こんにちは!モモンガ(自然大好き保育士)です!
離職する保育士に多い理由、適応障害。うつ病と並んで最近よく聞かれるようになった病気です。今回は辛い適応障害について、私の体験談から、乗り切る方法、どんな病気なのか?まで、詳しく解説します!
私が適応障害になった時の辛かった話
新卒1年目。なんとなく入った保育園。
男性保育士は私一人。とりあえず4月はがんばる気持ちでいっぱいでした。
しかし、入ってみて着替える場所もない、何かと気を使う。
そんな環境に「あれ?」と違和感を覚えながら、不便ながらもがんばる日々。
ある日、些細なことで怒られたことを私は実は納得していませんでした。
方針が合わないなんて言えない・・・
こうすればいいんじゃないですかと意見もいえない・・・
腹の中に溜まっていく反発する感情、新卒なので仕事ができず悔しい日々・・・
環境的に差別され、否定されるごとに頭が上がらなくなってきました。
会議中人の目を見ることができなくなった6月。
「モモンガさん寝てるの?やる気あるの?」
この一言にも、「すみません」としか返せなかった自分がいました。
もう、関わりたくない、早く終わってほしい
何が正しいとか間違ってるとかはどうでもよくて、とにかく逃げ出したかったです。
自分の方針、考えはあるので、やってみたい気持ちが先行します。
しかし、相談はできません。他の先輩先生と関わろうとすると、気持ちにブレーキがかかります。
最初は息が一瞬とまったような感じ。
それが日を追うごとに強くなってきます。心臓が絞められるような感覚です。
相談しようとするとそれが起こるので相談出来ず、結局独断でやってしまいます。
そして怒られます「一人でやってるんだね、チームじゃないんだね、いらないね」
こんな言葉を吐かれます。ひどい言葉ですが、中身はある意味正論です。
保育士同士で協力し合ってやっていかないといけないなんてこと、分かってます。
でもできません。相談もできません。
毎日夜は寝つけず、朝起きるたびに心臓がドキドキします。
寝不足でボーっとして呼吸が苦しくなります。
人と目を合わせるのが怖く、ひとりの時間、何も考えない時間が欲しくて逃げ回っていました。
そんな私が適応障害と診断されたのは9月の頃です。
その日は朝から心臓がドキドキし、動けなくなってしまいました。
園に連絡を入れると、「とりあえず園に来て」と冷たい言葉・・・
しかし、「お願いです、もう無理です」と言って、その日は1日休ませてもらいました。
そのまま、ヨロヨロしながら心療内科へ行くと「しばらく休みましょう」とのこと。
予約も何もしてませんが、私の様子をみて観てくれました。
診断は適応障害。
しかし、私は「休んで何が変わるんだろうか、先送りしただけではないか・・・」と思っていました。
休んでいる最中もドキドキします。不安でいっぱいです。
「これからやっていけるのだろうか・・・」こんな気持ちです。
一応1か月後には職場復帰しましたが、結局微妙な距離感は埋まらず。
職場の先輩は私に変に気を使っているような感じです。
腫物のような扱いだと感じました。まぁ、それも仕方ないのですが・・・
相変わらず私はコミュニケーション不足を埋めることが出来ず、話そうとするとドキドキ、「ねぇ、」呼ばれてもドキドキ。
変わったことと言えば、当たりが弱くなったことぐらいです。
それも「ああ、申し訳ないな、強く言いたいけど言えないんだな」と思っていました。
結局こんな不完全燃焼の日々が続き、1年で退職しました。
退職した後は転職し、他の保育園にいったのですが、しばらく怖い気持ちは続きました。
それを隠すかのように頑張りましたが、実はこの症状、今でもつづいています。
適応障害は一瞬のものでなく、トラウマのように自分を苦しめることがあるのです。
適応障害とは?うつ病との違い
適応障害とは?
ざっくり説明すると、環境に対して適応しようとしてもできず、さまざまな困った症状が現れることを言います。
進学、入学、就職など、新しい環境に置かれ、その環境に馴染もうと努力するのですが、価値観のズレが大きかったり、自分の思うよりも全然できなかったりすると、ストレスに感じてしまい(特に責任感の強い人であればなおさら)、抑うつ、頭痛、吐き気、集中力の低下、めまい、寝不足・・・と症状がでます。
例えば、新しい保育園に就職して、担任を任されるも、仕事で失敗しすぎて責められ、自分で自分を責めるようになってしまった。
仕事に適応しようとも適応できず、適応障害になったという感じですね。
適応障害は「適応できなくて困っており、日常生活に支障をきたしている」状態を指すものです。
なので、「適応障害によって寝不足になってしまった」というような使われ方をします。
ちなみに、保育士には多い症状だと言えるでしょう。
うつ病との違い
適応障害:環境に適応しようとも適応できず、その結果様々な症状が起こる。
うつ病:1日中とてもつらい、沈んだ気分や、喪失感、虚脱感が1日中、長期間ずっとつづく症状。
適応障害は病気になった原因も含めて指していることに対して、うつ病は症状を指しているといった違いです。
ちなみに、病院の診断ですが、うつ症状が出ているので診断はうつとするところが多いようです。
うつっぽい症状はあるけど、他の症状も出ていて、原因が環境に適応できないとはっきりしている場合は、適応障害と診断されることが多いようです。
症状について
適応障害の根本は「適応できないこと」にあります。
適応できない場所で長くいると、そりゃぁストレスフルです。
ストレスを受けた時はその人によって多彩な症状がでます。
頭痛がする人、吐き気がする人、眠れなくなる人、うつになる人・・・様々です。
しかし、比較的多い症状はありますので、紹介します。
抑うつ、無気力
一言で言うと「落ち込む」です。
長い時間ストレスフルな環境にいると、落ち込みます。
もう何も考えたくない・・とか、考えられなくなる症状です。
ずーんと落ち込んで暗いところにいるような重い感情ですね。
これはよくある症状で、うつにすべきか、適応障害にすべきか、病院でも意見が割れることもあります。
不安感情
「~だからどうしよう・・・」という不安がずっと続くことです。
ストレス環境に長い間さらされると、様々な「このぐらいでいい」という適切な判断が下せなくなります。
全部完璧に書類をそろえたはずなのに、まだ不安があって何回も何回も確認するとか、手を洗ったはずなのに、まだ汚れている気がして何回も手を洗いなおすとか、日常生活で重大な支障をきたすような症状に出ます。
あからさまに出ている例を紹介しましたが、「どうしよう・・」と不安な感情を抱き続けている時点で、それは症状だと言えるでしょう。
ストレスによる身体症状
ストレス性の胃潰瘍とか、ストレスによって引き起こされる症状です。
よくあるものを書き連ねてみます。
- 異常に汗をかく
- 全身がだるくなる
- 頭が痛い
- 目の前がふらふらする
- 寝付けない、眠れなくなる、すぐ起きてしまう
- 肩がこる
- 心臓がドキドキする
- 肌が荒れる
- 吐き気がする
素行が悪くなる、おかしくなる
ストレスが積み重なると、イライラしてつい口が悪くなったり、アルコールが増えたり、そんな問題も出てきます。
これもよくあるものを例として書き連ねてみます。
- 自殺行為
- 無断欠勤、早退
- 自傷行為
- 暴飲暴食
- お酒の飲みすぎ
- 車の運転が荒くなる、危険運転
- 薬を大量に飲む
- 喧嘩っぱやくなる
- すぐ暴力をふるう
自殺を1番に書いたのは、お医者さんに聞いた話、適応障害は自殺に繋がりやすいと言っていたからです。
人によって様々あると思いますが、素行の問題から自殺へ・・・というのは割と良くある話なので、
軽く考えず、病院にいっていただければと思います。
適応障害の原因
ここでは、適応障害になる原因を保育士目線で話していきたいと思います。
こんな職場ではないですか?こんな考え職場にもってないですか?
もしあてはまることがあったら注意してください。
リスクを感じて先輩に何も言えない
自分の意見を言えないパターンです。
先輩に自分の考えを伝えるのが苦手といったところでしょうか。
「自分の言いたいことをどうやって言えばよいだろう」ということや、
緊張して、言葉がうまくでてこない、先輩の意見に流されてしまう、自分の考えが職場に立つと、先輩を目の前にするとなくなってしまう。
多かれ少なかれ、萎縮していると思われます。
その萎縮は多くの場合理解されません。
先輩も「自分の考え言わないの?(時間の無駄だわ、ハキハキ喋れよ)」と責めるようになります。
そして「本当は辛い」ことが言えず、ストレスになっていき、適応障害を発症すると考えられます。
そもそも自分の考え方と違う保育園
自分の考えと全然ちがうところで保育してませんか?
保育士にも様々なバックグラウンドがありますので、考え方が違うのは当然です。
もちろん保育士によって保育に対する考え方も違います。
証拠に、この世の中にはいろんな保育の形態があり、それぞれの方法で行っています。
保育所保育指針にも、「子どもの最善の利益を、主体性を」と、その目的しか書かず、保育方法については触れていません。
これは一様にこの方法が正しい!ということが言えないからです。
毎日決まった時間にある程度決まった活動をするというのも、社会性を学ぶひとつですし、
自由な環境から子どもが発想をひらめかせ、遊びを先生と作っていくという形だって学びのひとつです。
答えがない以上、自分が提供できる最高の形で保育するべきなんです。
しかし、自分の考え方と真反対で保育するとなると、「やらされてるだけ」の保育になります。
そんな環境では、自分が保育士として活躍できるわけもありませんし、充実して過ごせるわけもありません。
もちろん、納得もいかず、ストレスが生まれ、適応障害へと進んでいくことになります。
業務がきつくて思ったより成果をだせない
これはほぼ全て共感してもらえるのではないでしょうか。保育士の現場は現状きついもんです。
仕事がきついから、人間関係も悪化しやすいのです。
人間関係と業務の辛さは比例すると言っても良いでしょう。
業務がきつすぎてギスギスしている環境で、自分が結果を出せず、また追い込まれる。
こんな循環を繰り返していると、当然ストレスが生まれます。
自信がなくなって、何をやってもだめだと思いがちです。
職場全体もギスギスしているので、誰も助けても気づいてももらえません。
その積み重ねでしんどくなって、適応障害と診断されることもよくあることです。
対処法、解決策、再発防止策
病院へすぐ行く
これは特に適応障害、心の病全般で大事なことです。
放っておくと、我慢しつづけると、そのままうつが一生長引いたり、統合失調症になってしまったり、トラウマになってずっとしんどかったり、後の人生が壊れてしまうことだってあるので、「おかしいな」「つらいな」と思ったらすぐに病院へ行くようにして下さい。
病院へ行けば診断書がもらえて休めます。環境を変える理由にもなります。
そして、これらのことが他人から認められやすくなるので、今後のことを考えるなら、絶対すぐ病院へ行ってください。
環境を変える
治療としては1番の方法です。私もまずは1ヶ月ほど休職することで、段々と先のことを考えられるようになりました。
当時の私は、「動悸がして、ふらふらし、眠れない・・職場でどうやっていくか、子どもの責任が・・・」
こんな風に目線が狭くなってしまい、追い込むしかできませんでした。
冷静な将来へ向けての判断ができるように、まずは休みましょう。
そして、できれば職場を変えましょう。
私も転職で職場を変えると、前のような動悸や不眠はなくなりました。
適応障害は環境に適応できずに発症するので、環境を変えて時間の経過を見ていくことが1番のクスリです。
就職などの環境変化によって症状が現れ、その環境から離れると症状がみるみる改善していくことは、適応障害で最も多いパターンです。
まずはまとまった休みをとり、考え方を整理して、次にできれば転職、離職して環境を変えましょう。
適応力を高める
いくら環境を変えても、本人の問題解決能力が低いと、また同じことになります。
私は人付き合いが苦手でした。
女性社会の保育園に、男性である自分がどう振舞っていけばいいのか、正解を探す日々でした。
でも、考えていくごとに、少しずつ自分の方法のようなものができてきました。
失敗したことで、それに対してどうしたらよいかな?と自分で考えてコツコツやっていくことが大事です。
それには、成長できる良い環境に自分を置くことです。
成長できる環境で、少しずつ成長していきましょう!
投薬
うつ状態がひどい場合や、眠れない状態が続く場合、精神科から薬が出ることがあります。
投薬は根本的な治療ではなく、とりあえず活動するために症状を抑えるためであります。
なので、適応障害は薬では治る病気ではないけど、症状を一時的に抑え、次の行動へ踏み出しやすくするものという理解が望ましいでしょう。
休職(退職)や転職する?復帰はできる?
休職(退職)
しばらく休むという観点から、絶対必要だと言えます。
場合によっては重症化してしまうため、1回現場から離れて静養を取りましょう。
退職や休職には手続きがいろいろ必要だと思います。
こういった手続きも無理なときは良いと個人的には思います。
とりあえず自分のことを考えて、静養し、力を戻すことに集中してください。
転職
私的に最もお勧めしたい方法です。
基本的に環境が変われば適応障害は治るので、根本的な治療になるかなと思います。
保育士として他の園に転職するもよいですが、自分は保育士を続けたいんだろうか?という疑問が残る方もいらっしゃると思います。
そんな方は他職に転職しても良いと思います。
1回保育から離れることで、「やっぱり保育したいな」という気持ちが芽生えること、確認できることはよくあることです。
比較対象がないと楽しい仕事って案外分からないこともあるものです。
転職して、色んな仕事の世界を見るのも一つの手です!
復帰
復帰も職場により可能です。私の場合、復帰したとき他の職員は少し優しく接してくれました。
しかし、1度こじれてしまった職場の関係を立て直すのは大変なことです。
なんとなくのきまずさが残り続けるなら、結局やめたほうが良いかもしれません。
私の場合は、そもそもの方針が合わなかったので転職しましたが、方針があっていれば続けていたかもしれません。
というのも、また1から新しいところでやり直すとなると、覚えることも違い、大変です。
新しい環境でまた挫折すると、自分の自身もなくなってしまいます。
その点、復帰なら物の場所とか、なんとなくの流れや雰囲気を掴んでいる状態でできるので、メリットはあると言えます。
まとめ
適応障害は辛い悩みです。私もとっても辛かったです。
しかし、今となっては良い経験です。
人は辛さを分かっているからこそ、他人に心から優しく接することができるのです。
保育士は援助職です。優しい心をもつということは、ある種天性の才能なのです。
保育士として辛い経験をされている方へ、まずはしっかり休んで、人の心の分かる優しい人として、その経験を活かしていただければと願っております。
▼▼オススメの保育士転職サイトはココ!▼▼
※登録後にコンサルタントから電話による返答があります。