こんにちは!モモンガ(自然大好き保育士)です!
見た目は赤ちゃんぽいけど、結構しっかりしているなと感じる1歳児。
内面は思ったよりも文化的な世界に生きており、大人なんです。
今回は、そんな要求と発見を繰り返す1歳児についてまとめました。
1歳児向けの保育ネタ♪
1歳児の発達段階を整理しよう
【この章のまとめ】
- 1歳児は興味あることに一直線に向かっていく
- 楽しい光景は連鎖して友達関係を築いていく
- もっとしたいは達成感を集めている1歳児の姿
基本的な発達過程
基本的な発達過程をまとめました。
※個人差があるので参考程度にしてください
1歳半まで
ドーナツ型のおもちゃをもって、中にひもを通すなどの手と目を連動させて遊ぶことができます。
握るからつまむに移行していくのも特徴です。
虫がいるとそっと触ってみようとしたり、力加減も気持ちに合わせてしていくようになります。
段々と歩行が安定していきたい場所へ行けるようになります。
おままごとなどのつもり遊びがはじまり、空想の世界を膨らませるようになっていきます。
自分の思い通りにいかないと保育士に訴えたり、甘える姿が見られます。
お友達に対してはかみつき、ひっかきが見られます。
手づかみで食べようとし、手指の操作が身についてくれば、のちにスプーンをもって食べようとしはじめます。
自分で服を脱ごうとしたり、生活をコントロールしたい意志を表します。
ソファーによじ登って転がったり、滑り台で繰り返し遊ぶなど、高低差を楽しむ様子が見られます。
1歳半から
箱をバスに見立てるなどの、物の見立て遊びが見られます。
保育士からの簡単な指示や言葉が分かるようになり、その通りに動こうとします。
また、保育士の言い方を聞いて繰り返し真似したり、絵本の気に入ったフレーズを思い出して話しはじめます。
足腰がしっかりしてきて長い距離を歩けるようになったり、ボールを蹴るようになり、その喜びを感じはじめます。
言語が多くなり、自分の要求や気持ちを言葉で表現し、バリエーションが増えていきます。
人との関わりが楽しくなり、おいかけられるのを楽しんだり、子ども同士で意志を交換しあいます。
その形はどうぞと渡してあげたり、取り合いになったり様々です。
食べこぼしはまだあるものの、食事を最後まで自分で取ろうとする姿が見られます。
面白そうなものに向かって一直線
1歳児の特徴を一言で言うならば、一直線です。
興味あるものを見つけると、まっすぐ指を指し、嬉しそうな声を上げて向かっていくその姿。
身体のバランスがおぼつかなく、コテッとこけてしまう。
でもこけたことは気にせずまた向かっていく。
まだ気持ちに体のバランスがついていっていないような、そんなアンバランスさが見えます。
こんな1歳児らしい可愛い姿はよく見られると思います。
他には砂など感触の気持ちいいものを、手に取ってさらさら・・・と落とし続けていたり、保育士が砂穴をつくれば指を入れてみたり、ペンを持てば直線をまるで刀を振るようにシャッ!とお絵描きする姿。
まさに1つのことを一直線にやってみる行為が多くみられるでしょう。
1歳児は、観察する力が育ちはじめるので、周りを見渡して興味あるものを捉えることができるようになります。
その時だけではなく、見たものが印象的であれば、絵や感覚で覚えておくことができ、期待をもってまた取り組むことができます。
もちろん記憶力はまだまだつたないものなので、ぜんぜん完全ではないのですが。
楽しかった記憶は、絵だけではなく、その時の温度やにおい、音など感覚で残ります。
沢山の「楽しい!」体験的な機会を作っておくと、その後の友達との関係に繋がっていきますよ。
そのお話は次の項目にて紹介しますね。
興味の連鎖が共有へ
「楽しい」経験は連鎖します。
一人が楽しそうにやっていると、「なんか楽しいことあるかな」と観察する1歳児の目に留まり、興味をもってかけよります。
それが楽しかった場合、連鎖します。
例を出してみます。
友達が水たまりでバシャバシャ水を跳ねさせて遊んでいるのをみて、自分も水たまりへ。
バシャバシャ跳ねさせてたっぷり笑顔。
それを見てさらにやってみる1歳児がよってきて、みんなでバシャバシャ。
中には顔に跳ねたのが嫌で泣き出す子もいましたが、バシャバシャするのは楽しそうでした。
このエピソード、水を跳ねさせたいけど、顔にかかるのは嫌だという何とも一方向で一直線な思いが1歳児らしいですね。
明日にはまたバシャバシャしたくて水たまりに行くのでしょう。
友達が跳ねさせているのを見て、その行動を真似する。
簡単な仕組みというか当たり前のことなのですが、ここから分かる大事なことがあります。
それは、1歳児はもうすでに真似る、期待をもつ力が芽生え始めているということです。
楽しかったことや発見を伝えたい、分かち合いたい欲求は、他人と繋がり、「一緒にやって楽しかったね」と共感する力と繋がっています。
自分の思いを「楽しかったね」「嫌だったね」「冷たかったね」など、たっぷり受け入れてもらえれば、友達と繋がっていく力の芽生えになるのです。
1歳児の興味あることに丁寧に寄り添って、気持ちを共有することは、1歳児を保育する上で重要なポイントになります。
「つもり」+「もう1回」=「もっと」
1歳児後半になってくると、自我が強く出てきます。
1歳児前半では、とにかく興味あることがでてきて一直線に向かっていき、感触を楽しむなど、その場で終わっていました。
それから段々と楽しい経験が積みかさなり、1回やった場所や遊びをもう1度やるようになります。
また、徐々に友達と並行遊びを進めていくような姿が見られます。
そして1歳児後半。
積み重ねた経験と「~のつもり」ができる発達が重なって、「~じゃない、~だ」と考えられるようになると、比べて、決めてやってみるという、「自分でやりたい」「もう一回」がどんどん強くなります。
「もう1回やりたい」というのは、成功体験や、積み重ねでだんだん大きくなるなど、見通しがもてるようになってきた証でもあります。
例えば、砂の山に水をかけると、消えるようにくずれてしまう。
これが面白くて、保育士が山をつくると、くりかえし水を入れてはかけ、入れてはかけ。
水をかけるとくずれるという経験が面白くて、「もう1回」となっている姿ですね。
また、水をかけるたびに面白いことを作り出している自分が誇らしく感じて、達成感を集めているような姿でもあります。
「もっともっと」と繰り返しの意欲は、特に大切にしたいですね。
1歳児保育のポイント!
【この章のまとめ】
- 1歳児が満足できる時間を隙間に設け、前向きな気持ちで生活自立へ向かおう
- トラブルでは1歳児の気持ちを代弁して寄り添い、正しい関わりを見せよう
- 保育士は1歳児の興味に沿って~のつもりになって遊びをつくっていこう
満足感ある間を挟む
こちらが何かしようとしても、「いや!」と拒否されることが目立ってきませんか?
そんなとき1歳児には、ちょっとした満足する体験を入れてみましょう。
特に1歳半を過ぎると、自分で決めたい意志、つまりは自我が強くなってきます。
もちろんそれは大人の都合に合わないもの。
散歩中、面白そうな水たまり見つけた、マンホールに興味をもってじっと見たいなど、保育士からすればちょっと困ったと思うことばかりでしょう。
しかし、一歳児にとっては満足感を味わうことで次に進むことができるのです。
その理由として、まだ「後からやる時間でしよう」などの見通しが立たないからです。
特にスケジュールに従っての食事→午睡などの切り替えは、快か不快で言うと、不快でしょう。
なので、そこにちょっと遊べる時間を挟みます。
いつもは出さない、集中できるおもちゃを出してみるのもいいでしょう。
ちょっといつもはいかない場所で過ごしてみるのもいいかもしれません。
そうすると、不快であるはずの切り替えに「あ~楽しかったな」という満足感をもって前向きに進むことが出来ます。
ちょっと遊んで寝るみたいな選択もあれば、満足する可能性が高まるので、一日の流れに満足できる時間を挟んでみてください。
1歳児は疲れたから寝る、お腹がすいたからご飯を食べるという生理的欲求プラス、心の満足感が重要となってきます。
見守り、静止だけではなく、関わり方を伝えよう
「まだ小さいから仕方ないか」と見守るだけではなく、「危ないからダメ」だけではなく、「こうしたらいい」を実際に保育士がやって見せて伝えていきましょう。
そうすることで、「分からない、知らない、奪う」から、刺激が与えられ、真似してやってみる姿に変わっていきます。
ただ、これは根気よくというのが重要で、1年通してそういうスタンスで行くというぐらい長期的にやり続けていきましょう。
また、関わり方を伝えるときは、1歳児の気持ちを代弁してあげましょう。
おもちゃの取り合いで噛みついてしまった時の例です。
噛みついた子に「●〇も欲しかったんだよね」と、まずは代弁します。
その後に「かして」などの関わり方を伝えます。
おもちゃの取り合いであれば状況によっては、代弁だけで良いかもしれません。
また、噛みつきは時として手持無沙汰のあらわれであったりもするので、噛みついた場合は「どうして噛みついた」と考えるようにしましょう。
なんとなく心地よくて噛みついてしまう、不快な思いをして自分を守るために噛みついてしまう、などなど子どもによって色々なので、子どもを知れるチャンスでもあります。
つもり遊びは心を揺らす
立って歩ける、物を掴んで自由に操作できる。
そうなると、~のつもりで遊ぶ姿がでてきます。
つもり遊びは1歳児が繋がりあうには必要不可欠で、また達成感を引き出す大切な要素です。
~のつもりができる環境を用意しておくことが、保育士の腕の見せ所です。
それはただ単に色々な物を準備することにとどまらず、保育士がつもり遊びをしてみていいかもしれません。
子どもの興味によって色々提案してみましょう。
例えば女の子の髪を結んであげることから、美容院屋さんと称して紙で作ったハサミやクシ、布でつくったエプロンを用意してみる。
保育士が一緒に遊んで楽しい空間になれば、盛り上がるかもしれません。
またその時使った環境は使い捨てではないので、繰り返し使えます。
盛り上がらなくても良いのです。
何がどういう形で子どもに受けるかはわかりませんから。
大切なのは、保育士が今の1歳児の姿を見て、「~だったらいいのにな」を予想して環境へつなげ、楽しく遊びをつくっていくことです。
1歳児のあそび
1歳児の遊びの中で特に、自由遊びを特に大事にしたいです。
何故なら、自分の興味あるものが生まれて、突進するように向かっていく時期だからです。
友達を意識して共感しながら遊ぶには早いので、みんなで何かをするというよりも、子ども一人ひとりのやりたいことを尊重してあげるように考えると良いでしょう。
そんな1歳児に対して、環境づくりは重要です。
そこでこの章では、環境づくりや環境を使った自由遊びに焦点を当てて紹介します。
外あそび
散歩で色々な自然に親しむ
いつも同じ場所ではなく、是非散歩にでかけてみましょう。
草が生い茂るような、自然豊かな場所が良いですよ。
土や草の感触を足裏に受けたり、虫や花との出会いもあります。
倒れた丸太に乗っかって進んでみたり、大きな木の枝に座ってみたり、色んな環境が用意されています。
自由遊びの中で自ら関わっていくことで、「こんなの見つけたよ!」「もっかいやりたい」こんな発達の材料がたくさんもらえます。
緑地公園などに散歩に行くときは、マダニ、蚊などの発生に対策をしていきましょう。
また場所選びも大切で、1歳児がすっぽり隠れてしまうほどの茂みは避け、見通しの良い平坦なところがあるような場所を選びましょう。
怪我をした時のための準備も欠かさないようにしましょう。
また、最近は暑くなる時期が早いので、熱中症対策は欠かさずに。
しっかり子どもを見守って色々な刺激を受けに行きましょう。
室内あそび
粘土
1歳児の自由遊びには粘土がおすすめです!
ちぎったりまるめたりこねたり、感触を楽しんだり、ちょっぴりひんやりして気持ちいいところがポイント。
指先の運動になりますし、力加減もいらないので、子どもに合わせて感触を楽しむことができます。
粘土には小麦粉粘土、油粘土があります。
小麦粉粘土は口に入れても安全性が高いというメリットがありますが、アレルギーの子どもの場合は大変です。
アレルギーの有無に合わせて使い分け、粘土で遊んだら手を洗うことを習慣づけましょう。
食紅を混ぜ込んで色んな色粘土を作り出してみても楽しいですね。
最初はギューッと押したり、大きくちぎったりダイナミックに遊ぶでしょう。
段々と型抜きなど覚えてくると、小さくちぎったりの変化が見られるかもしれません。
シール
集中力を鍛えるにはシールがおすすめです。
狙ったところにぺたっ。
目標一点に向かって貼るので、集中できます。
環境としては、シールはひとつずつに台紙ごと切り分けておきましょう。
そして、お皿にいれておきます。
はがした台紙を入れるくず入れを横に準備しておきましょう。
真っ白なところに無造作に貼ってみるのも面白いですが、貼る場所を分かるようにしておくのも面白いです。
例えばブドウ、アンパンマンの鼻など。
丸い物、図形に興味をもって、世の中の丸とシールの丸を連動させて関連性を導くねらいもあります。
また、線に沿って貼っていき、形ができるのも面白いかもしれません。
手指を使って、剥がし、目標に向かって貼る。
たったこれだけのことですが、自分のイメージ通りに指先を動かす経験は、今後の身体を使った遊びにも生きてくるでしょう。
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まとめ
1歳児の1年で目的をもって動く姿へと変わっていくので、「人間になったなぁ」という印象を受けるかもしれません。
子どもの中では1年と言う短い時間で目まぐるしい発達を遂げていきます。
歩いて移動ができるようになった、ひとつの物に対して色々な印象を抱けるようになった、その成長の中には様々な葛藤が隠されています。
そんな可愛らしくもあり、たくましい1歳児に寄り添って保育できるとよいですね。