こんにちは、ほいくのおまもりです。
今回のお悩みは、『目をつけられるターゲットが毎年変わります、やめることはできますか?』というご相談。
ほいくのおまもりは『おつらい状況でしょうから、やめることを考えていいと思いますよ』と回答しました。
どうぞ、御覧ください。
保育士お悩み相談
しかし就職してからというもの、声帯にポリープができたりヘルニアになったり次の日の緊張から眠れなかったりと身体にとって悪循環の日々が続いています。
そして、園長、主任との意見が合わないせいか、園長が理想とする子どもの姿に育っていない、体調不良による休暇の後の態度が気に入らない等、精神的に追い詰められています。
そもそもがおかしいのですが、毎年誰か1人ターゲットとなる先生がいて、ターゲットになると1年は園長の八つ当たりや目につく所を全部突かれます。
今年はそれが私だったわけです。朝の挨拶をしても素っ気なく返され、保育の事で声を掛けたくとも今?という顔をされます。
私自身もなんでこんなことしてるんだろう、いつもならやらないのに…と思う事ばかり起こしてしまいます。
そしてその姿が何よりも子ども達に伝わってしまっている気がします。
今受け持っている年中の子ども達は、年少の時から見ている子ども達です。
うちの園は学年ごとにそれぞれ復数のクラスがあり、去年は新人の子と組んでいましたが、途中から来なくなってしまい、別のクラスは担任不在の状態になりました。
昨年は新人が全員年度途中で辞めてしまったこともあり、主任が1クラス担任を持ち、隣のクラスは園長が担任となりました。
しかし、私が復数クラス見ているのと同じ状態でしたし、出席簿や日誌、ノート処理や指導要録は全て私がやりました。
その分私に負担となってくるものは多かったし、なかなか辞めるとは言い出しづらい状況でした。
今まであったことも全部含め、体調不良が起きているんだと思います。
園長が来年度の人事をどのように考えているかはわかりませんが、恐らく私が子ども達と年長にあがると思います。
しかし、来年度1年間、体力的に精神的に保つ気がしません。
ましてや年度途中で辞めるほうが子ども達にとっても良くないと思い、退職の話をしようと思います。
園長や主任にはまだこの旨を話せていないのですが、今の時期に話していいものか悩ましい所があります。
もちろん、退職の話をした所で裏切り者、時期が悪い等言われることは目に見えてますが…。
長くなってしまい申し訳ありません。
体調に支障をきたしているということは今まで相当な我慢をされてきたのでしょう。
私自身も似たような経験があり、知り合いも同じような環境で保育をした経験があります。
何かお役に立つことができれば、と思いながらお返ししたいと思います。
少し長くなってしまいますが、お許し願えたらと思います。
保育は大きな会社とは違い狭い空間の中で行われること、また、保育士同士のコニュニケーションがなければ成り立たない職業です。
同僚の仕事や行動が目に入りやすい環境にあると言えます。
また、良くも悪くも保育士は「自分の」信念をまっすぐ通す人が多いです。
そのため「一般的に」「周囲から見て」でなはく「自分がどう思うか」で判断し、突っ走ってしまう人もいます。
一度相手の行動が気になるととことん気になってしまう・・・。
それが「間違った保育をしたから」ではなく、
ただ「相手が気に入らない」「自分が考えていることと違うことをしたから」というつまらない理由がきっかけで気になった相手を攻撃してしまう人も、残念ながら保育の現場には存在します。
攻撃されたくないため自分を守った結果、ますます「気に入らない」との印象を持たれ悪循環に陥ったり、冷静さを失い後から振り返れば「なんでこんなことをしたんだろう?」ということも自身で起こしやすくなります。
でもそれは先にも書いたとおり、自分を守った結果です。それだけギリギリの状態にあるのだということです。
本来ならば主任や園長といった上に立つ人は、職員同士が円滑に保育を行うことができるよう配慮するべき立場にあるはず。
なのですが、それが欠けている状態になっていますね。
もしかしたら他の職員はあなたをかばうと「今度は自分がターゲットにされるのでは?」と手を差し伸べることを躊躇していないでしょうか?
そうなるとますますあなた一人だけがこの苦しい環境に置かれているということになるでしょう。
園の職員構成を拝見しましたが、担任不在のクラスがあったり新人がやめてしまったりで、その結果、本来ならば裏方でどっしり構えているはずの園長がクラスに入るという異常な状態になっていますね。
これでは新人は育たない、あなたに過度な業務が来るのは当然の流れかもしれません。
さて、本題のどの時期に退職の話をするか?ですが、民法上は2週間前までに話をすれば良いとなっています。
これ以上攻撃されるのは嫌!というのであればギリギリのタイミングで言うのも一つの手です。
園側から見れば「引き継ぎが出来る期間が短いじゃない!」と思うでしょうが、それはあくまでも園側の都合です。
また、子供たちの引き継ぎをしっかりと行いたい!というのであれば早い段階で、それこそ明日にでも言うのも良いと思います。
園側からあれこれ言われるのは目に見えていると思いますが、すでにこの一年、11ヶ月近くも頑張って来たのです。
「あと少しだから」と割り切ってしまい、残された日々を子供たちへの愛情をめいっぱい注ぐことだけに集中すれば良いかと思います。
子供達が卒園する姿を見ることが出来ないのではがゆい思いをされるかもしれません。
ただ、 子供たちや保護者との関係が良好であれば、退職する日に「ランドセル姿を写真で見せてね」とこっそり伝えても良いと思いますよ。
もし次に体調を崩し休むことがあれば、あなたの身内から直接、園長に休んだ理由を話してもらうのも良いと思います。
あなたではなく身内の人が出てくる、これは園側にとって「大事だ」と捉えてもらうきっかけになるからです。
その際にはあなたが今まで園長や主任に何を言われ、どんなことをされたのかを時系列で書いたメモを提出してもらうと良いかもしれません。
どんな理由であれ、仕事に就くということは必ず退職する日があるということです。
「裏切り者」では決してないんですよ。
保育という仕事は終わりがないので、どの時期にやめても「時期が悪い」のです。
ですから何を言われてもご自身を責めないでくださいね。
この先の将来があなたにとって良い方向に向かうよう、願っております。
社会保険労務士(社労士)からのコメント
私の方からは主に法律的な観点から補足をさせていただきます。
期間の定めの無い契約の場合の退職時期について
ご相談者様が期間の定めのない雇用契約(いわゆる正社員等)の場合、既に回答しているように、民法の規定(民法627条)によれば、原則として申出から2週間経過することにより退職できるとされております。
ただし、職場の就業規則や雇用契約で退職の予告期間の規定(例:従業員が自己の都合により退職しようとするときは、退職予定日の1か月前までに会社に申し出なければならない。)が定められている場合、民法とどちらが優先されるかは裁判例でも見解が分かれています。
まずは職場のルールをご確認いただき、できるだけそれに沿った手順で退職する方が無用なトラブルは避けられます。
しかし、特段の必要性もないのにあまりに長期の予告期間が設けられていて、事業主に退職を申し出ても応じてくれないような場合には、社会保険労務士・弁護士などの専門家や行政機関等にご相談いただくのも解決に繋がるかと思います。
なお例外的に、入社時に明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は即時に雇用契約を解除することができることとされています。(労働基準法15条2項)
パワーハラスメントについて
近年、職場における人間関係のトラブルについて、パワーハラスメント(パワハラ)という言葉がよく使用されるようになってきました。
パワハラについて法律上の定義は現在ありませんが、厚生労働省は「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義しています。
そして精神的な攻撃(脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言)、人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)、過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害)等がパワハラの典型例とされていますので、相談者様の職場でもパワハラが発生している可能性も考えられます。
職場に相談窓口がない、または相談すると不利益がありそうでなかなか相談できないといった場合、各都道府県労働局など外部の相談窓口を利用することも可能です。
パワハラについての詳細や相談窓口については厚生労働省サイト「明るい職場応援団(パワハラで悩んでいる方)」をご参考ください。
ただ、人間関係に関することですので、こういった問題を完全に解決するのは容易ではありません。
退職をお考えとのことですので、他の働きやすい職場を探すことにエネルギーを使った方が、良い方向に向かうのではないかと思います。
相談者様の悩みが解決されますよう、応援しております。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
「私も相談してみたい・・・」というあなたは↓↓↓
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