こんにちは、ほいくのおまもりです。
今回は某保育士転職サイトで転職をした人の体験談。2年間で同期14名が4名まで減る、過酷な保育園。その後2年の休職期間を経て、思わず仕事に本気になってしまう素晴らしい保育園に巡りあいます。仕事に悩んでいるあなたに読んでほしいです。
※今回は転職サイト名は伏せています。
もくじ
転職前の仕事|3年目で乳児リーダー
大学卒業後、社会福祉法人の保育園に就職しました。
その園はわりと歴史のあるところだったのですが、入る年に新設園を開園。
元々いた先生が新設園に異動したのもあったのですが、辞めた先生も多かったようでなんと23人中15人が新人(新卒・既卒含め)という状態でのスタートでした。
私は0歳児→2歳児→1歳児、と三年間勤めました。
一年目は覚えることだらけでいっぱいいっぱいな毎日でしたが、二年目にはサブリーダーとなり、三年目には1歳児のクラスリーダー(子ども23名、職員5名)となりました。
乳児クラスのリーダーは経験年数の長い先生がやっていたので、まさか自分がリーダーになるとは思わなかったのですが、それもそのはず。
三年目にあがる頃には、14人いた同期は4人にまで減り、その分後輩が増えていたのです…。
転職を決意した理由|自分はこうはなりたくない…
仕事は定時にあがれるわけもなく、タイムカードを押しに行きまた仕事に戻る、というのが当たり前になっていました。
保育から抜けられないこともありましたが、毎週の製作準備や日々の保育の準備に追われることはもちろん、行事前になると更に仕事量が増えました。
帰宅後夕飯を食べてから、近所のファミレスに行き夜中まで仕事をすることもありました。
なぜこんなに仕事に追われるのか。
その原因のひとつには、理事長先生という存在がありました。
理事長先生が全てのカギを握っており、園長先生は所詮その使い手。なので、全ての決定権を持っている理事長先生がいないと、仕事が進まないことが多かったのです。
新園を開園したこともあって、理事長先生はいないことの方が多く、いても機嫌次第では話しかけることもできません。
そのせいで色々な決断が必要なこともGOサインが出ず、結果として日程が詰まり仕事に追われてしまう、ということがありました。
また、私が入るより前からいた経験年数の長い先生は、園長先生にいいように使われることが多く、保育中に抜けて園長先生の元へ行くことが当たり前になっていました。
その間、人数が不足した状態、しかも新人だけで見る、ということがありました。
私はその先輩保育士の姿を見ていて「自分はこうはなりたくない」という気持ちが強くなっていきました。
子どもとかかわっていたくてこの仕事をしているのに、ここで長く続けていても上の先生の機嫌をとりながら過ごすだけなのではないか、と思ったと同時に、園長先生を始めとした先輩方は、みなさんお子様がいらっしゃらない(そもそも結婚をしていない方も)現状を見て、この職場にいたら子どもを育てることなんてできないのだろうな、ということを感じました。
一年目からこのようなことを感じてはいたのですが、三年は続けると決めていたので、三年働いた後、退職しました。
転職活動|やっぱり保育士かな
退職後は、海外旅行をメインに二年間過ごしていました。
長期の海外旅行から帰ってきた後、そろそろ働こう、働くならやっぱり保育士かな、という軽い気持ちで転職サイトに登録しました。
私が登録したのは「●●サービス」と「保育士●●」です。自分の中では、またお金を貯めて海外に行きたい気持ちがあったので、長く勤められる所というよりは派遣社員・契約社員で給料のいい所、という条件で考えていました。
同日に二つの登録会へ出向きました。
●●サービスは貸会議室での単純な登録会という印象。
保育士●●は、会社での丁寧な面談と説明がありました。
両社とも電話でのやりとりはスムーズで、二日後には保育士●●の紹介で、株式会社の運営する保育園の面接へ行きました。
勤務形態は契約社員です。
場所は本社で、保育士●●の面談時にお会いした社員の方と駅で待ち合わせをし、カフェで打ち合わせをした後、受付まで送って下さる、という密なサポート具合でした。
会社での面接は小論文の試験なども含まれているしっかりとしたものでした。
その二日後、採用との連絡を頂き、募集している園へ直接伺いました。
園長先生とエリアマネージャーの社員の方とお話をしたのですが、私自身に興味を持って、しっかりと話を聞いて下さいました。
職員の方の雰囲気がよかったこと、保育方針がしっかりとしていること、また、会社自体がしっかりしていることに魅力を感じました。
同時期に●●サービスの紹介で、別の株式会社が運営する保育園の見学へ行きました。
勤務形態は派遣社員です。そこでは園長先生と面接をしたのですが、面接というよりとにかく「いつから来られますか?」とのこと。
働く人の人柄には重きを置いておらず、とにかく「人」が欲しいのだな、という印象でした。
行く前にインターネットでこの園について調べたのですが、はっきりとした保育方針が見当たらず、魅力を感じられなかったことを覚えています。
二社から採用をもらう
私は二社とも採用を頂いたのですが、やはり保育方針がしっかりしていて、「働くならこっちのほうがいい」というフィーリングを大切にして前者の園への就職を決断しました。
前と同じようなことにならないためにも、自分が働いている姿を想像してみることや、会社について、働く側と子どもを預ける側(親)の両方の立場から調べて雰囲気を掴むことは大切だと思います。
私は二社目について調べた時、その株式会社の系列の園の職員は派遣社員が多く、先生の入れ替わりがあるため安定しない、ということを知りました。
前回の教訓から働きやすさを求めていたので、これは違うな、と感じました。
また、給与面では、給食費など諸々を差し引いて考えると総合的にどちらがいいのか、というのを色々と細かく計算して考えました。
とにかく、自分なりに情報を集めてよく考えること、そして自分の“感覚”を信じて判断することが大切だと思います。
新しい園で働いてみて
契約社員として入社してみて、私は「こんなにいい職場があるのか!」と感動しました。
大げさに聞こえるかもしれませんが、働き始めて三年経つ今でも同じことを思っています。
先輩方の丁寧な指導や細かい気配り、経験の豊富さから子どものことを一人ひとりよく見て保育している姿は本当に尊敬でき、私は仕事上初めて「尊敬する先輩」ができました。
元々軽い気持ちで戻った保育士という職業でしたが、先輩方の熱量に心動かされ、気づくと本気になって仕事をしていました。
一年という期間での契約社員で入社しましたが、一年目の終わりには正社員登用試験を受け、正社員となりました。
そして二年目の終わりには等級試験を受け、次の等級へステップアップできたくらい、自分の気持ちには変化が起こっていました。
また、株式会社が運営する園に就職してみて、福利厚生の手厚さには驚きました。
医療費を負担してくれる制度や、入院等したときの見舞金など、いざという時にサポートしてくれる制度がしっかりとしていたのです。
実際私は入院することがあったのですが、見舞金を受け取れましたし、その入院している期間は嫌な顔せず、むしろとても心配してお休みをとらせてくれました。
以前働いていた園では「有給休暇」というものはあってないもので、誰一人としてとっている人を見たことはなかったのが今の園ではみんな月に一回はとっています。
また産休や育休なども以前働いていた園ではありえなかったのが、今の園ではそれぞれお休みをとりながら、また復帰後は時短勤務を使いながら自分のペースでお仕事をされています。
転職活動をしてわかったこと
私は転職をしてよかったな、と本当に思っています。
この仕事は資格があればどこででもできる仕事だと思いますが「どこででもできる」のであれば、せっかくなら自分が気持ちよく、楽しく働ける職場が良いと思います。
給料と労働が割りに合わなくて辛いこともあると思いますが、子どもたちと楽しく過ごせる、子どもたちの成長の手助けを生き生きとできると感じられる職場であれば、それだけで働き甲斐があるのだろうなと思います。
今働いているところに不満がある、なにか現状を変えたい、という方は思い切って転職してみてもいいと思います。
あなたが日々楽しみながら保育ができる素敵な職場にめぐり合えることを祈っています。
まとめ|体験談を読んで…
私が最初に思ったことは「典型的な悪い職場だな…」ということ。
理事長が権限を持っていて仕事が進まない、園長(上司)がその時の気分でお気に入りの保育士を連れて行く(だから保育室の保育士が不足する)、有休が取れないなどなどなどなど…。
そして大事なことは典型的な悪い職場とは言え、これが当たり前ではない。もっといい職場は、必ずある!ということ。
もともとは軽く勤めるという気持ちで働いたはずが、本気で働くことになり、正社員、ステップアップという流れ。理想的ですよね。
そして繰り返しですが、こうやって保育が楽しくて本気になれる、そういう職場は本当にあるんです。
今の職場が悪い環境だと、作り話のように感じるかもしれませんけれど。
諦めないで、魅力的な職場を探すべく、活動をしてみてくださいね。