自分の気持ちを上手く伝えられず、「いや!」を繰り返すようになります。
しかし、これは子どもなりの理由があっての行動です。
どうして嫌なのか気持ちに寄り添って、穏やかに対応していきましょう。
まとめ
乳児期は日々成長していると言っても過言ではありません。
子どもたちの成長をそばで見守る私たち保育者は、一人ひとりの発達を理解し、個々に応じた関わりを心掛けていきたいですね。
『参考図書』