こんにちは、モモンガ(自然大好きな保育士)です。
他人から見れば「女性ばかりの職場!うらやましい!」と言われがちな男性保育士。でも、実際は女性が多いからこそ苦労も多い。ましてや人間関係の問題ともなると、非常に厄介。そんな男性保育士の私が人間関係の問題を克服したお話です。
人間関係の悩み|私の体験談
私の職場環境
私の働いていた職場は僕以外全員、女性の職場でした。
人数は20人ほどで、男女トイレ更衣室区切りはありませんでした。
その中で働いていて、悩みはやはりつきものでした。
とにかく一挙一動気を使う!
初勤務の日。
朝「おはようございます!」と挨拶し、職員休憩室として使っている部屋に入ったときから、置いてあるものやその場の空気から独特の雰囲気感じてしまい、まるで女子更衣室に入ってしまったかのような居づらさを覚えました。
大袈裟になるかもしれませんが、分かりやすく言うと僕にとっては外国に来たような感覚でした。
そして、その時から、緊張する「女性の職場」での勤務が始まったんです。
着替えの時、女性は更衣室(職員休憩室)がありましたが、男性はありません。
そこで、トイレの一室を借りて着替えを済ませていました。
着替え終わって荷物を休憩室に置きに行く時は、誰かが着替えていないか確認して、ノックして入るようにしました。
誰もいないときはもちろん返事は返ってきません。
しかし、「もしいたらどうしよう、聞こえていないだけだったらどうしよう」などの不安も大いにありました。
毎日毎回、ただ休憩室に入るだけで勝手に不安を1つずつ抱えて蓄積させていたわけです。
担任間で話し合いをしたりするときには、女性の職員同士では、話す距離がすぐ近くであったり、時には肩を叩いたり、特に距離を気使うことはなかったようでした。
しかし、私の場合はそうはいきません。あまり距離が近かったり、身体に触れることはもってのほかです。
男同士のようにはいきませんので、私も話す時の距離、パーソナルスペースを慎重に考えて話すようにしました。
しかし、自然にできれば良いのですが、気を使いながら行うと、ぎこちなさを相手に与えるようになってしまい、他の職員からも少なくとも話しにくい人だと思われていたようです。
この理由は、後々発覚したことですが、私の印象は「気難しい人」だったようで、何をするにも硬い、何かこだわりがありそう、というようなものでした。
決して私は他職員を毛嫌いしていたわけではなく、ハラスメントにならないように問題ないように努力しただけなのです。
その努力の結果、勝手に人間関係の悪化の1歩を踏み出していたのでした。これはまだまだ始まりにすぎません。
話に入れず、置物になった
行動や振る舞いに気を使うとなると、言動も気を使うようになります。
私の場合は過度に気を使ってしまいました。
例えば、女性同士で「芸能人の○●かっこいいよね」「結婚するなら■□な性格の人がいいな」などの話をしていたとします。
男同士ではその話に簡単に入れるでしょう。
しかしながら、私は異性となるだけで、話しにくい、入りにくい気持ちになってしまいました。
そうなると、同じ部屋に居るだけの人間になってしまい、置物のようになってしまいます。
もちろん、居心地が良い訳もなく、顔も無表情になっていきます。
そして、私の水面下の努力や葛藤など理解を得られる訳もなく、ただ、「気難しい人」という人間のできあがりとなりました。
保育業務に支障をきたす
さて、気難しい人と思われた僕ですが、そもそも何故私は人の評価を知り得たのでしょうか?
基本的に職員のやりとりで、僕に接する時と、他の人に接する時で明らかに態度が違ったことで、何となく、私も感じていたということもあります。
しかしながら、決定的になったのは職員の陰口を私が聞いてしまったことでした。
休憩室に入る時、ノックしようとしたその時、聞いてしまったのです。
それを聞いて私は「やっぱりか」と落胆しました。扉の前で動けませんでした。そして、そっと、仕事をするふりをして倉庫に向かいました…。
もう休憩室へは戻れません…。
ここまで私は迷惑をかけないように、ハラスメントに接触しないように、気を使ってきたつもりです。
しかしながら、それが最悪の形ででた瞬間でありました。
「どうしろというんだ・・・」
「もう自分はやっていける自信はない」
「誰も信用などできない。」
こんな最悪の精神状態で、保育業務を円滑になどできるはずもありません。
必要なやりとりもできず、仕事もうまくいかない、人間関係もうまくいかないといった状態に陥りました。
それは負のスパイラルで、どんどん悪化していきました。
対処法、乗り越え方
必要以上に悩むのは何故か
私のケースからいくと、性差を理由とした環境的な要因、人的な要因が積み重なって、人間関係という大きな問題に発展していることが分かります。
しかしながら、これを読んでいる方の中には「ちょっと、気にし過ぎでは」と感じられた方もいらっしゃらないでしょうか?
私は確かに周りの評価を気にする傾向にありました。そして、それが原因の一つでもあります。
それでは、どうすればいいのでしょうか。
人間関係を客観的に見ることが解決の1歩
まずはその職場から離れることをおすすめします。辛かったら休んでもいいと思います。
何故かと言うと、灯台下暗しということわざでもあるように、特に人間関係では、当事者よりも傍観者のほうがより正確に冷静に見ることができるからです。
私は精神科にかかり、まず休みを取りました。
そして、落ち着いてきたころに冷静に考えていきました。
そうすると、自分が過度に緊張し、自分から壁をつくっていたことに気づきました。
これでは、誰が見ても、円滑にコミュニケーションしようとは思わないだろうなと気づいたのです。
この気づきは、後になって考えてみると、自分の成長の大きな1歩となったのです。
明日は新しい自分でいる
休みからしばらくして復帰したとき、心に決めたことがありました。
それは、明日は新しい自分で臨むことです。
いつまでも、怒られたことや失敗したことを引きずっていては、またそれが人間関係を悪化させる原因となります。
意識をして自分をリセットすることで、勇気が生まれるのです。
合言葉のように「新しい自分」と自分に呼びかけました。
そして、私は復帰からしばらくして、勇気をもって自分のこれまでの悩みを職員会議で素直に、迷惑かけていたことを謝りつつ、打ち明けながら相談しました。
それは、自分の恥と思っていた弱い部分を、自分の中の怖さに打ち勝って、正直に話す勇気でした。
その結果、周りの職員に認められ、今まで不安がっていたときも理解してもらえるようになりました。
私の気持ちは、何故最初から相談できなかったのか、素直になれなかったのか・・・後悔が大きかったです。
それでも、転職へ…
しかしながら、一度傾いた人間関係を修復すること、人間の印象を払拭することは、難しいものです。
私はより自分に合った職場を求めて転職しました。
転職サイトを使い、相談にのってもらいながら転職を進めていきました。
ひとりでは決して探すことはできませんが、男性が働きやすい場所をコンサルタントの方に相談しながら探して行った結果、転職先では男性は少ないことに変わりはありませんでしたが、男性に理解のある職場環境でロッカーも区切られており、良い人間関係を築いて安定して働くことができました。
大きなことは、1度人間関係に失敗した自分が、失敗を元に構築の方法を考えて実践した結果があると思います。例えば、
- 明日は新しい自分でいる
- 困ったことがあれば言う
- 何でも一人で抱え込まない
- 背伸びしない
といった、一見当たり前のことが、必要性を感じながらできるようになったことです。
そして、失敗から学んだ1番大事なことは、自分の評価を大切にするということです。
これについては、次の章でまとめてお話ししますね。
男性保育士が活きるには
分かっておきたい、男性のメリット
女性を積極的に狙って雇用しているところは別として、現在、保育士が働く職場のほとんどは、男性を必要としています。何故でしょうか?
それは、子どもの遊びから保護者、地域の連携まで、広い範囲をフィールドに保育を円滑に行っていく上で、男性保育士を雇うメリットが多くあるからです。
そのことを踏まえて、ここでは、これから男性が働く上で、重要になってくること、意識しておいた方が良いことをお話します。
まずは一般的な男性のメリット、必要性を把握しておきましょう。
男性と女性の役割分担について
男性保育士のメリットとして、仕事の役割分担ができるところがあります。
一般的に男性が入ることで良いと言われているところを挙げていきましょう。
- 力仕事を安心して任せられる
- 遠足などの園外保育のトイレの時、男子トイレに抵抗なく入れる
- 防犯上、男性がいることで心強い
- 保護者が寛容になる、父親との連携が取りやすい
- 男性の視点や価値観が入ることで、保育の幅が広がる
- 男性ならではの、ダイナミックで活発な遊びが期待できる
- 父親的な存在が園に生まれ、両性いることで自然な人的環境が整う
- 頼りがいがある、寛容で力強い存在になれる
こういった内容になります。
男性が入ることで、運ぶものが多い運動会などの行事では、特に大活躍しますね。
行事=忙しいは保育士業界ではほぼ常識になっていること。
その忙しい時に体力の必要な仕事をこなしていかなければならないですが、男性がいるという心強さが全職員の助けになります。
そして、保護者対応でも男性ということはデメリットもありますが、メリットも大きいようです。
男同士のつながり、父親との連携は大きい他、クレームをつけがちな母親が、男性保育士が担当になったことによって円滑にいくケースも過去にあります。
そもそも、お父さん、お母さんの両性が協力し合う家庭が、子育て環境として好ましいということは周知の事実です。
そして長い目で見て、子どもの情緒を安定させるには、そして子どもが世の中を知るには、両性の環境の中で過ごすことで、両性の声に慣れ、親しんでおくことがギャップをなくす1歩にもなります。
小学校で突然男性教諭に当たるよりも、乳幼児期に男性と関わり触れ合いをもつことで、とまどう環境の変化の一つがなくなることにも繋がります。
このように、両性がいるということは、先生、保護者、子どもの誰にとってもメリットが大きくあるのです。
男性保育士は少ないので、まだメリットを十分には知られていませんが、必要なんだという自覚をもっていただければと思います。
あなたを活かすために
では、メリットが十分ありましたが、これから男性が実際働く上で何に気をつけていけばいいでしょうか。
端的に言ってしまいますと、基本的にどうしようもないことを受け入れてから働くようにしましょう。
これは理不尽をただ受け入れろ!という意味ではありません。
男女の違いを受け入れた上で、その分、女性にはない良いところを理解して前向きに、現実的に活かしていこうという意味です。
つまり、女性と同じ土俵で勝負すると必ず負けますが、男性の良いところを活かしていこうと前向きになると、良くなるという考えです。
人の評価よりも自分の評価を大事にしよう!
保育業界、どうしても男性にとっては逆境となる環境が多いことが現実です。
私のケースでは、職場の先生たちに嫌われないようにしようとしてそこに視点がいきすぎてしまい、結局人間関係を崩してしまう結果になってしまいました。
崩そうと思ってしていたわけではなく、周りと上手くやっていこうとしすぎて失敗してしまったのです。
ここにギャップがあるわけですね。
このギャップの原因とは、自分のしたことや言ったことを自分自身で評価するか、それを他人の評価を受けて正しいかどうか判断するかの違いです。
男性保育士は、着替え場所など、周りに気を使う職場環境から、知らず知らずのうちに他の部分でもつい女性職員に遠慮してしまったり、悪く見られたくない気持ちなどから、身の丈以上の業務を受けたり、必要以上の我慢をしてしまうことがあります。
そして、力仕事などで「男性だから頼りになるね」と言われ、つい「男性は女性よりも強い」イメージが先行してしまうことがありますが、男性が全てにおいて強いわけではありません。むしろ心の中は女性よりもナイーブな感情を持ち合わせていることがあるのです。
人から誉められたこと、認められたことはあくまで一つの評価であり、自分自身の等身大の評価を大事にしてください。
そうすれば、人間関係でむやみに悩みすぎるということはなくなっていくと思います。
そして、男性保育士に対する偏見にどう対処していくかですが、ある程度すぐにはどうしようもありません。
しかし、ここでも男性保育士の自己評価の上、冷静な判断が必要なのです。
では、代表的な例を一つ挙げて考えてみます。
「保護者のクレームから、女児の着替えを男性保育士にさせない」
この例ですが、園の希望だから、保護者の希望だから、といったことで納得できるでしょうか?
着替えを手伝い、痣がないかなどの身体の異常を観察したり、オムツ交換から便の状態を見て、健康状態を把握することも立派な保育士の責務で、専門的な視点で行っていることです。
それに、比較を出すなら、男性の医者が女児の裸を診察することは問題なく、保育士が女児の着替えを手伝うことは問題だといったことは、おかしいですよね。
「男性は女児の着替えには関わらないこと」などの性差別を受けるような環境の園で働いているならば、私は迷わず転職をおすすめします。
そういった園は、保育の専門性に欠ける園ということを自白しているようなものだからです。
もちろん、そういった園で男性が他の職員と円滑な人間関係を築いていけるはずもありません。
たまに、辞めることは逃げだ、根性がないからだと幼稚なことを言う人もいます。
断言しますが、転職は逃げではありません。
あなたを活かす方法の一つです。
自分自身が正当に長く働ける環境に行くことも、冷静に自己評価をした上で判断できる技なのです。
まとめ
男性に対してはまだまだ厳しい環境がありますが、保育環境として間違いなく必要とされています。
その分、注目を浴びたり、マスメディアによって一部の偏見報道があることも事実です。
多くの男性保育士は戸惑うことが多くあるでしょう。
しかし、自分を見失わずに正当な判断をしていけば、信頼を積み重ねることができ、男性しかできない職場での地位を確立することもできます。
それには冷静な職場選びや、振り回されない人間関係の構築が必要です。
悩んでいる男性の方、明日は新しい自分なのです。
明日へ向けて、一歩ずつ歩いていきましょう。
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