こんにちは!モモンガ(自然大好き保育士)です!
「0歳児ってどうして人見知りするのだろう?」
「そもそも0歳児にどういう意識で関わればいいのだろう?」
特に初めて関わる保育士さんは、戸惑うと思います。
そこで、今回は0歳児を保育について、知っておきたいことをまとめています。
「こうなるのはこういう理由」を書いてありますので、是非読んでみてください。
0歳児向けの保育ネタ♪
0歳児の発達過程を整理しよう
基本的な発達過程
基本的な発達過程を簡単に解説します。
※0歳児は子どもによってとても差があるので、参考程度にしてください
6か月ごろまで
産まれた直後はミルクを飲むとき、排泄時以外はほとんど眠ったままです。
全ての不快感を泣きで表現します。
2か月ごろから段々と覚醒時間が長くなっていきます。1日の中で眠りと覚醒が何度も繰り返され、昼夜の区別が無いぐらいになったころ、安心する表情を見せたり、泣き笑い以外の表情が見られます。
それから身近な大人に対して自分から微笑みかけたり、はしゃいだりできるようになっていきます。
運動面では、手足をピクピク動かす、舌の運動ぐらいしかできなかったのが、顎を使ってミルクを飲みはじめたり、握る、離すが見られるようになっていきます。
首がすわってからは、肘で身体を支え始めたり、動く、座るなどの動作へ向けて発達していきます。
6か月ごろから
6か月頃からは認知、言語の発達が顕著にみられます。
言われていることを何となく理解しはじめます。
また、自ら大人の言っていることを真似したり、連続して話そうとします。
曲に合わせて体を動かしたり、愛想笑いをしたり、道具を使って遊び始めたり、人見知りをはじめたり。
いないいないばぁの面白さが分かるようになったり、「パパ、ママ」と話しはじめたり。
褒められる、叱られることの違いが分かるようになっていき、期待に沿う行動をしようとします。
こうしてたった半年ほどで、色々と文化的になっていきます。
運動面でもハイハイをはじめ、つかまり立ちをはじめ、だんだんと歩行の獲得に向けて発達していきます。
目的のない動きから目的のある動きへ
0歳児は首がすわって、はいはいして・・・という身体的な発達に合わせて、認知面も発達していきます。
原子反射でただ触れたものを握ることから、認知が進むと、興味あるものをもっていけば掴むようになります。
自分で移動ができるようになってくると、自分で興味あるものに手を伸ばすようになり、自主性を見せるようにになります。
これが意欲の芽生えです。
目的ない動きから目的ある動きへ、魅力的だと感じる力を手に入れるのです。
首がすわってくると姿勢も安定させることができ、より物を見るようになります。
観察する力を得ているのですね。
そして、手をのばしてつかんで、とにかく口に入れて、そのものってどんなもの?
かたいとか、やわらかいとか、つめたいとか、感触をつかんでいきます。
まさに感覚で遊ぶ、感覚の世界ですね。
その時保育士が「冷たいね、柔らかいね」と優しく声をかけることによって、共感する心地よさも会得していきます。
感覚の世界は、こういった身体的な発達によって支えられており、全ての発達の土台になっている大切なステップなのです。
ひとみしりは共感力と観察力が根付いた証
感覚の世界で遊ぶ0歳児。
ハイハイをするようになり、色々つかんだりしていくうちに子どもは気づきます。
「この人やこれはいつもあるおもちゃ、知っているもの」
「この人やここの場所、はじめての体験は知らないもの」
知らないものと知っているものが区別できるようになると、何が起こるか?
はじめてのことに不安を覚えます。
つまり、これがひとみしりなのです。
ひとみしりの特徴ですが、初めての場所でも安心できる大人が一緒にいると、落ち着つけますよね。
それは、安心できるものに力を借りて、新しい世界にチャレンジしようとする心です。
これの先に2歳ぐらいから、大人にべったり甘えて力を充電し、ひとりでやってみるという発達が見られます。
自分→人、自分→物から、自分→物→安心できる人のように、2項関係から3項関係へ。
ひとみしりは、共感できる力が身に付いた証とも言えるのですよね。
さて、そうなると一方的に与えられていただけだったのが、指差しなどで与える姿が見られるように。
この力が意志を出したり、物事の見通しへとつながっていきます。
見通しとは、「こうなったらこうなるからこうしよう」などの未来を予想する力です。
ひとみしりが前向きな発達だと言われるゆえんはここにあります。
ひとみしりは、実は内向的に見えて、外交的になるための発達なんですね。
0歳児保育のポイント!
【この章のまとめ】
- 0歳児保育は早く慣れるではなく、今を認める姿勢で取り組もう
- ゆったりやさしく、子どものペースに合わせて心地よさを共感しよう
- 同年代がいることで、適度な不快から生まれるものがある
- 0歳児保育はよく観察し、事故を防ぐためにより安全管理を意識しよう
時間をかけてじっくり慣れよう
当たり前ですが0歳児と保育士は、はじめましてです。
人間同士、初対面から仲良くなっていくには、一緒に過ごす時間がある程度必要ですよね。
慣らし保育は保育士のためにもあると思って、じっくり慣れましょう。
0歳児も保育士も人間です。
等身大の人間として、関わることが0歳児保育をする上では大切です。
ギャンギャン泣かれても、コミュニケーションの1つと思って、じわじわ距離を縮めていくようにしましょう。
よく我々は早くできるようになることが求められますが、特に0歳児保育では逆です。
早いことが偉いわけではなく、今を認められることが0歳児保育には必要なのです。
一人の人間として、今の0歳児と自分を認められることが1歩です。
焦らなくても良いので、ゆったり保育していきましょう。
ゆったりした関わりで一緒に心地よさを感じよう
ゆったりした関わりによって、お互いの心地よさを生み出しましょう。
そうすることで子どもの情緒が安定し、安心してまずは依存できる関係になります。
自分でやってみる、つまり自立するにはまずは依存できる、甘えられる存在が必要です。
0歳児の時期は、この心の基礎をつくる大切な時期です。
身近な大人にやさしい顔で関わってもらい、遊んでもらうことで、嬉しさ、喜びを共有する基礎になります。
やさしさを受けて育った人は、人にもやさしくできます。
「この世界は魅力的なことが沢山あるんだ」という気持ちにさせていけるように、ゆったり、やさしくかかわりましょう。
一人ひとりのペースに合わせて、ゆったりとしたかかわりをもつ。
0歳児の保育は、言ってしまえばもうこれだけで良いのです。
不快な思いも貴重な経験
保育園で得られる友達の存在についてです。
0歳はまだ友達とは認識していません。
しかし、同じような目線の高さと認識力、力をもつ友達は0歳児にとって良い刺激になります。
適度な不快感が0歳児を成長させます。
おもちゃの取り合いがあることで、とられたという不快が生じます。
そんな時、身近な大人をみると、顔を見て泣き出して訴えたりします。
そして受け止められて安心する。
これは子どもの生きる力を表現できたということです。
快、不快がバランスよく存在することで、色々な可能性を生み出すのです。
大人でも、ストレスがないことがストレス状態にあるとはよく言うもの。
適度なストレスは快の状態を作るための要素になるのですね。
0歳児保育はより細やかな安全管理を
0歳児はちょっとしたことでも死亡事故につながります。
何でも口に入れて飲み込むし、ちょっとの段差から転ぶだけでもやわらかい頭を打ち付けてしまいます。
洗面器ぐらいの水たまりに顔をつけてそのまま死んでしまいますし、うつ伏せのまま寝ていると死んでしまうこともあります。
保育士の過失で子どもを死なせてしまった場合、業務上過失致死となり、罪に問われることもあります。
安全管理を徹底しましょう。
保育園などの施設側で対策は積み上げてきていると思いますが、保育士個人が意識しておくことは非常に大切です。
実際、事故が起きるときは一瞬です。
誤飲、窒息、転落、見失いなどの事故に特に気を付けておき、乳幼児突然死症候群への知識をつけておきましょう。
毎日の体調管理から、いつもと違う変化がないか、細かな観察と気づきが必要なので、しっかり見ておく意識をもちましょう。
0歳児のあそび
【この章のまとめ】
0歳児を月齢に分けて、簡単な特徴と遊びを3つずつ紹介しています。
- 0歳4か月ごろまで
- 0歳5~8か月ごろまで
- 0歳9~12か月ごろまで
それぞれの特徴を分かりやすく遊び別にまとめた形になっています。
0歳4か月ごろまで
0歳4か月までは、目はぼやっと見えている状態です。
首がすわっていない状態では、身体の回転もできませんし、自由にあっちやこっちを見ることもできず、認知能力も限られます。
そんな0歳4か月までの子どもは、音によく反応し、身体の感覚で心地よさを感じることはできます。
そこで、音と身体の感覚に心地よく訴えかける、ふれあい遊び、音遊びを3つ紹介します。
抱っこしながらの遊び
抱っこしながら「ゆらゆら」「ふわふわ」声をかけて、0歳児と心地よさを共感します。
やさしくゆったり一体感をもって関わると、気持ちよく遊べますよ。
くすぐり遊び
「いっぽんばし こちょこちょ」など、歌いながら楽しくくすぐって遊びます。
保育士ならよく見られる関わりですね。
そもそも、くすぐりはリラックス効果があって、保育士とのスキンシップにもなります。
0歳児と触れ合ってリラックスできる遊びですので、ちょっとした時間でもおすすめです。
音のでる遊び
ガラガラや何かしら音の出るおもちゃを用意して、顔の前、上、横で鳴らしてみます。
何もない場合は、手を優しくパチパチと叩いてみても良いですよ。
0歳児が音の出る方を向いたら「せいかい~」などと、笑顔で答えましょう。
0歳5~8か月ごろまで
0歳の中間時期と言えるこの段階では、寝がえりがうてるようになり、視力も備わり、首がすわってくることで、座る姿勢をキープできるようになってくるころです。
行動範囲が少しずつ広がり、座ることができるようになると、じーっと外の世界を見ることができます。
興味あることを見つけ、手を伸ばして触れてみるこの時期。
そんな子どもにぴったりのパワーアップした触れ合い遊びと、見て触れて楽しむ遊びを3つ紹介します。
打楽器遊び
0歳児が自らやってみる、音の出る遊びの進化版になります。
ボンゴや太鼓、木琴など、打楽器を置いて色んな音がでる環境をつくって、一緒に鳴らしてみましょう。
竹に小豆をつめて波の音を出すようなおもちゃを作ってみても良いでしょう。
いないいないばぁ
定番の遊び、いないいないばぁ
隠れたところから、にゅっと思いがけないものが出てくるので、面白さを感じるようです。
認知力が芽生えた5か月からの遊びですね。
手だけでなく、服、カーテンなどなど、色々なバージョンをつくっておくと、面白いですよ。
ふわふわ布遊び
0歳児が座っている、ハイハイしている、仰向けになっている。
そんなときに上からふわ~っとカラフルで大きな布がふってきたら?
ズバリ大喜びです。
この時使う布はレースなど、向こう側がはっきり見えるほどスケスケな布が良いでしょう。
安全上の問題と、向こう側が見える安心感が楽しく遊ぶキモになります。
0歳9~12か月ごろまで
乳児から幼児への移行期。赤ちゃんから子どもへ。
0歳の後期と呼べるこの時期では、はいはいで移動ができ、子どもによっては自ら立ち、歩き、言葉も少しずつ出てきます。
手指を使っておもちゃをもつ、入れるなどのかんたんな操作ができ、欲しい物を示す意思表示も出てきます。
喋れはしませんが、保育士の言っていることも大方理解ができ、やってみようとする姿も見られます。
そんな0歳後期の子どもは物と自分だけではなく、人と物と自分の関係で遊べるようになります。
そこで物を通して応答しあえる遊び3つを紹介します。
追いかけ遊び
ハイハイする0歳児に「まてまて~」と追いかけます。
こちらもハイハイで目線を合わせましょう。
0歳児にとって、楽しく全身運動できる機会になります。
ボール遊び
0歳児はボールを投げることは難しいと思うので、坂道をつくって離したら転がるような仕掛けを作っておきましょう。
その先にボーリングのように、音をたてて分かりやすく倒れるものがあれば尚更楽しいですよ。
「こうなったらこうなる」を体験するのに良い遊びです。
サーキット遊び
障害物競走のような遊びです。
マットで坂道や、とんねるなど、障害物を用意しておきましょう。
継続して行うと、だんだん子どもも覚えて、同じコースを期待して楽しめる環境になるでしょう。
そのほかの遊びはこちらからどうぞ♪
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だっだぁー
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だっだぁー、ぶっひゃひゃぁー、などなど、色々擬音語が出てきます。
0歳児に強弱をつけながら読むと、その変化にニコニコ。
時には顔を近づけたりしながら、抱っこして揺らしながら、読んでみても楽しいですね。
感覚に訴えるタイプの絵本です。
じゃあじゃあ びりびり
詳しくはこちら(ehonnaviが開きます)
0歳児が喃語から、だんだん言葉を発し始めたころ。
「ぱぱ」「まま」「あんぱんまん」などの名詞、車のことを「ぶーぶー」なんて言っていますよね。
この絵本では、物や動作と、音をつなぐ言葉が沢山でてきます。
リズミカルに楽しく絵本が楽しめる1冊です。
くっついた
詳しくはこちら(ehonnaviが開きます)
きんぎょ、ぞう、色んな生き物が向かい合ってくっつきます。
肌で色々感じとる0歳児は、大好きな人にくっつくのはもちろん大好き。
最後はこども、お母さん、お父さんでくっつく、ほのぼのした内容です。
「きんぎょときんぎょが くっついた」わらべうた感覚で読める絵本です。
そのほかの絵本、歌、手遊びはこちらからどうぞ♪
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【0歳児向け】保育士コンテンツまとめ
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まとめ
0歳児は人間のはじまりの姿です。
0歳児と心地よい関わりを目指している間に、人間として心地良いって何だろう?と、保育士も人間として成長できるでしょう。
可愛いながらも生きる力を感じる0歳児。
保育士もいっぱいパワーをもらえると良いですね。