加配担当に決まったものの上手くいきません【保育士お悩み相談|第37回】

2018年6月26日

こんにちは、うしさんくまさん(保育士&社会人歴のべ24年)です。

今回は加配のポジションで働きながらも、障害児との関わりに四苦八苦する相談者。

くまさん(妻)は【時間をかけて、ゆっくりと】、子どもとの関係を構築していくようにアドバイスします。ご覧ください。

悩み(要約)

  • 保育士を経験後、自身の結婚、出産、育児を経て、8年ぶりに職場(幼稚園)復帰。
  • 加配につくことが決まった3歳時のことで四苦八苦している。
  • あらゆる手を尽くすもうまくいかず、苦しい…。

お悩み相談のやり取り(LINE)

みほさん:5年間担任保育士を経験して、結婚、妊娠、出産、育児を経て、去年の5月に8年ぶりに幼稚園の先生に復帰しました。

勤務時間は4時間で、フリーか加配というポジションで働いています。

結婚前とは子どもの姿も保護者の姿も変わり、初めてのフリー、加配にまだまだ慣れないまま働いている状況です。

今年度は3歳児のあるクラスに配属、担任補助というポジションですが、すでに担任配慮(グレーゾーンの加配予備軍みたいな子です)が3人おり、その中の一人はすでに後期から加配がつくことが決まり、私が加配担当になる予定です。

担任の先生は今年2年目ですが、とてもしっかりした素敵な先生です。

悩みの種は、加配につくことが決まった3歳の男の子です。

入園前の書類では、言葉が不明瞭で乳幼児健診でひっかかったとの情報はありましたが、言葉以外にも、衝動性が非常に高くじっとしていられない、言葉が不明瞭だけでなく、どうやらこちらの言うことも理解できていない様子、こちらも彼の言葉は理解してあげられずコミュニケーションをとることが難しく、とにかく手がかかります。

自由に遊ぶ時間では、次から次へと遊びが変わり、彼の意思に関係なく、視界に飛び込んだものに刺激を受け、そちらに向かってしまうようです。

朝の会、帰りの会、クラス活動では座って話を聞くことが難しく、すぐに立ち歩いたり関係のない遊びを始めてしまいます。

そんな彼の姿につられ、他の子も面白がってうろついたりして、クラスがまとまらないので、パーソナルスペースを設けて、彼が静かに落ち着いて過ごせるように……と対策を考えたのですが、そこでの遊びもすぐに飽きてしまい、パーソナルスペースから飛び出して結局クラスを掻き回してしまうことも多々あります。

担任の先生とも何度か話し合い、上の先生にも相談にのってもらい、

  • まずはクラスをしっかり固めたいから、彼にはパーソナルスペースで過ごせるように慣れてもらおう。
  • 私が彼にべったりついてまわると、他の子もついていってしまうから、彼の気が済むまで待ってみよう。

ということにはなりました。

が、実際にはそんなにトントン拍子にはいかず、パーソナルスペースからはすぐに出て来てしまう、

彼の動向を見守ろうとしても、あちこち行ってしまう彼をつい追いかけてしまっています(これは私が彼を信用しきれていないのが悪のかもですが…)。

そんなこんなで彼の中で、最近私のことを「私のやりたいことを邪魔する人」みたいに思っているらしく、私が声をかけると逃げたり叫んだりするようになりました。

ほかの先生からは「年少さんの加配につくと、邪魔する人みたいに嫌われる時期ってあるものよ。そんなときは距離をおいてほかの先生に任せてみたら?」と言われ、少しは安心したものの、まだ安定していないクラスを抱えている担任の先生に彼までお願いするのも申し訳なく、自分の力のなさにへこんでいます。

これから正式に加配担当になるわけですが、これから彼が年中、年長で園生活を送っていく土台を作らねばならないと思うと荷が重いなぁと感じます。

8年ぶりに復帰して、加配の経験なし、こんなに動き回り、言葉によるコミュニケーションが取れない子に出会ったのは初めてです。

新入園児さんなので、去年までの様子や対策の書かれた書類などはなく、すべてが手探りです。

彼が落ち着いて園生活を送るには何から始めれば良いでしょうか。

彼との信頼関係はどのように築けば良いでしょうか。

今、彼に逃げられてしまうこと、担任の先生の足手まといになってしまっていることがすごくしんどいです。

また、彼はクラスの友だちやクラス活動には興味、関心があるようで、自ら自分の席に座ろうとすることも多いです(結局すぐに立ち歩きますが…)。彼の気持ちを汲んで、朝の会などは部分的に参加してからパーソナルスペースへ……といった形をとりたいと思っています。

長々ととりとめのない文章になってしまい申し訳ありませんが、アドバイスいただけたら嬉しいです。

よろしくお願いします。

くまさん:こんにちは。

詳細に教えて下さいましてありがとうございます。

改めて返信いたしますので、少々お待ち頂けますでしょうか。

お辛い中お待たせして申し訳ありませんが、必ずお返しいたしますね。

みほさん:こんにちは、ありがとうございます。

今日も4時間、頑張ってきましたが、やはり空回りばかりで結局担任の先生に迷惑をかけてしまいました。

担任の先生より11歳も年上なのに、教えてあげられることがないどころか自分の仕事もろくにできていないようで情けないです。

こうしてお話を聞いてもらえるだけでも、今の私には大きな励みになります。本当にありがとうございます。

くまさん:こんばんは。

お待たせして申し訳ありませんでした。

子供の性格が一人ひとり違うのと同じように、加配など特別な配慮を必要とする子供の性格や行動、傾向も全く異なります。

みほさんと担当される子供との間で関係を築いていく中で、この方法なら興味を持ってくれそうだな、パーソナルスペースで過ごせそうだな、と色々と試しながら探していけば良いのだと思います。

まずは室内、室外それぞれで子供が好きなものをいくつか見つけ、遊びに誘うのはいかがでしょうか。

一緒に過ごしていくうちに子供の方から近寄ることが増えると思います。

また、とっさの行動でみほさんが慌てたり困ることがあるかと思いますが、それをなるべく表情や雰囲気に出さないようにしましょう。

子供がその様子を見て「嫌だな」と思ったり、時には興奮してパニックになることがあるかもしれません。

一緒に過ごし楽しい経験を重ねることで親しみを持ち、やがて信頼関係につながっていくのでは、と思います。

補足でありましたが、朝の会で部分的に参加するというアイデアは良いと思いますよ。

友達や活動に興味を持っているのでしたら、まずは着席して参加し(自分もクラスの一員なんだという意味付けにもなります)、離席した時にパーソナルスペースに誘導すると機嫌よく過ごせるかもしれません。

担当クラスが3歳の新入園児クラスであり入園してから日も浅いため、子供達も目立つ行動をする子に注意が向いてしまい、現段階では集中力が切れたり追いかけたりすることもあると思います。

ただ、慣れてくることでだんだんと目の前の活動に集中できるようになりますし、子供達なりに「今は関わらない方がいいのかな」と察知するようになっていくと思います。

大人の動きは子供と比べるとさらに目立つため、担当する子供が集中している時はやや距離を開けて見守る(姿勢はしゃがむ等低めに)、とっさに次の行動に出た時には真後ろを追いかけるのではなく行きそうな方向を予測して最短距離で対応できるようにするのも良いかもしれません。

また、パーソナルスペースにいる時には他の子の動きが気にならないようにみほさんと子供それぞれの位置を配慮すると良いと思います。

他の子との間でトラブルや怪我が起きそうな空間でなければ徐々に距離を開けてみて、一人でゆっくり過ごせるように配慮しても良いかもしれません。

ただ、まだ子供の行動や傾向がつかめない段階だと思いますので、時間をかけてゆっくり試していくようにしましょう。

子供が大きな声をあげて関わることを嫌がる時があれば、絵本やピアノなどといった主活動以外の活動で、一時的に担任と役割を交代する時があっても良いと思います。

普段から担任の先生と連携を取り、子供の様子を細やかに伝えていけばいざ交代の時に大きくもたつくことがないのでは、と思います。

新入園児で去年までのデータがないため、保護者に子供の好みや好きな遊び、喜ぶフレーズ等を聞いてみると保育の中で参考になるものがあるかもしれません。

また、みほさんの園では相談に乗ってくれる方もいらっしゃいますので、引き続きこまめに様子を伝えて話し合いながらその都度対応方法を見直していけば良いと思います。

みほさんの方が年上だから、担任の先生に迷惑をかけるのでは、とどうかご自身を責めないで下さいね。

みほさんは今まで積んできた保育経験と子育て経験で引き出しが沢山あります。

ご自身の積み上げてきたスキルを信じて自身を持って下さいね。

応援しております。

みほさん:こんにちは。

細かなアドバイス、温かいお言葉、本当にありがとうございます。

あれから色々試行錯誤の保育が続いています。

保護者の方からは、虫、動物、ドラえもんが好きだと聞き、パーソナルスペースに動物フィギュア、虫と動物の絵本、ドラえもんのイラストをラミネートしたものを準備しました……が、遊んでもすぐに飽きてしまいます。

みんなと一緒に過ごしたいという気持ちは汲んであげたいとは思うけれど、うれしくなってテンションが上がって、結局集団の中で落ち着けない……となるのは、彼のためにもクラスのためにも避けたいと思っています。

集団活動は無理せず手短に、パーソナルスペースが嫌なら気分転換に別の場所で過ごして、信頼関係と園生活の基礎を築いていこうと思います。

こちらのサイトをはじめ、色々なところで吐き出したので、週始めと比べるとだいぶ肩の力が抜けてきました。

今週はあと1日、なんとかがんばれそうです。

本当にありがとうございました。

またどうにも消化できない悩みができたときには、どうぞよろしくお願いします。

くまさん:こんばんは。

すでに保護者の方とやり取りをされ、パーソナルスペースに準備されていたのですね。

ブロックなど形が自在に変化するような玩具を取り入れて、ブロックのみでもフィギュアやラミネート等と組み合わたりして遊んでも面白いかもしれませんね(ただ、カチャカチャと音がするので、静かな空間を求める際にはおすすめ出来ませんが)。

あとは担当される子供にこだわりのようなものがあればそれを玩具に取り入れても良いかもしれません。

例えば、物が並んでいる様子に興味を持っているようであれば積み木を並べて置いてみる、などです。

その際うまく行かずにパニックを起こしやすい面があれば倒れにくい物を用意するといいですね。

子供のちょっとした仕草に注意を向けると保護者からは聞いていない好みや傾向を見つけることが出来るかもしれません。

担当される子供もクラスの子供達も集団生活を始めてまだ日が浅いため、まだまだ目新しいものが多く、興味がどんどんとうつってしまう時期なのだと思います。

両者ともにお互いが興味を惹きつけ合ってしまうのでしょうね。

パーソナルスペースに飽きてしまったら「お散歩に行こう」と教室の外や園庭に出てみるのも良いと思いますよ。

最後に、まだまだ落ち着かず予想外の行動を取ったり、テンションが上ってしまうことで焦ることもあるかと思います。

そのような時にはついつい早口になったり矢継ぎ早に言葉をかけてしまいがちになりますが、できるだけゆっくりと、かける言葉を少なくするよう意識してみましょう。

いつでもお待ちしていますので、お気軽にいらして下さいね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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ほいくのおまもり

サイト管理人夫婦の夫の方。保育士を3年勤めた後、営業や経理、自営業など幅広い仕事をして社会人14年目。異色な人生経験を少しでも役立てたいと思いから、2016年4月にこのサイト立ち上げました。3児の父でミニマリストの読書好きです。好きな言葉はLess is more.

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