自閉症の子供に指示を拒否されてしまいます【保育士お悩み相談|第225回】

2019年7月19日

こんにちは、ほいくのおまもりです。

今回の相談者からのお悩みは、『自閉症スペクトラムの子供に指示を拒否されてしまいます』というご相談。

回答者のほいくのおまもりは『まずは子供の様子をよく観察し、今までの関わり方も把握した上で、一つずつ対応策を実践してみましょう』とアドバイス。

どうぞ、御覧ください。

保育士お悩み相談(LINE)

こまりん
【性別】女性
【年齢】30代
【保育士経験年数】12年
【一番解決したいこと】自閉症スペクトラムの子供に指示を拒否されてしまう
【相談文】
移動して早2ヶ月、最近の悩みが自閉症スペクトラムの女の子がいるのですが、心を開いてないというか、私の指示は拒否してしまうようですが、他の先生の指示は動くようなのですが、周りの先生が言う通り私は舐められてるのか、保育士向いてないのか…毎日悩んでます。気持ちにも波があって、脱力発作みたいな感じで急にやる気を失ってしまったりするのですな、スムーズに指示が入るようにするにはどのように関わればよろしいでしょうか?
ほいくのおまもり
こんばんは。

ご相談内容、拝見いたしました。 

女の子とどのように関われば良いのか、悩んでるいらっしゃる様子が伝わってきました。
当方も一緒に対応方法を考えて行きたいと思います。

ただいま多くのご相談を受けておりますため、お辛い中申し訳ありませんが、お時間を頂けたらと思います。

ほいくのおまもり
こんばんは。

お待たせしまして申し訳ありませんでした。

自閉症スペクトラムの女の子(仮にAちゃんとしますね)が、こまりんさんの指示に拒否をしてしまうのですね。
また、気持ちに波があり、急にやる気を失ってしまうとのことで、スムーズな指示が入るにはどのようにしたら良いか、とのことですね。

当方はAちゃんの様子を実際に見てはおりませんので、あくまで推測として返信をさせて頂きたいと思います。
ご相談の回答としては【まずはAちゃんの様子をよく観察し、今までどのような関わり方をしてきたのかも把握した上で、一つずつ対応策を実践していく】ことが良いのかな、と思います。
少々抽象的な表現となっておりますが、「自閉症スペクトラム」という大きな名前の括りでも子供によってその症状は様々で、具体的な表現となると、やはり子供の観察が欠かせないのではと思うからです。
今回は様々な可能性を考えた上で詳細を述べていきたいと思います。

「Aちゃんがこまりんさんの指示を拒否する」、とのことですが、もしかしたら現在の園に就いて日が浅いこまりんさんに(以前頂いたご相談で今年度4月より働き始めた、とのことですので)現時点で関心を持っていない、または今まで見知った先生に対して強いこだわりがあるからかもしれません。
もしくはこまりんさんの指示の出し方がAちゃんにとって難しいのかもしれません。
色々な可能性が考えられますから、まずは「なぜだろう」とAちゃんを理解するつもりでよく観察し、様々な対応を試みれば良いのではと思います。
もし不快な様子を示したのでしたら、その方法はAちゃんにとって合わないものと言えるでしょうし、少しでも反応をすれば、その方法がAちゃんにとって興味のあるものだと言えるでしょう。
ですから、反応が良いものを繰り返し行っていけば良いのではと思います。
また、去年まで担任だった先生に具体的な指示の掛け方を伺い、同じ指示の掛け方をしてみるのも良いかもしれません。
児童票を見ることで過去の記録を遡るという方法もありますね。

指示の掛け方としましては、言葉で説明するよりも写真や絵カードで指示を出してみると良いかと思います。
視覚的に次にするべき行動が分かるので、理解がしやすいのではと思います。

そして、簡単な言葉で、ゆっくりと短く、今何をすれば良いのかを伝えてみて下さい。
もし間違った行動を取ったのでしたら「ダメ」と否定的な言葉を使うのではなく、どのような行動をしたら良いのかをシンプルに話せば良いでしょう。
例えば走ってしまう場合は「走ったらダメ!」ではなく、「走ります」、という風にです。
また、良かれと思ってついつい丁寧に説明するとかえって混乱を招くことがあるので注意が必要です(例えば「〜すると危ないから、歩きます」のようにですね)。

同じことを伝える時には伝え方を統一すると指示が通りやすくなりますよ。
例えば朝の身支度の際に所持品の始末をする場面や、着替える場面等では「〇〇を置きます」「着替えます」のように、あくまでシンプルな言葉にとどめ、バリエーションを持たせない方が良いかと思います。

日々の保育の流れは規則正しく進め、もし流れが変わる前には事前に伝えると混乱しにくくなるでしょう。

次に「気持ちに波があり、急にやる気を失ってしまう」とのことですが、その様子についても観察を続け「なぜだろう」と考えてみると良いかもしれませんね。
こちらも様々な理由が考えられます。
体調不良(具合が悪いだけでなく、眠たい・お腹が空いたといったことも引き金になるかもしれません)や、何かに対して不安やストレスを抱えていることも考えられます。
または、直前に身体を動かしたり集中して遊んだりしていたことから体力とエネルギーをすっかり使い果たしてしまったのかもしれませんし、他の人の目が自分に向いたことで緊張してしまったのかもしれません。
逆に、他の人の目が自分に向くように気を引こうとしていることも考えられます。
もしくは嫌な出来事に遭遇した、予想しない出来事が起こった、けれどもどう対応して良いのか分からず、動けなくなってしまったということもあるかもしれません。
色々とあげてみましたが、もし直接的な原因が見つかったのであれば、それを排除していくことで、やる気の継続時間が伸びるかもしれませんね。

自閉症スペクトラムの特徴と保育園での対応|その道では専門家、自分の興味あることに没頭できる

こちらは当サイトの記事ですが、自閉症スペクトラムの特徴と保育園での対応について記載しております。
もしかしたらAちゃんの特徴と通じるものがあるかもしれませんので、よろしかったら参考になさってみて下さいね。

当方も気になりますので、その後の様子を教えて頂けたら幸いです。

こまりんさんとAちゃんの間で、良い関係を築いていけますように。

頑張って下さいね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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ほいくのおまもり

サイト管理人夫婦の夫の方。保育士を3年勤めた後、営業や経理、自営業など幅広い仕事をして社会人14年目。異色な人生経験を少しでも役立てたいと思いから、2016年4月にこのサイト立ち上げました。3児の父でミニマリストの読書好きです。好きな言葉はLess is more.

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