小規模保育園の特徴とメリット、デメリット|園の方針もしっかり確認!

2017年11月7日

小規模保育園の特徴とメリット、デメリット|園の方針を確認することもお忘れなく

こんにちは!モモンガ(自然大好き保育士)です!

全国的な保育園不足を受けて、今、小規模保育園、小規模保育事業が話題になっています!

小規模保育園はその特性があり、どんな人が向いているのか?良く言われる疑問について、分かりやすく参考になるようにまとめました!

小規模保育園(小規模保育事業)の特徴

小規模保育園の種類や特徴について紹介します!

設置基準や定員を並べているデータになるので、もう知っている、さくっと自分に向いているか知りたい!と言う方は、次の章のメリット、デメリットから見て下さい。

小規模保育園って?

対象年齢0~2歳児、利用者の定員が6~19人までの保育園です。

現在、認可される条件は19人までですが、保育園落ちた問題を受けて、20人以上も認可にしようという国の議論がなされている、なんだかんだ今注目されている保育の形です。

今問題になっている待機児童のほとんどが3歳未満だということ、0~2歳ではゆったり手厚く保育されたほうが情緒的にも安定するのではないかということから、子ども・子育て支援で認可されました。

小規模保育園は認可保育園なの?

全ての小規模保育園が認可ではありませんが、現在ほとんどが認可保育園です。

保育園が認可を受けるには、自治体で出されている条件をクリアする必要があります。

特徴としては、その認可条件が一般の認可保育園よりも緩いことです。

マンションの1室や戸建てを使って開園することができ、職員は保育士資格を半数は持たなくてもOK、園庭はなくてもOK、大体半年で開園できる(通常2~3年くらいかかるのに対して)。

ざっと挙げても認可とりやすいし、大規模な保育園に比べて手軽に開園できることが分かります。

国も待機児童0へ向けて考えているのですね。

しかし、認可保育園になれば補助金が貰えるのに、何故、無認可の保育園が世の中にあるのでしょうか?

それは、特殊なこだわりがあったりして、あえて認可にしない園もあるのです。

例えば、認可を受けるには定員の制限が19人までというものがあります。

園の運営者が何らかの理由で割と小規模が良いが、定員は20人以上にしたい!というこだわりがあって、定員を20人以上にしていたら、その場合は認可を受けられません。

そういった園も少なからず存在します。

小規模認可保育園の種類

小規模認可保育園の種類にはA型、B型、C型とあります。

定員や職員の有資格者数の定めなどがそれぞれ違います。

では、どう違うのか、まずはざっくり見たい方のために、表にしました!

事業類型

職員数

職員資格

保育室等の広さ

給食

小規模保育事業A

保育所の配置基準+1

保育士 

01歳児:

1人当たり3.3

2歳児:

一人当たり1.98

自園調理

(連携施設などからの搬入可)

調理設備

調理員 ※3

小規模保育事業B

保育所の配置基準+1

1/2以上が保育士

保育士以外には研修を実施する。

小規模保育事業C

02歳児 3:1

(補助者を置く場合、5:2)

家庭的保育者 ※1

02歳児:1人当たり3.3

家庭的保育事業

02歳児 3:1

(家庭的補助者を置く場合、5:2)

家庭的保育者 ※1

(+家庭的保育補助者)

02歳児:1人当たり3.3

保育所

0歳児   3:1

12歳児 6:1

保育士 

01歳児

乳児室:1人当たり1.65

ほふく室:1人当たり3.3

2歳児以上

保育室等:1人当たり1.98

自園調理

公立は外部搬入可(特区)

調理室

調理員

※1 市町村長が行う研修を修了した保育士、保育士と同等以上の知識及び経験を有すると市町村長が認める者とします。

※3 家庭的保育事業の調理員については、3名以下の場合、家庭的保育補助者を置き、調理を担当することも認めます。

参考:子ども・子育て支援新制度ハンドブック(平成27年7月改訂版)より(リンク切れ)

規模で言うとA→B→Cの順になりますね。

「こんな表だけじゃなんか想像しにくいよ!」という方のために、それぞれもうちょっとイメージが膨らむように説明します!

小規模保育事業A型

属に保育所分園型と言われる、小規模保育園の中では1番規模が大きいものです。

イメージとしては、一般の大規模保育園の規模をそのまま小さくしたようなものと想像して頂ければと思います。

小さい園庭とかもあるところもあるようです。

小規模保育事業B型

C型よりかは規模が大きいけど、Aほどではない・・・という中間の型です。

なんでこんな中途半端な?と思われるかもしれません。

それは、事業参入のしやすさを求めた結果によるものです。

例えば、職員のところでも、A型では職員に全て保育士資格が必要で、さらに保育所の基準より1名多いです。

一方でB型は1/2以上が有保育士資格という緩い規定です。

A型は小規模保育事業参入するときには、1番準備が大変な形なのです。

かといって、C型は家庭的保育事業寄りすぎて、規模が小さすぎる・・・という極端さがあります。

そこで、保育事業の移行が楽になるように、B型を作ったという理由があります。

小規模保育事業C型

C型については、グループ型小規模保育に近いところを想定しています。

そのため、家庭的保育事業と同様の基準としています。

こちらは定員を6~10名としており、最も小規模な形です。

家庭的保育事業

保育ママ制度が、この認可を受けられるように形にしたものです。

家庭のように、ほぼ保育士と子どもがマンツーマンで関わっているようなイメージをもたれると良いかと思います。

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小規模保育園のメリット、デメリット

今回は保育士目線で、特に働く上で気になるメリット・デメリットを解説します!

メリット

開園しやすい

通常の保育園では2~3年、認可をとるのにも一定の基準があり、苦労します。

しかし、小規模保育園では6か月ほどで開園でき、認可の基準もかなり緩いです。

通常の保育園で認可がとれない理由は主に、開園時間の問題、園庭の問題があるようで、都会では夜働く保護者も多く、深夜まで預かってくれるところも求められていたりします。

同様に都会では土地が狭く、高く、認可をとるにはハードルが高いです。

かといって、無認可で開園するのは資金的に難しいです。

小規模保育園なら、園庭は不要なので、そのあたりで開園しやすいというメリットがあります。

家庭的な保育

子どもの人数が少ないですので、小規模保育園では家庭的な保育が望めます。

家庭的な保育って一体なんぞや?ということですが、簡単に言うと落ち着いている保育です。

大規模保育園なら、ワイワイガヤガヤして、保育士にも大人数をまとめている緊張感のようなものが必要で、いかにも保育園という感じがします。

毎日決まったことを必ずやるような保育園では、融通は利きにくいですので、どうしても型にはめる保育になってしまいます。

それに比べて、小規模保育園はむしろ家に近いような感じが多いです。

行事や会議も少なく、保育の融通も利きやすく、保育士も、ゆったり、リラックスした環境で保育出来るのです。

手厚い保育

落ち着いた保育は何故?行われているかということですが、子どもの数が少ない、保育士の数が多いことにあります。

見守る目が増えることで、一人の子どもをじっくりと寄り添って保育することができます。

個人的にはこれは大きなメリットだと思います。

というのも、どうしても大規模な園では、現場をこなすことに目がいきがちです。

毎日をまずはこなす形を覚えた上で子どもの発達は・・・ということになるので、ある程度決まった範囲でしか子どもの発達に合わせた保育ができません。

しかし、小規模保育園では保育士の数が多いので、しっかり観ることができます。

子ども一人ひとりをしっかり観察し、保育できることは保育指針とも一致します。

手厚い保育を経験することで、保育士の学びの意味でも好条件と言えるでしょう。

子ども同士の縦横のつながりが深い

小規模保育園でよくある子どもの姿として、大規模保育園では友達とすると、まるで家族みたいだということです。

人数が少ないですので、子どもにとっても縦横のつながりを自分の成長の幅に合わせて経験できると言えるでしょう。

子ども同士の人間関係の深さがメリットです。

ちょっと余談なのですが、そういえばこんな話があります。

住人30人ほどのある島がありました。

その島では、警察もいないにも関わらず、犯罪が起こらず治安が良いという状態だそうです。

その島の人は「ここはみんなが家族のようなもの、どこいってもみんな知ってる人で、大切にしている」と言ったそうです。

日本に目を向けてみると、他人に無関心な人が多いです。

人が多くなると、関わりのない他人には無関心でいれるのかもしれません。

こういった例から読み取れるに、小規模保育園は子どもが人を大切にする環境として、優れているのかもしれません。

デメリット

保育の質は園によって大差あり

小規模保育園はその場所や保育士によってかなり保育が変わってきます。

まず環境ですが、園庭がない分、外遊びには公園を使うことが多いでしょう。

しかし、どこでもすぐ公園があるわけではありません。

園によってはもしかすると、外遊びが十分でないかもしれません。

保育の質も大差あると予想されます。

例えば雨の日、レインコートを着て雨のお散歩に行こうという園もあるでしょうが、一方で狭い室内で閉じこもりっきりで、過ごしている園もあると思います。

梅雨の時期のような、雨が続く時期だと大変ですね。

給食の質も、調理室がないことが多いので変わってくるでしょう。

認可基準が緩い分、園によってそれらの判断がゆだねられていますので、園選びはとくに慎重になりましょう。

なぜ、預けられるのは3歳まで?

基本、小規模保育園に預けられるのは0,1,2歳です。

3,4,5歳児は、他の保育園を探さなければいけません。

これは何故かと言うと、3歳児以降は、子どもの人数の多い集団の生活の中で育つことが発達段階として重要であるとされているからです。

しかし、市町村が認めた場合にのみ、3歳以上児を受け入れることも可能ですが一般的ではありません。

認可小規模保育園ではどうしても年齢は限られてしまいます。

保育に行き詰まりやすい

小規模保育では保育がマンネリ化しがちです。

毎日同じ子ども、先生、場所・・・だと行き詰まりやすいでしょう。

いわゆるネタ切れになりやすいということです。

小規模保育園では、保育士の技量や多彩な目線が直に求められる職場だということを念頭においておいたほうが良いかもしれません。

働く際は、本なりなんなり、遊びのアイディアをたくさん用意しておくと良いでしょう!

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どんな人が小規模保育園により向いている?

小規模保育園の良いところ、悪いところをみてきました。

では、簡単にどんな人がより向いているのでしょう?

セルフチェックのような感覚で読んでいただければと思います。

また、これは分かりやすい例ですので、当てはまらなくても向いていないとは言えません。

「より向いているんだ!」という感覚でお願いします。

ゆったりと保育したい人

閑静な場所でゆっくり子どものペースに付き合ってあげたいと思う人は、向いているでしょう。

大規模な保育園で企画し、集団をまとめあげ、毎日バリバリと働く保育士はキャリアウーマンのようです。

エネルギッシュで気疲れしない、たくましい一方で、忙しさによって盲目になり、一人ひとりを大事に保育する感覚が抜けがちです。

一方で小規模保育園では少ない人数にしっかり目と目を合わせて寄り添う時間の長い、保護者のような感覚です。

沢山のことをまとめてこなすようなエネルギッシュさには欠けますが、一つひとつは丁寧な仕事です。

自分の理想の保育を思い浮かべて下さい。

その時子どもが少ない条件で、ゆっくりとした時間の流れを感じさせるようなものをイメージ出来た人は多分、向いています。

乳児保育に関心のある人

先程もお話しましたが、小規模保育園に入れる子どもは0,1,2歳です。

乳児保育に興味のある保育士は向いているでしょう。

保育所では0~5歳の育ちを主に担当します。

「どの年齢も大丈夫!」という人もいるでしょう。

しかし、得意不得意な年齢層がある保育士が少なくありません。

大きく分けると3歳以上か、それ以下かということが多いです。

保育士も人間なので、どちらかというと得意、不得意というのがあるのでしょう。

あなたはどちらでしょう?もちろん、得意ではないからといって向いてないことはありません。

0歳児からの保育に自信ありな人は、よりすぐに活躍できるだろうという意味です。

子ども一人ひとりの育ちをじっくり見たい人

子ども一人ひとりに細やかに支援をしたい人、広く浅くよりも、狭く深くが得意な人が向いていると言えるでしょう。

子どもの成長は例えるならバネのようです。

経験をためてためて、ある日にぴょいっと伸びます。

よくありませんか?なんかこの子、夏休みを境にちょっとたくましくなったなー?なんてこと。

大規模保育園では子どもの人数が多い分、色んな育ちや発見がありますが、小規模保育園では子どもの人数が少ない分、分かりやすいそういった育ちも少ないかもしれません。

しかし、実は子どもは日々少しずつ移ろうように成長している訳で、微細な徴候や挙動、ちょっとだけキラッと光る子供の主体性を見逃さず、またそういったことに気づきたい!と強く思う保育士がより向いているでしょう。

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小規模保育園を選ぶ上で忘れないでほしいこと

小規模保育園はその特性上色々な偏見や先行イメージがあります。

正直、小規模保育園について取り上げている他サイトを見ていてもその傾向があると思います。

そのあたりでちょっと思いとどまってほしいこと、考えてみてほしいことを2点まとめました!

結局は園の方針、職員の能力が大切

小規模保育園はゆったりとじっくりとした保育がしやすいのが特徴です。

しかし、小規模保育園だからといって安易にどこでもそうなのかと思うのは危ないです。

本当の意味でじっくり保育していくには、それだけの経験と知識と感性が必要だからです。

子どもがのびのびするように、自由保育のスタイルをとっていても、保育士に指導能力がなければただの放任になってしまいます。

怪我が怖いから、子どもの安全を100%保障するためと、例えば外にお散歩にいっても「走るの禁止」などと、規則を設けすぎると、のびのびとした小規模保育園の良さは失われます。

結局は園の方針と、そこで働く職員の考え方が大事なので、就職の際は必ず見学することをオススメします!

大人数の保育はできなくなるのか?

そんなことはありません!

小規模保育で得たことは基本、土台として大規模な園でも活かすことができます。

そもそも、引率スキルや大勢の前で話すスキルなんてものは、比較的簡単に経験で身につけられます。

これにはある程度慣れと、自分の型が必要だからです。

そんなことよりも、子ども一人ひとりの育ちをみられる視点、見通しの方がはるかに大事です。

こういったときに考えるポイントは利用者側に立つことです。

どうしても大人目線でウン10人の子ども「たち」と見がちですが、子どもからすれば一人の先生です。

子どもからは一人の先生と見られている以上、現場をこなす能力よりも、個別を大切にする重要性のほうが本質に沿っていると考えられるでしょう。

子ども一人ひとりをじっくり保育できる能力は、大人数の保育においてもかけがえのない能力ですので、ぜひ自信もってください!

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まとめ

小規模保育園は待機児童問題と共に、今注目されている保育の形です。

日本の社会に合わせて、これからも保育業界は改案がなされていくでしょう。

保育士のイメージも時代とともに変わっていくのかもしれません。

それぞれの時代に合わせて、自分が一体何ができるか?何がしたいか?をもつことが、これからの保育士として生き抜く要素になるかもしれませんね。

なお、小規模保育園という事業形態は、今後ますます増えることが予想されます。

理由は2つです。

  • 設立のしやすさ
  • 待機児童の問題は0〜2歳時(特に0,1)が多い

もし、自分には0〜2歳児の保育が向いているかな?と思うのであれば、園の数も増えていますから、自分に合いそうな園を積極的に探してみてくださいね。

なお、保育士の転職サイトはマイナビ保育士がおすすめです。

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モモンガさん

某都市で保育士として数年勤務。最初の職場は園の方針が合わず、悩みに悩んだ末に転職しました。現在は関東の保育園で活躍中しています。森林インストラクターの資格も持っている大自然派。

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